18話 次へ
遅れました…すいません。
その更に数日後、私たちは荷物をまとめていた。
この街を遂に出るのだ。
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鍛冶屋“ヘルメス”
「行っちゃうのか~」
間延びした声だが明らかに気落ちしているレイラさんが言う。
「はい、日が登りきるまでに出立したいと思っていますよ。」
そう説明すると突然、
「世話になったよ!ありがとう!」
とミラが言った。
「私からも。ありがとうございました!とてもお世話になりました!」
彼女にはかなり世話になったと胸を張って答えることが出来るだろう。
レイラさんはなにか思案顔でうーん、うーんと唸って考えていたが、「ちょっと待ってて!」と言ったと思うとすぐに奥へ消えてしまった。
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数分後、色々な物をレイラさんは持って出てきた。
「レイラさん、それはなんですか?」
「ふっふっふ、これはレイラさん特製のレーザー剣用の留め具だよー!これはレーヴァちゃんのね。で、こっちのは篭手!こっちも特製だよ!これがミラちゃんのね。」
「「おおー!」」
どうやら彼女はこれを取りに行っていたようだ。
しかし、持ってくるなり「レーヴァちゃん、これねこうやってーこの山脈の麓を通って~」とレイラさんは留め具の付け方を教え始めたのだが、留め具をつけるための紐を胸の下を通したりしながら、グフッグフフフフと気味の悪い笑みを浮かべ楽しそうに教えている。
すごく気持ち悪い。
と、気持ち悪いレイラさんにドン引きしているとヘルメスの戸が勢いよく開き、
「レーヴァちゃん!もう街出るって本当!?」
とルーセさんが部屋に入ってきた。
レイラさんは私の胸に夢中で気づかない。
後ろに怒りの不動明王が立っているというのに。
「レーイーラー?何してるのかなぁ?」
ともしここが漫画の世界ならばゴゴゴとかの効果音が書かれそうな声でルーセさんは言う。
「ハハハ、ヤアルーセジャアナイカドウシタンダイ?」
片言でレイラさんは汗を流しつつ言う。
しばらく2人は黙ったままだったが、「後でお説教ですからね?」とルーセさんが笑顔で言うとレイラさんはノックダウンされた。泡を吹きながら。
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その後、ルーセさんたちは街の門の前までついてきてくれた。
「それじゃあ、頑張ってね?2人とも。」
「武器でなんかあったら是非うちにきてね!」
と2人が言う。
私は2人に抱きつき、「ありがとうございました!またきます!」と言って泣いてしまった。
やはり別れというのは慣れない。
2人も泣いている。
ミラはそっぽを向いている。きっと涙をこらえているのだろう。
それに気づいたルーセさんがミラの後ろから抱きつく。そしてとうとうミラも泣き始めた。
しばらく4人で泣いていた。
「それじゃあ、「いってきます!」」
私たちは言う。
「行ってらっしゃい!」「また来るんだよー!」
と手を振りつつ送る2人を見つつ私たちは出発した。
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