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熄滅の魔女列伝《ルージエ・フレーマ・ドラコ》  作者: 咎鵺
─1章 白き髪の女神は始まりの鐘を鳴らす─
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3話 レーンの都と魔道士クラン

─翌朝


「うーん、よく寝たなあ。」

と背伸びをしつつ私は目覚めた。

この頃、眠れぬ日が続いていたので、とても気持ちがよかった。


下の料亭はもう準備時間に入っているようだ。肉を焼く香ばしい匂いや野菜を切る音がする。

私は昨夜の料理を思い出し、腹の虫が鳴ったのを聞いて1人悶えた後に階下へ降りた。


下に降りた私をまず迎えたのは、女将であった。

「やあ、おはよう。眠れたかい?」

「ええ、とてもぐっすり寝させていただきました。」

「そうかいそうかい、ええと、そういえばまだ名前を聞いていなかったね。わたしはロビあなたは?」

「私はレーヴァと言います。」

「ほう、レーヴァっていうのかい。あそこの椅子に座って待ってな、今朝飯持ってくるから。」

「え?お金を払ってないのですが…」

「あ、言い忘れていたね。宿泊料金には朝と昼の飯代も含まっているのさ。」

「そうなんですか!?幾ら何でもやりすぎじゃないですか?」

「いや、いいんだよ。元々そこまで金を稼ぐ必要はないんだ。夫もわたしも元は冒険者レンジャーだからね。」

「凄いですね。」

「そうかい?可愛い子に褒められると嬉しいねぇ。ちょっとおまけさせとくよ。」

と奥の厨房に去っていった。


冒険者レンジャーとは

蛮魔を倒すことを生業とする戦職ジョブである。世界中に冒険者クランがある。

レーンの都の冒険者クランは数年前にSランク(最高階級の2つ下)の冒険者が引退したという噂があるらしい。

そもそもこの世界には、冒険者レンジャー魔道士マナローダー僧侶プリースト機工士クラフターなどの様々な戦職ジョブとクランがある。

因みに私が行こうとしているのは魔道士クランである。


などと思っている内に、女将が両手に皿を持ちやって来た。2つの皿には大量の料理が載っている。

「えっっと?この量は?」

「ああ、うちの夫がレーヴァが料理褒めてたことを伝えたら奮発して作っていたよ。わたしが口添えして増やそうかと思ったけどいらなかったみたいだね。」

と笑いながら教えてくれた。

「ありがとうございます。旦那さんにもそうお伝えください。」

女将は笑顔でひらひらと手を振りまた奥へ戻っていった。


とは言ったものの食べ切れるか不安になったが、食べ切れた。

───────────────────────

腹ごなしも兼ねて魔道士クランに歩いて向かっていると、友団ユニオンボードが目に入った。

友団ユニオンとは、有志の者たちが集まり個々の組合のようなものを作るシステムである。


そこに人はいなかったが、数枚の募集要項が貼ってあった。


それは一先ず無視し、魔道士クランに入った。友団ボードが置いてあったのは魔道士クランの真ん前なのであったのだ。


「こんにちは。任務クエストの依頼でしょうか?」

と、受付嬢の17歳くらいの女性が言う。

「いえ、新しく登録したいのですが。」

「そうですか、でしたらこの紙に最低でも姓名、性別、使える魔道を記入してください。」

紙にはいくつか欄があり、姓名、性別、使用可能魔道の他にも貴族名、所属国家、年齢、種族など様々だった。

私は紙に、

───────────────────────

姓名:Laevaレーヴァ

性別:Female(女性)

使用可能魔道:『Fire ballファイアボール

───────────────────────

と書いておいた。何故英語書きなのかはわからないが。

私はそれを受付嬢に渡し、暫く待つと受付嬢に呼ばれた。

「それでは次に、魔力量を測るためにこの水晶に触れて貰います。」

言わずと知れた私が幼少期に割った水晶と同じものである。ちょっと気が引けたが、まあタイミング悪く割れたのかもしれないし、と現実逃避しようとしたが、現実はそこまで甘くなく、触れた途端に浴びたことはないがスタングレネードの光レベルの発光を起こし、爆砕した。受付嬢の股の辺りから何かが漏れて湯気が出ているが見てないことにした。目が潰れるほどの光だったため、半径3m以内にいた魔道士たちが目を塞いで悶えている。

流石に何事かと思ったクランマスターが2階から降りてきてこの惨状を目にし、

「どうしてこんな事になったのよ!」

といっている。魔道士クランマスターは女性であった。

「すいません、私が魔力計測水晶に触れたらこのような事になってしまったんですよ。」

と説明すると、唖然とした顔で、

「はい?まあとりあえずあなたたちは大丈夫?」

と言うが、受付嬢はまだ放心してるので、

(この人、さっきの光で失禁しちゃったみたいなので、今のうちに着替えを持ってきてくれませんか。)

とマスターに耳打ちし、

(わかったわ。)とマスターは了承し、急いで2階に上がっていった。


しばらく経ってマスターが替りの制服を持ってきたときには漏らしてしまったことに悶えてはいるが受付嬢も放心状態から復帰していた。


その後、マスターは私と受付嬢の話を照合し、周りにいた魔道士からも話を聞いて、嘘でないことは証明できたが、話している間も受付嬢は耳を赤くさせていて目も涙目だった。

続きます。


至らぬ点や誤字などがあったら是非ゆるーく教えてください。

宜しくお願いします。

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