32話 紅蓮の竜娘とボス戦⑴
前回のあらすじ
竜娘召喚!
「あの、貴女はどちら様でしょうか?」
私は突如降ってきた龍人の女の子に問う。
「あっ、すいません!私は火龍族族長ダン・ニーヘッジの娘、フィーネ・ファブルズ・ニーヘッジといいます!主様に召喚され、ここまで来ました!どうぞよろしくお願いします!」
と言いつつ、その瞳はキラキラと輝き、とても嬉しそうにしている。
何故なんだろう。
普通嫌がることなんだけどな…召喚術師も召喚した魔物を使役しようとして食い殺されたとか普通にあるんだけどなぁ…
「貴女なんか楽しそうね?」
…やはりレティは勇者だ。まあ、勇者ではないけれど。
「はい!だって主様は【龍人の主】の戦技を持っていて、しかも火龍族を選んでくれましたから!その方の側において貰えるなんて大出世ですから!」
なるほど、色んな龍族がいるのか…
「あー、それは多分レーヴァのもう一つの戦技のせいじゃない?あっ、私はレーヴァのパーティメンバーのミラだよ!よろしく!」
「そうね、その可能性は高いわね。…言い忘れてたけど、私も彼女たちのパーティーメンバーのレティよ。よろしくお願いするわ。」
「あっ、はい!よろしくお願いします!…で因みにその戦技とは?」
「「【焔神】(だ)よ。」」
ミラとレティの爆弾発言に彼女───フィーネは目を点にしている。
と思ったら、尻餅をついてしまった。
「えぇ?本当ですか?えぇ~~?!?」
そう言う彼女にミラはいつの間にか持っていた技刻紙を見せた。
「ひゃぁぁーーー!?!本当だよ…しかもなんか色々おかしい能力が…私の呼ばれた意味って…」
叫んだ後、フィーネはボソボソと独り言を言っている。
賑やかな娘だ。
「というわけでよろしくお願いしますね?フィーネさん。」
「はい、よろしくお願いします!私はフィーネでいいですよ!」
「分かりました。じゃあフィーネも加わったことですし進みますか!」
「「「おおっー!」」」
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そして、遂に2つ目のボス部屋の前まで来てしまった。
ボスの名前は【BOSS: Even though it is smart】と言うらしい。
「賢しくも没落した者って言うらしいわよ、ここのボス」
「ということは人型でしょうか?」
「そうじゃないかしら?まあここで何を言っていても意味は無いから行きましょう?」
「そうだね、行こう!」
私たちは互いにアイコンタクトで了承し、その重い鋼の門を開けた。
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やはりボスは人型であった。
しかし…剣がデカすぎる。
ボスの身長を優に超す長さだ。
そう思っていると、部屋に声が響く。
『我の領域に立ち入る者は誰だ!許可した覚えはないぞ!』
その声はどうやらボスの兜の中から聞こえているらしい。
その数瞬後、ボスは飛ぶ斬撃を飛ばしてきた。
私たちは散りつつ、それを避けボスとの距離を詰め、攻撃を仕掛ける。
しかし、相手も黙って食らってはくれない。
その大剣を振り回し反撃してくる。
しかも、私やレティの斬撃は傷一つ付けられていない。
逆にフィーネのナックルの打撃やミラの斧の打ち下ろしの衝撃は届いているようだ。
そのことに気がつき、私とレティは距離を取り魔道を発動させる。
「火弾!」
「氷弾!」
やはり魔道は通るようだ。
そして、その攻撃を続けること数十分後、ボスの兜が吹っ飛んだ。
そこにあったのは包帯にぐるぐるに巻かれた人の頭だった。
すると、ボスの周りに黒い魔力が集まる。
「なんだ?!」
ミラが叫ぶ。
『舐めやがって!!我の真の姿をその目に映し恐怖に戦慄せよ!!!!!!』
その黒い魔力がボスに集まり、巨大な魔力の玉を作る。
突然のことに私たちが驚いている間にその玉が上から散っていきその姿を表し始めた。
そこから現れたのは、巨大な闇色の鱗の龍だった…
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