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熄滅の魔女列伝《ルージエ・フレーマ・ドラコ》  作者: 咎鵺
─3章 金銀蒼の麗光─
43/53

Short Story 夏の夢

7000人記念のSS2話目です!



今、決戦の時───

遂に始まるのだ!


ビーチの王を決める戦いが!




…などとふざけてみるが普通にビーチバレーをしているだけ。


─────────────────────────


「さて、行きますわよ!」

レティが最初のサーブだ。

後ろにはミラが私たちを見ながら身構えている。


「ええ、来てください!」

対する私も呼応したように言う。

「主様、かっこいいです!」

背後に控えるフィーネが歓喜の声を上げている。

…というか構えようよ…


「はあっ!」

鋭いサーブが放たれる。


「やあっ!」

私もボールを地につけまいとボールを返す。


その後、凄まじい攻防が繰り広げられデュースであと2点で勝負がつくところまで競り合い続けた。


----------------------------------------------------------------------------


「とうっ!」

「あっ!!しまった!」

フィーネの放った強烈なアタックが入る。

ミラが悔しそうにしている。


あと1点…あと1点で勝負が決まる!

そう思い、気を引き締めてかかる。


しかし、フィーネは油断していたのか、相手側にさらに2点入ってしまい、今度はこちらが不利になってしまった。


「とうっ!ていっ!」

「やあっ!はっ!」


高レベルの戦いが展開する。


しかし…

ミラがアタックを打ち、それをブロックしようとしたフィーネの腕の間をボールがすり抜けてしまった!



「うおおおおぉ!!!」

私は全速力でボールに向かって走りレシーブを打とうとした。


だが、ボールは非常にもコートの端へ今にも落ちようとしていた。


「やあっ!!!!」

そして、打ち返すことに成功する。

「すごいですっ!」

「よしっこれで勝てるかも!」


…そう、相手が油断していればの話であるが。

レティたちはなぜか未だに構えた状態のままであった。


「これでっ!最後よ!」

レティが声と共に疾風のようなアタックを打ち、それは私たちの抵抗虚しくコートについてしまった。

しかし、本当の戦いはここからだった。


「ふふっ…私たちの勝ちね。さあ、約束は忘れてないわよね?」

レティがこっちを見てニヤニヤしながら、楽しそうに言う。


…その約束とは1日中敗者は勝者の言うことを何でも聞くということだった。


───────────────────────────


「じゃあまずはオイルを塗って貰いましょうか?レーヴァ。勿論前もね?」

やはりニヤニヤしたレティが言う。


それは先程、ビーチバレーをする前にレティに頼まれてオイルを塗っている時、変な言動をしていたり、赤面していたからであろう。

…そういうところはまだ純粋な少年なのだ。


「くっ…分かりました…」


渋々やるがこの時点で耳朶まで熱が登ってきている。


白い柔肌、華奢な肩、綺麗な曲線を描く背中、しっかりとした丸みを帯びた尻、スラリとした脚…その隅々までオイルを塗りたくる。

そして、若干恍惚とした表情を浮かべたレティが言う。


「…ふふっ…可愛いわねぇ…」

「…!」

「背中は終わったわね、次は前よ?」

「…え、と?本当に?」

「ええ、本当によ、じゃあよろしく頼むわね。」


そう言うとレティは突如ひっくり返りレティの大事な部分含めた全てが白日の元に晒される。

「!!?」

「ふふふふふ」

レティが気味の悪い笑い方をしているよ…


まずは腹を、次に脚の前面を…やるともう胸と臀部周辺しか残っておらず、さらに頭に血が上る。

しかし、1度約束していたことを曲げるつもりは無い。

勇気を出し、私はレティの胸へ手を乗せた。


そして…その柔らかな感触が伝わると同時に鼻血を吹いて倒れてしまった。


「レーヴァ!?ーーーーー!」

「主様!ーーーーーーーーー!」

「レーヴァ?!ーーーーー!?ーーー、ーーーーーー!」


3人の焦る声を聞きながら、私の意識はブラックアウトした。


───────────────────────────


その後、調子に乗り過ぎたレティに散々謝られて、私たちの夏は終わったのだった…




むしろこちらは始まりですね…


至らぬ点や誤字などがあったら是非ゆるーく教えてください。感想などを送って頂ければ僥倖です!

宜しくお願いします。

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