10話 ルーブスの街
───それから1日半が過ぎ、私たちはルーブスの街へ着いていた。
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私たちは今、宿屋“鶏鳴亭”へ来ていた。
鶏鳴亭はルーブスの中心にあり、ルーブスの中でも1、2を争う規模のものだと言う。
「やっと着きましたね!」
と私が言う。それに応じて
「ああ!」
と短くミラが返した。
今まで1人で旅をしてきた私にとってこのように返事があるのは新鮮で、何処かむず痒い気持ちになった。
「どうしたんだい?」
「いえ、早く宿を取りましょう。」
そう言い私たちはカウンターへ向かっていった。
「…部屋が1つしかない?」
「はい、他の部屋は満員になってしまっていて1つしか本当に無いんですよ。」
従業員の女性はそう言った。
となると…
「「2人でひと部屋に(します)するか。」」
こうして2人一緒の部屋に泊まることが決まった。
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荷物を部屋に置いた後、私たちは街中へと出た。
「すごい人だかりですね。迷ってしまいそうです。」
「そうだな。はぐれないようにしないと。」
話しながら、魔道士クランに向かった。
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私たちは魔道士クランに着いてすぐ、
「クランマスターを呼んでもらっていですか?」と受付嬢に言った。レーンの都のクランマスターの手紙を届けるためだ。
そのグレーの髪の受付嬢は
「クランマスターをですか?どのような要件でしょうか?」と首を傾げつつそう聞いた。
「レーン魔道士クランから手紙を渡すよう言われているんですよ。」
「そういう事ですか。畏まりました。」
と奥の方へ行った。
数分後、彼女は男性を連れて戻ってきた。
その初老の男性は、
「やあ、私はここのクランマスターをやっているヘレというものだ。その手紙というのを見せてもらっても良いかい?」
と聞かれたので、素直に手紙を手渡した。
すると、
「レーン魔道士クランの紋が入ってるから本物だね。ふむふむ、なるほど。おーい、ルーセちゃん、ちょっと来てくれ!」
と叫んだ。
遠くであの受付嬢が、「はーい」と言って近づいてくる。
彼女が来るとクランマスターは徐に、
「彼女達はレーンの街から来ているのは知っているね?街を案内してやってくれ。」と言った。
彼女は、「はい、わかりました!」と元気に返事をして、私たちに「今用意するんで、ちょっと待ってくださいね?」と伝え、また奥の方へ行ってしまった。
なんだか慌ただしい人だな、と思いつつも待つことにした。
至らぬ点や誤字などがあったら是非ゆるーく教えてください。
宜しくお願いします。




