第16話「幻獣」
第16話「幻獣」
「…で、なんでまた来た?魔人共は返り討ちにしただろ?」
俺の前で頭を下げるエルフ達に問う。
「はい、貴方様のような方の傍にいればもう襲われることも無いかと…」
「正直かよ」
俺は国の民が増えるならいいけど…サクラ達がなぁ…
「私達は大歓迎ですよ!レイさん!一緒に魔法の勉強をしましょう!」
「うん、僕も賛成だね。また何かが攻めてくるかもしれないし、戦力は多い方がいいしね」
「私は皆様が良ければそれでいいです」
皆賛成か。
「なら、歓迎してやるよ。今夜はパーティーだ」
「「「「「わーい!!」」」」」
「肉うめぇ、流石アイス」
「いえ、ゼロ様。その料理はサクラ様が作りました」
サクラの方を見ると涙目でこちらを見ている。
「お、おぉ!流石サクラだな!こんな美味い料理を作れるとは!!」
そう言うとサクラの顔がパァァァっと明るくなり、
「ありがとうございます!ゼロ様の為に頑張って作りました!!」
良かった、機嫌を直してくれたか。
「それにしても本当に美味しいよ。一体どんなことをしたらこんなに美味しくなるんだい?」
「フッフッフ…秘密です♡」
サクラとアイスは人差し指を口元に当ててそう告げた。
しかし本当に美味いな…これってなんn…
「おい」
「ん?」
そこには図体のデカい狼がいた。
「我にその肉を喰わせろ」
図々しいな。
「お前なんぞにやる肉は無い」
「ならばここで死ぬがよい!」
狼は前足を上げ、俺に振りかぶる。
「…いい攻撃だ…だが、俺にその程度の攻撃が効くと思うか?」
「なにっ?!」
ククク…驚いてるな。もう少し遊ぶか。」
「ここで俺に謝罪しろ。すれば命を取らないでやる。その上この肉も…」
「すみませんでしたぁぁぁ!!」
「「「「?!」」」」
つまらんな。肉の為にプライドを捨てるか。
「よし、肉をやろう。待て!」
「はい!」
待つのかよ。もう狼じゃなくて犬だな。
「よし!」
そう言うとおおかm…ゲフン、犬は肉にかぶりついた。
「美味かった!こんなに美味い肉を喰ったのは久しぶりだ!それに貴様、我の何倍も強いな。我では敵わないだろう」
やっと認めたか。
「じゃ、喰ったならさっさと帰…」
「うむ、決めたぞ。我はここに住む」
ええ。
「帰れよ」
「いやじゃ」
「はぁ…」
新たな仲間が増えた。
「お前、種族は?」
「我か?我は幻獣と言うやつだな。フェンリルだ」
嘘だろ?
「名前をやろう。ポチで」
「「「ゼロ様…」」」
「ご主人…それは可哀想…」
おい、そんな目で見るな。察せよ、ネーミングセンス皆無なんだよ。
「?我は肉が喰えるのならどんな名前でも良いぞ」
「「「「「「いいんかい!!!」」」」」」
幻獣・フェンリル
Lv380
体力 60000
筋力 120000
敏速 500000
知力 50000
魔力 100000
幸運 90000
スキル
音速移動:音速で移動可
ユニークスキル
毒牙:任意で毒牙を出し入れ可
称号
魔王の陸用移動手段