第11話「王の企み」
第11話「王の企み」
「…よく集まってくれた。ここに呼んだのは依頼を出したいからじゃ」
「なんだ?王様、俺たちだって暇じゃないんだぜ?」
「まぁ、そう言うな、アレン。僕達を呼ぶほどの依頼だという事だよ」
「王様ー、俺らEXだぜ?しかもその全員を呼ぶって…どんな依頼だよ」
「わ、私も…その…知りたいです…」
「王よ、私は貴方に忠誠を誓っております。命をかけてその依頼を達成してみましょう」
ここに集まったのは上から順に、アレン、マイク、ロイ、アリス、イレブン。
この国が誇るEXランクの冒険者達だ。その中のロイは勇者の職業を持っている。所謂、英雄と言うやつだ。
「先日、私の娘であるクリスがBランク冒険者に襲われた」
「「「「「?!」」」」」
「その冒険者の名は、ゼロ。娘と婚約を結んでいたが、襲われたと聞いたので即破棄した」
「それで王様!その者はどこへ!見つけたら僕が…」
「俺がクリスちゃんと結婚しようと思っていたのに…!そいつだけは許さん…!」
「王様、俺らに関係無くないですか?」
「女の子に…手を出すなんて…最低…」
イレブンとアレン以外ゼロを殺すことに賛同していた。アレンは金をくれるならやるといった感じだった。
「…それで、イレブンはどう思う?」
「王の命令とあらば即刻その者を排除してきます」
「…出来れば殺さずにこの場へ連れてきて欲しい。国民の前で公開処刑をする」
「なるほど!それに僕は賛成です!」
「俺も賛成だ!」
「わ…私もです…」
「えー…はぁ、報酬は払って貰うぞ…」
「了解」
「では準備を始めよう!1週間後にやつの捜索を始める!それまで、訓練を怠るなよ!」
「「「「「はい!」」」」」
「……クリス、これで良いのか?」
「はい、お父様。ありがとうございます」
「何を言っている!娘の為じゃ。それにあの者は私も許せんからな」
〜~~一方その頃……~~~~~~~~~~~~
「…じゃあまずサクラを守る為の魔物を召喚する。こいつが魔法を教えてくれるだろう」
「し、召喚出来るのですか?!」
「ご主人…凄すぎ…」
うわぁー照れるなぁーそんなに褒めるなよー(棒)
「召喚-氷の精霊-」
俺がそう言い放つと水色の魔法陣が浮かび上がって来た。その中から色白の美少女が出てきた。
「…私が氷の精霊です。私を召喚したのは貴方ですか?」
「そうだ。俺はゼロだ。これからお前にはサクラを守って貰う。教育も頼んだ」
「かしこまりました。これからよろしくお願いします、ゼロ様、サクラ様」
「ご主人!僕の紹介は?」
黒丸がワクワクした目で見てきた。
「…あー、こいつは黒丸だ。一応伝説龍らしいぞ。No.2らしいけどな」
「よろしくお願いします、黒丸様」
「よろしくね!あと、別にNo.2だからって弱い訳じゃないよ!」
よし、これでサクラは守れるな。どうやらあの国が俺を捜索するらしい。まぁめっちゃ遠いから馬車使っても1ヶ月はかかるけどな。
「あの…ゼロ様、この子に名前は付けないのですか?」
「名前いるか?」
「無いと不便では無いですか?」
今まで精霊に名前なんて付けたことなかったからな…氷の精霊だしなぁー…うーん…
「じゃあアイス…」
「そのまんまじゃないですか…」
悪かったなネーミングセンス無くて。
「まぁいいでしょう…これからよろしくね!アイスちゃん!」
「はい、よろしくお願いします」