33話 紅蓮の竜娘とボス戦⑵
題名つけ忘れていました…すいません(汗)
前回のあらすじ
「ふふふ、我が真の姿を見るがいい…!」
『フハハハハ…我が真名はムヘリム。《邪龍王》の名を冠するものなり。我に痛撃を与えるとはなかなかではないか、貴様ら?我の爪牙を持ってその身を消し飛ばしてやろうではないか!!!』
黒き鱗の龍はそう吼える。
ムヘリム…それは《邪龍王》と呼ばれる最強の龍の1体である。
その咆哮は勇猛たる者であれ震え上がり、その爪は猛毒とともに身体を溶かし吹き飛ばす。
そう語られるほど、強い。
それも圧倒的に。
神格には及ばずともそれに近い所にあるのだと言われている。
「…絶対、無理よ…こんなの…嫌だ…嫌ぁぁぁぁ!!!!!」
フィーネが泣き叫び、尻餅をついて地面に染みを作る。
「フィーネ!気をしっかり持ちなさい!!あんたの主人がどうにかしてくれるわよ!!」
「ふふっ、勇者に勧誘されるぐらいだからね!レーヴァならやれるよ!」
レティとミラが励ましている。
しかし、私は何も言えない。
自分の勝手でこんなところに呼び出し、死の危機と遭遇させたのは紛れもなく私だ。
そんなことをしておいて「死にに行ってこい」とは言えるはずがないだろう…!!
強敵を前にして絶望で前が真っ暗だ。
思考もネガティブになる。
余程暗い顔をしていたのだろう。フィーネが私の顔を見て心配したような顔をしている。ミラもレティもだ。
何故かみんな私に期待しているのだ。
理由は1階層のボスを難なく倒してしまったからだろう。
勇者ですら倒せなかったのだから。
しかし、いま勝機はない。
気まぐれで黒き龍は待っている。
ただ、思考はできても結論は一つにしかならないのだ。
では、普通の魔法が通じるか?
通じるわけがない。それであったら鎧の時点ですぐに倒せるだろう。
では、武器が効くか?
勿論こちらも無理だろう。鎧は鱗になり強固なのには変わりはない。
では何を使うというのか!
毒薬だって麻痺矢だって持ってきていない。
持ち物で使えるのもない。
本当に死にに行くようなもんだ!
それこそ神でもないと無理じゃないか?
…
……
…………………………ん?神??
私は何かを忘れている。
その正体がある気がして荷物を漁ってみる。
薬、布、非常食…探す私の指になにか触れる。
技刻書だ。
それを見た途端、私の頭に光明が差した。
「ああああああああああっ!!!!」
その答えはそこにあった。
そして私はそれを発動させた。
「【焔神・顕現】!!!!」
輝く朱の魔力の光が私を包んだ。
『なんだっ、貴様!!!』
黒龍が吠える。
光が収まると、私の体を羽衣のようなものが包んでいた───────────────────────
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