13話 ルーブス街道
鍛冶屋“ヘルメス”を出た私たちは、ルーブスの街に出た。
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「いや~、ルーセさん怖かった…」
「あはは、ごめんね?レーヴァちゃん。あのアホと一緒にいるとああなっちゃうんだよね…」
それが本当ならレイラさんはかなり憐れだ。自業自得だが。
「何の話だ?」
気絶していたミラが訝しそうに聞いた。
「「何でもないですよ?」」
とルーセさんとハモってしまったので、更に疑われてしまった。
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──ここはルーブスの中心にある、ルーブス街道だ。
ここの店はどこも商品の品質が高く、他の領からも客が絶えないのだ。
「すごいねぇ、ここ。」「ああ、そうだな。」
と私とミラが感嘆の声を上げていると、
「でしょう?ここらはこの街の宝なんですよ。」
とルーセさんは自慢げに言った。
「お!あっちに串焼き肉の屋台がある!」とミラが子どものように走り出した。
そんなこんなで私たちは街道を練り歩いた。
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私たちは昼飯を食べにある食堂にきていた。
街道の中心あたりからしばらく行った所にその食堂はあった。
ルーセさんの行きつけらしい。
「こんにちは、来たよー。」
「いらっしゃい!あらぁ、ルーちゃん。その2人の別嬪ちゃんは誰?」
とこの食堂、“ファイニー”のおばちゃんは言った。
「初めまして、レーヴァって言います。こっちはミラ、2人で旅をしているんですよ。」
「あたいがミラだ!よろしくな!」
「元気があっていいわねぇ、うんうん。で、ルーちゃんはいつものでいいかい?」
「うん、よろしくね~」
「じゃあそっちの2人は?」
「私は本日のおまかせで!」
「あたいも同じの頼む。」
「わかったよ。ちょっと待ってなさいね。」
とおばちゃんは笑顔のまま、奥に入っていった。
食事後、おばちゃんにルーセさんの昔話を聞かされた。
「ルーちゃんはねぇ、ちっちゃい頃やんちゃでねー…
「おばちゃん、やめて!」
とルーセさんが悲鳴を上げていたが、おばちゃんは止まらず、夕方になるまで話は続いた。
「それじゃあ、料理美味しかったし、お話も面白かったです。ありがとうございました!」
「おばちゃん、あんがとな!」
「うう…また来るわ。」
と三者三葉に言った。おばちゃんは、
「ふふふ、また来るんだよ?まあ、ルーちゃんは言わずとも来るだろうけどね。」
「常連さんみたいですからね。」
とルーセさん以外が笑って私たちは鍛冶屋“ヘルメス”に戻っていった。
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“ヘルメス”のドアを叩くとすぐにレイラさんが出てきた。
「おっ、戻ってきたわね。さあ、中に入って!」
と言われたので、中に入っていった。
「ちょっと装飾が仕上がってないから、そこで待っててね。」とレイラさんが私たちに案内して言ってから、数十分後、レイラさんは出てきた。その手に2振りの刀と1個の斧を持って。
レイラさんは私にその剣を、ミラに斧を渡しこう言った。
「はい、こっちの剣がレーヴァちゃんのね。赤い鞘の方の銘は『曙』、青い鞘の方の銘は『暁』。気に入った方を持っていってね。で、そっちがミラちゃんのね。銘は『ウロボロス』っていうよ。まあ、レイザー型の剣は初めてだったから2本打ったんだけどどう?」
「どっちもすごくいいですよ!」
「本当に?それは嬉しいわ。もしよく分からなかったら、2本とも持ってっていいよ!」
「本当ですか!では2本とも持っていかせてもらいます!」
正直、どちらも初めてとは思えないし有り得ないぐらいの出来栄えで決めきらなかったのだ。
「ミラちゃんの方はどう?」
「…今までで持った中で一番いい武器だ!」
「こっちもいいみたいね!んーお姉さん嬉しいわ。」
とレイラさんはニコニコしている。
私が「お代はいくらでしょう?」と聞くと、「ルーセの紹介だからタダでいいよー!だけど、旅の途中でまた寄ったりしたら是非“ヘルメス”にね?」
とレイラさんが言う。
これからは武器について何かあれば絶対ここに来よう、と心に誓ったレーヴァであった。
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