第28話「世界最強の人間」
第28話「世界最強の人間」
次の日、私はゼロ様と一緒に学校に登校している。
至福の時間とはこのことを言うのだろう。だが、それを邪魔する者が現れた。
「おい、ゼロだろ。止まれ」
私達の目の前にあの時ゼロ様をバカにした者と知らない男、そして女が3人立っていた。
「…何の用だ?」
ゼロ様は少し魔力を出して威圧しながら聞いた。
「そう警戒するな。俺は健という者だ。異世界から召喚された勇者のリーダーを務めている。昨日、俺の仲間を傷つけたようじゃないか」
健と名乗る男は威圧に怯む事なく身に覚えのないことを淡々と話している。
「知らねぇな。じゃあ、俺たちは用事があるから」
「待てよ…」
男は強い威圧を込めてゼロ様の肩に手を置いた。これほどの威圧、もしかしたら私よりも強いかも知れない。
だが、ゼロ様は怯まない。それどころかゼロ様は男が放った威圧の倍の魔力を込めて男に向けて放った。
「…少し、場所を変えようか」
私達は学校の闘技場に移動した。
「じゃあここでお前の今できる最高の魔法を俺に撃ってみろ」
「は?そんなことしたらお前が死ぬぞ」
「俺がお前みたいなやつの魔法で死ぬわけないだろう」
「…そこまで言うならやってやるよ」
男は少し不機嫌になりながらも魔法を撃つ構えをとった。
「行くぞ…『消えろ』!」
男がそう言うとゼロ様を中心にまわりの物質全てが消えた。
「ゼ、ゼロ様…?」
「はっ!俺にあんな生意気な態度をとるからだよ。こうなって当然だ」
「流石健さんっす!カッケェっす!」
まわりの人達がわめいている。あぁ、うるさいなぁ。
そんな事を考えてる内に私の意識は闇の中へ消えていった。
…目がさめると私の目の前にはゼロ様がいて、まわりには先ほどの男達が倒れていた。
「これは…ゼロ様が?」
私が質問するとゼロ様は
「いやサクラじゃねぇの?俺は空間魔法で逃げてたけど」
つまりゼロ様は先程の攻撃は当たっていなかったと。
「よかった…」
「何がよかったんだよ、思いっきり遅刻だよ」
遅刻?………あっ!
「すみません!忘れてました!」
「早く行くぞ」
「はい!」
そうして私とゼロ様は教室に向かっていった。




