8話 白と蒼の邂逅
2章スタートです!
リヴァイアサン領の辺境に位置する紅艶連峰。
そこに私はいた。
─何故か倒れていた少女と共に。
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私はレーンの都で買っていたテントを広げその中で少女が起きるのを待っていた。
彼女は流れる川のような髪と整った顔立ちをした美少女だった。
しばらく眺めていると、彼女のエメラルドのような瞳が瞼を開け出てきた。
「ん…うぅ…あれ?ここは?」
「おはようございます。ここは紅艶連峰の5合目付近ですよ。」
「…あんたは?」
訝しむような目で見つつそう言われた。
「私はレーヴァ。レーヴァ=ヘイム=ラーフ。あなたを越山中に見つけた者です。あなたが火口近くで倒れていたので吃驚しましたよ。」
「!!そうかい、あたいは倒れてたんだね。とりあえず、レーヴァだっけか?ありがとうな!おっと、自己紹介がまだだったな、あたいはミラ・ドラウニールってモンだ。」
ふと二人は思う。
(あれ?そのドラウニールって…)
(ラーフ?まさか…)
「あなた、リヴァイアサン家の直系の方ですか!?」
「あんた、フェンリー王国の公爵家の奴か!」
そう、まさにその通りであった。
フェンリー王国とはレーヴァが追放された王国であり、先代の国王はフェンリーⅠ世であることからきている。
また、ドラウニールとはリヴァイアサン家直系のみが名乗れる姓なのである。
「で、あなたのような王族の方がなぜこんな所に?」
「長くなるんだが…」
どうやら彼女は思った通りの貴族子女の様な厳しい教育をされた環境にいた影響でマナー等は身についているものの反抗心が溜まりに溜まっていたそうで、最近遂にその鬱憤が爆発し元々積極的であったせいもあるのか家出してきてしまったそうだ。口調は教えていた宮廷仕えの教師が話していたものがそのまま移ってしまったらしい。
「なるほど。ということは今は家出中ということですか?」
「そうなるな。全く以て堅苦しい奴らだ。そういやあんたはどうしたんだ?ラーフ家つったらフェンリー最大の貴族なんだから冒険者にならなくてもいいだろう?」
「それはですね…」
私はこれまでの経緯を話した。
すると…
「…ずびっ…あんた、大変だったんだな。」
「いえ、そんなでもないですよ。」
「いや、あたいなんかより全然大変じゃんか。」
などと言っている間に時は過ぎどちらのものかは分からないが、「ぎゅるぅ〜」と腹の虫が鳴いた。
「ふふっ…ご飯にしますか!」
「おおっ!それはありがてぇ。」
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その後、2人はレーヴァの持っていた材料で食事を摂って、日が落ちるまでずっと話していた。
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