19話 緋姫の封地
1回消えたので遅れました!すいません。
私たちはルーブスの街を出、ある街道を歩いていた。
その街道の名は【レティ・フロッティ街道】
緋姫の二つ名を持つ吸血鬼が封じられた地だ。
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街道の近くは森が広がっている。
そのため、今は前世で言うと夏だがとても涼しいのだ。
今は昼下がりで木漏れ日があるのも気持ちいい。
「ふあぁ、なんか眠くなりますね~」
「そうだね~」
私とミラはそこの草の上に寝転がっていた。
そしてしばらくすると、ミラは寝てしまった。
まあ、1日歩き続けていたのだ。このくらいはいいだろう。と私も昼寝をすることにした。
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「ここは…?」
彼女は目覚めた。
彼女の為に作られた祠の上で。
彼女は吸血鬼だ。
そして気づいた、近くにあった吸血鬼の白骨死体は元々吸血鬼で衛兵だったものだろうと。
自分の仲間は恐らくもう存在しないのだろうと。
「…!…うっ…」
彼女は胃の腑にある汁を吐き出した。その他に何も無いのだ。
そして泣いた。泣き続けた。
どのくらい経っただろうか。
1日?1ヵ月?はたまた1年?
時間の感覚はない。封じられていたのだ。
彼女は封じられた時のことを思い出していた。
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彼女は王位継承者であった。
彼女のいた吸血鬼の王国は彼女の父が統治していたからだ。
彼女には弟や妹もいた。だが、兄や姉はいなかった。王位継承1位の座を彼女は持っていた。
そして、彼女には民衆の人望もあった。
彼女が王となるのも時間の問題と王と民衆、そして彼女自身は思っていた。
しかし、クーデターが起こって王が殺された。
主犯は大臣の一人だった。彼女の派閥の大臣だった。
民衆はそれのせいで彼女の弟や妹の派閥に移ってしまった。
そして彼女には枷が掛けられた。
彼女は弁解しようと主犯の大臣の話を聞きに行った。
大臣は死んでいた。
そこで彼女は気づいた、誰かの陰謀であると。
そこから彼女は東奔西走した。
父を失った悲しみや少女の心を置いて。
…真犯人は彼女の弟だった。
殺された大臣を取り込み、クーデターを起こさせ、口封じに殺したと彼は正直に話した。
そこで彼女の記憶は途絶えている。後ろから鈍器で殴られたのだ。
弟は狡賢い性格だった。
そのまま殺してしまうと民衆や一部の大臣から批判が出ると彼女を封じたのだ。
彼女は悔いていた。
己の甘さに。己の非力さに。
そして今も悔いている。
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「…!」
いつの間にか寝ていたようだ。
心地よい夜闇の風が流れる。どこかから漏れている様だ。
そして壁の1箇所に穴が空いているのに気がついた。
更に気づいた。人の…いや人の血の香がすることに。
彼女は動き出した。
彼女は壁を突き砕き、風のように走り出した。
そしてある2人組を見つけ後ろから忍び寄った。
しかし、その足は突然繰り出された双刀によって留められる。
そしてその刀を繰り出した銀髪の少女は振り向き、「あなたは誰ですか?」と言った。
それがレーヴァとレティ・フロッティの出会いだった。
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