第23話「当然の結果」
第23話「当然の結果」
「…えー、まぁ、君は合格だ。だからもう帰っていいよ?」
試験官に帰れ宣言を喰らう。
「えっと、その…」
「頼む帰って」
「あっ、はい」
私は試験官に帰らされた。出口に向かうとゼロ様と黒丸様がそこに立っていた。
「よくやったな、サクラ。まぁ最初からお前の合格は決まっていたようなもんだがな」
「ゼロ様…ありがとうございます!」
そう言って私はゼロ様に抱きつく。
「じゃあ明日から寮生活だな。俺は別に寂しくないけどお前が寂しいとかなら会いに行ってやるぞ」
「はい!ありがとうございます!!」
「じゃあ僕達は帰るね。明日から頑張ってね」
「はい!」
朝、私は宿から出て学校へ向かった。
(緊張するなぁー…でも、頑張ろう!)
私は教室のドアの前でそう思いながら教室に入った。
教室に入ると私の同級生になる人達がみんな私の方へ振り向き、そして目を逸らした。
(私、何かしたかなぁ)
そう思っていると同級生の1人が話しかけてきた。
「やぁ!君があのサクラ君だね。とっても話題になっているよ!良かったら僕のパーティーに入らないかい?悪いようにはしないよ」
「えっ…と、」
そんな話をしていると周りから
「…またやってるよ、あいつ」
ヒソヒソ
「可愛い女の子を見つけてはパーティーに引き入れて集団で襲って」
ヒソヒソ
「でも権力持ってるから誰も逆らえないんだよなぁ」
(ああ、やっぱり貴族はこんな人ばかりなんだな)
「あの、ごめんなさい。お断りします」
「…何故だい?僕の所に来ればなにも不自由はさせないよ?それに君の保護者は血が繋がっていないようでは無いか。それに弱そうだ。僕が本気を出さずとも、蹴散らせるだろう」
その貴族は自分が強いということを私に示したいようだ。
「……ゼロ様を」
「ん?」
「ゼロ様を悪く言うな!!!」
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《スキル獲得》
エクストラスキル
怒りの咆哮
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「うっ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
貴族は教室の壁に叩きつけられた。
「次、ゼロ様の悪口を言うようなら…分かっていますね?」
「は、はひぃ…」
「おいそこー!授業を始めるぞー!」
教室に入ってきたのは綺麗で気品ある、完璧と言わざるを得ない女教師だった。
そして教師はニッと笑い、
「では、授業を始める!」
と、言い放った。




