白雪 真結、入部します♪
4月13日 体育館―入学式―
校長「―――我が校は、長年の伝統に
基づく名誉と秩序にかけて――――」
眠い。ひたすらに眠い。
すっかり世間でも常識ともなった
校長のクソ長い挨拶。
既に彼の催眠術にかかり、
夢の中へと旅立った者は何人もいる。
春休み明けの一発目にはキツい。
あぁ、私も……ねむ――――
真結「くーちゃん!起きなよっ!」
玖羅々「ぬぇっ!?」
また不意に情けない声を出してしまった。
どうやら私も落ちていたらしい。
先程の声はそこそこ大きく、響いた。
そうなれば職員からの目も痛い…。
四方からクスクス笑い声も聞こえる…。
あぁぁ恥ずかしい……。
既にもう閉式の言葉を、教頭が
述べ終えたところだった。
玖羅々「さぁ、帰りますか…」
真結「くーちゃん、もう起きた~?」
玖羅々「はいは~い…」
二人で教室に戻ろうとすると、
体育館の出口のところで
誰か待っていた。
ん?海さんと明香さんか!
こっちに気づいた途端、歩いてきた。
海「おーい、くーちゃーん!」
明香「おす、玖羅々!お前の声、
あたしらのとこまで聞こえたぞ!」
玖羅々「えぇぇ~!恥ずかしい…」
海「あ!君が…えーっとなんだっけ、
………そうそう、真結ちゃん??」
真結「はーい!白雪 真結でーす♪」
明香「初めまして、私は――」
真結「朱羽 明香、さんですよね??♪
タウン誌に特集されてたの見ました!
とってもかっこよかったです!」
明香「あ、あぁ…ありがとう!」
海「俺は青城 海だよ!よろしくね!」
真結「お願いしまーす!」
海「それでね、今日から早速
部室解放しちゃうから、
よかったら真結ちゃんもおいでよ!
ピアノで入るんでしょ!?」
真結「はーい!喜んで!!」
それから私たち二人は教室に帰り、
入学オリエンテーションを終え
ようやく放課後となった。
そして私は今、期待いっぱいの真結を
部室へ案内しているところだった。
???「す、す、すみません!!!」
金髪の少年が話しかけてきた。
玖羅々「私かな?どうしたの?」
少年「音楽部はどこにありますか!?」
玖羅々「あー、うちは吹奏楽と軽音楽の
二つがあるんだけど…どっちかな?」
少年「…………ど、どっちもです!!」
玖羅々「え!?マジ!?と、とりあえず
私軽音楽部だから一緒にいこ!!」
緊張しっぱなしの金髪の少年と、
それと相反する白雪 真結を連れて
軽音楽部の部室へやってきた。
カギは開いている。
既に誰かが入って準備しているだろうか。
玖羅々「連れてきましたよー!」
真結「おっ邪魔しまーっす!♪」
少年「あ、あの……」
玖羅々「ん?どうしたの?」
少年「楽器を置いてきてしまったので、
少し取りに帰りますね!15分で戻ります!」
金髪の少年はそう吐き捨て、走り去った。
しばらくして奥の準備室から出てきたのは
樂さんだった。
樂「いらっしゃい、真結。
さて、まずは入部届けだな。
こっちで用意したから、書いてくれ。」
真結「はーい!てかてか、他に部員って
いるんですかー??」
樂「あー、ちらほらいるよ。
多くはいないんだけどな。」
真結「そーなんですか!他にも、
たくさん部員が入ると賑やかでいーですね♪」
真結「うしっ!書けましたぞよっ!!」
こうして、正式に軽音部に白雪 真結ちゃんが
入部することになった。
真結「さてさて、頑張っちゃうぞー!
玖羅々ちゃん、一曲何か教えてよ!
早速ピアノでもシンセでも
付け加えてみせるからさ!」
~♪
玖羅々&樂「流石です…。(圧巻)」
それと同時に、Last seasonsの
正式にメンバーとして加入した。
~Last seasonsについて その①~
・最初に
海がアコギで弾き語りをしていた。
→それを聞いていた明香が加わる。
→アコースティックデュオとして結成。
→二人のストリートライブを
聞いていた樂が、ストンプ
(身近な物でリズムを出す演奏)で
即興でセッションをする。
→話し合った結果、3人の方向性が一致。
3ピースロックバンド「Last seasons」結成。
→樂がカラオケで、たまたま隣の部屋から
聞こえてきた玖羅々の歌を聞き、スカウト。
→4ピースロックバンドとしてスタート。
→入学式にて、樂が白雪 真結スカウト。
→現在に至る。
・ジャンルについて
ロックバンドと称しているが、厳密に言えば
重低音を意識したハード寄りではなく、
ポップスロックのようなジャンルに分類される。
しかしあくまでも、作曲やアレンジ次第で、
ハードな曲も演奏することもあるため
一概には言えない。
その②へ続く………。