第14話「殲滅」
第14話「殲滅」
「…で、どれぐらい数がいるんだ?」
これから戦闘が始まるが、俺は余裕だ。正直魔法1発放てば9割吹き飛ぶ。
「敵の数は見えてるものだけでも、20万、それに奥にもっといるかも知れません…」
少なっ!!!俺の時は1400億はいたぞ?!
「………」
俺が黙っているとレイが慰めに来た。
「だ、大丈夫ですよ!あなた方はとても強いので、きっと勝てます!!」
いや数の多さに絶望してるんじゃなくて少なすぎるから絶望してんだよ。
「はぁ…黒丸、お前1人で終わるだろ?」
「うーん…でも少し見逃すかもしれないね。ご主人が逃げた兵を狩ってくれればいいけど…」
「大体はお前1人で行けるって事か。なら大丈夫だな。がんば」
「軽いねぇ……まぁ楽勝だけど…」
そう言うと黒丸は魔人の軍勢に突っ込んでいった。
「なんだお前は?!死にたいのか!!ならばここで……グァァァァ!!!」
「うるさいなぁ、静かにしてくれれば痛みも感じないのに」
そう言うと魔人の1人にトドメを刺した。
…黒丸も容赦無いな。
「もうめんどくさいから魔法使うね。古代龍魔法-黒炎弾-!!」
黒丸は古代龍魔法を使い、魔人の6割を殲滅した。
「ご主人!そっち行ったよ!!」
それぐらいわかってるよ。
「光魔法-希望の光-」
この魔法は味方の全ステータスを一定時間10倍に出来る魔法だ。デメリットは相手のステータスが5倍になることだな。
「エルフ共!!俺がお前らを強化した!!さっさと攻めろ!!!」
「「「「うぉぉぉぉおお!!!!」」」」
エルフの男は前線で剣を使い、女は後衛で回復魔法や弓矢等を使っている。バランスが取れていていいな。
「…あの、ゼロ様。私はどうすれば良いのでしょう…?」
サクラが申し訳なさそうに聞いてくる。自分が何もしていないから罪悪感でもあるのか?
「お前はアイスに回復魔法を教えて貰っただろ?それを味方に使えばいいだけだ」
「…はい!!」
サクラの顔が一気に明るくなった。可愛いかよ。
そしていつの間にか黒丸が魔人を殲滅していた。
「おーい、ご主人ー!!なんか魔神とか言う奴を捕まえたよー!」
「ああそうか、よし殺そう」
「まてまてまてまて!!!」
「なんだよ」
魔神が焦った様子で叫ぶ。命乞いは聞かないぞ。
「私の知っている情報は全て吐く、だから命だけは…!!」
「命乞いじゃねぇか…でもまぁこっちの質問に答えてくれるならそれでいいぞ」
「あ、ありがとう…」
「じゃあ質問1つ目だ。魔王はどこだ?」
「ま、魔王様は勇者に殺された!」
何?!俺ここにいるけど…そう言えば転移する前勇者が攻めてきたとか言ってたな…転移したから死んだことになっているのか?
「わかった…2つ目だ。どうしてエルフの里を攻めてきた?」
「え、エルフはいい生贄になる!だから襲った」
「生贄は何故必要なんだ?」
「ほ、他の魔王候補の奴らを倒すためだ!奴らは強い魔物を召喚し、使役している。俺が勝つにはこれしかないんだ!!」
「ふーん」
つまりいくつかの派閥に分かれているのか。だからこれだけしか兵がいなかったのだな。
…しかし、俺がいないとここまで統率が取れないとは…
「まぁいい、必要な情報は貰った」
「で、ではこの拘束を…」
俺は魔神の首を跳ねる。
「「え?」」
これにレイとサクラは驚いていた。黒丸は当然だというような顔をしている。
「ど、どうして殺したんですか?!この魔神さんは助けて欲しくて情報を…」
「そうですよ!いくら私達の里を襲ったからと言っても情はあります!!」
「あのなぁ…あのまま解放していたら俺たちを襲って来てたぞ。魔族はそう言う奴らばかりだ。分かったか?」
「「な、なるほど」」
納得したようだ。良かったな。
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「…なに?ゲイルが殺された?」
「はっ、はいぃ!」
そこにはいかにもな魔神とひ弱そうな魔人がいた。
「エルフにそこまでの力があったというのか?」
「い、いえ!他の人間の力を借りたようです!」
「人間…?ならばその人間は俺が討つ、兵を用意しろ!でき次第出発だ!!」
「はい!」