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熄滅の魔女列伝《ルージエ・フレーマ・ドラコ》  作者: 咎鵺
─1章 白き髪の女神は始まりの鐘を鳴らす─
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2話 料亭“レッド・レイク”にて

料亭“レッド・レイク”は普通の酒場などより活気のある店だということを第一に思った。

私は料亭の女将に話しかけた。

「ここのおすすめって何ですか?」

「初めての人かい?いらっしゃい。ここは料亭“レッド・レイク”。料亭と言っているがあまり酒場と変わらんようなもんだけどね。楽しんでいきんさい。えっと、おすすめだったかい、じゃあそこの席に座って待ってな。」

「ありがとうございます。」

結局、おすすめが何かは分からなかったが、任せることにした。


───────────────────────

「へい、お待ち。本日のおすすめ、『ベヌー豚のソテー』だよ。」

と、10分程待つと女将が持ってきてくれた。ベヌー豚とはサタン領で飼われている豚で、肉質が柔らかいもので、宮廷で調理されるほどの逸品である。

「うわぁ、凄いですね。ベヌー豚なんて滅多にお目にかかれないですよ。」

「うちは知り合いがベヌー豚を飼っているから安く卸して貰えるのさ。」

と女将は豪快に笑う。私は

「それでは有難く頂きます。」

とナイフとフォークを刺し、一口サイズにして口に入れた。

美味い。とりあえず美味い。語彙力が無くなるほどであった。入れた途端に旨みが広がり、えも言われぬ幸福感に包まれていると、もう身は溶けたように無くなってしまっているのだ。

私は飢えた狼のようにがっついてしまい、すぐに食べきってしまった。

「とても美味しかったです。今まで食べたものの中で一番美味しく感じました。」

「そうかい、それはうちのせがれも喜ぶよ。」

「息子さんが作っているんですか?」

「まあ、大抵は夫が作ってるんだけどね。この時間はいつも修行の為って作ってるのさ。」

「あ!そうだ、料金ってどれ位ですか?」

「300rcだよ。」

rcとはリヴァイアサン領の通貨であり、子どもの手伝い賃で10rcがもらえ、5rcで焼きたてのパンが買える程度だ。

私は300rcを渡しつつ、

「とても安いですね。」と言った。

「良心的だろう?どうだい?泊まっていかないかい?」

「では、とりあえず1週間分お願いします。」

「1人部屋1週間で700rcだよ。」

普通の宿屋であれば1泊あたり125rc、一週間あたりで言えば875rcなのであるから、こちらもかなり良心的な価格である。

「あ、忘れていたけど、桶1杯5rc、タオルは一枚20rcだよ!」

尚、こちらも付けると普通の宿屋なら1000rc以上になってしまう。

「じゃあどちらも一週間分でお願いします。」

「175rcね。全部合わせて875rcだよ!」

私は900rcを出し、お釣りの25rcと【ⅲ】号室の鍵を受け取り、2階にある宿泊棟へ向かった。


部屋に入り数分すると女将が桶とタオルを持ってきた。女将が帰った後、すぐさま身体を拭いた。

歩いてきたので草の汁や土埃、汗などでかなり汚くなっているのだ。拭き終わり、ベッドに潜りつつ開けておいた小窓から星を眺めていた。流星が尾を引きながら飛んでいくのを見た後、私の意識は星空へ吸い込まれるように眠りに落ちていった。


─彼女はベヌー豚と戯れる夢を見たと女将に話したという。


所持金

800000rc|(王から貰った200000rc+両親から600000rc)→798725rc



至らぬ点や誤字などがあったら是非ゆるーく教えてください。

宜しくお願いします。

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