34話 神格
遅れました!すいません。
前回のあらすじ
私、神になる。
「【焔神・顕現】!!!」
神の名の付く戦技。
反動で死ぬかもしれない。
しかし発動しない訳にはいかなかった。
それ以外に切札が無いのだから…
そう思い、これから起こるであろう予想できない事態に備え目を瞑る。
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・・・。
・・・・・・。
・・・・暖かい。
何処からか熱が湧いてくる。
普通ならば眠気を誘う暖かさが何故か今、その熱は私の意識を研ぎ澄まさせている。
そしてゆっくりと目を開ける。
そこは先程と変わらない岩屋の中。
しかし、そこには変わったところがあった。
邪竜は青ざめ、後退し、隅の方にいた。
ミラとレティは目を瞠っていた。
何かがおかしい。
困ったなぁ、と頭を掻こうとする。
が、指は頭ではない硬質なものに当たる。
しかも腕を見ると先程まで来ていた服の袖ではなく、炎で出来た袖があった。
私は急ぎ水属性最下級魔道を発動し、水たまりを作る。
鏡面のようになった水たまりを見ると、私は炎でできた羽衣を着、金の冠を被り、目には炎を纏っていた。心做しか髪の先端からも炎が出ている。
それだけではない。
力も湧いてくる。勿論魔力もだ。
「…なに、これ?」
レティが掠れた声で言う。
水分が取られているのだろう。
私は彼女らを守る為、水属性上級魔道【水室】を唱えようとする。
しかし、それは手をかざした途端に発動したのだ。
驚きだ。
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彼女らの回復もした後、私は振り向くと黒い鱗の龍が目の端に入った。
その瞬間、途轍もない怒りを感じた。
それは山の噴火のような。
それは太陽のコロナのような。
そんなものであった。
そして私はその怒りを乗せ、言の葉を紡ぎ始める。
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我が身を穢せし悪の者よ
我に楯突くその無礼、赦すまじ
我が熄滅の焔を以て断罪しよう
其の焔は万物を燃やし、万物を溶かす
其の焔は我が騎士を奮い立て、臣民を癒す
この焔は裁きの鉄槌である
浄化の怒槌である
汝の骨身まで溶かし尽くしてやろう
これは我が憤怒である
【熄滅の魔杖の焔】!!!!
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私の魔道は白い焔を吐いて邪竜を呑み込み、灰まで残さなかった。
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