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勇者:prototype  作者: 有木東征
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プロローグ

初投稿です。拙いところだらけですが読んで頂けたら嬉しいです。

英雄とは何か。それは英雄譚を語る上での前提となる問だ。然らば私が答えよう。


英雄とは


最も苦しんだ者の名である。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



西暦2059年2月9日、突如として世界中は未曾有の大危機に見舞われた。


地球に異世界からの侵略者達が侵攻して来たのだ。


太平洋上空では空が裂け、境界線のあやふやになった向こう側からあの化け物共はやって来た。


腐った躰に漂う腐臭、無差別に生者を襲い、 肉を喰らう。まるでハリウッド映画に出てくるアンデッドそのもので、知性は無いが、『不死王』と呼ばれる奴らの首魁の言うことだけには従う。不死王は空を飛ぶ彼の城不死王墳墓と軍勢と共にこの世界へ侵攻して来た。


奴らは不死王墳墓によってこの世界の空を蹂躙し、大陸に不死者を産み落とし、海をその血で穢した。


人類の必死の抵抗虚しく、2060年には全ての国家が首都を城壁で取り囲み、来る当てのない救援を待ち望みながら窮屈な首都の中で篭城戦を強要されることになった。


そんな中で世界各国の政府は揃ってとある行動に出た。国内に存在する魔術師や魔法使い、呪術師と呼ばれる、言わゆるオカルトな存在達に接触し始めたのだ。目的はただ一つ、


『超常の存在は、超常を以て打倒する』


もちろんその大半は意味をなさず、徒労となった。しかし、どこの国かは分からずとも、可能性を尽くしたその果てに、ソレは召喚された。


ソレは一説によると本来は召喚不可能な高位神聖存在であるとされる。


ソレは一説によると邪神の類であるとさせる。


しかしここで重要なのは、過程はどうあれ、ソレは召喚されたと言うことだ。


ソレは人類に要求した。


--汝らの尽力を以て我が無聊を慰めよ


『如何にして』


--我の守護あり続ける限り、彼の不死王の軍勢と戦い、抗い続けよ。この約定を以て契約と為す。


人類はこの契約に従う他存続の道は無かった。この日を境に契約は開始され、同時に人類の苦悩と受難の時代がやって来た。


それから、97年。俺はこのクソッタレな世界で高校生をやっている。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


人類が苦難と困難と辛酸に満ちた歩みを始めてから約100年が経とうとしている。


その間も不死王の軍勢との戦争は継続していた。人類の技術は飛躍的な進歩を遂げ、今や一人前の兵士であればアンデッドと一体一であれば対峙しても打倒するだけの力を得た。以前であれば軍を総動員して当たるしか無かった数百人のアンデッドの群れを、同数の軍隊で打倒するに至ったのだ。


しかしながらそれでも技術の進歩は遅すぎた。城壁に囲まれた各国の首都を除く全ての地域は不死王の軍勢によって占拠され、人類はその数を大きく減らした。


そんな中で、世界中に現れたのが通称『勇者』だ。


2060年の召喚によって呼び出された『ソレ』は人類の窮状をみると、召喚時点で存続していた国家それぞれに5人ずつ、無作為に選出した人物に、『ソレ』由来のアンデッド共を打倒するだけの力が与えられた。一騎当千とすら形容するのも烏滸がましい。正に神のごとき力だった。


現在世界各国の平和が守られているのは彼ら『勇者』のお陰だ。これは過言ではなく事実だ。


そしてこの帝都エリアもアンデッドに抗う世界によくある都市の一つだ。


俺、戦槍応機はこんな世界で───


そんな勇者と敵対している。





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