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泡沫の恋  作者: 憂憂(ゆうゆ)
3/7

新学期 スタート!

4月13日 白梅高校正門前








新入生歓迎ライブは無事に成功という

形で終えることができた。

樂さんによると、SNSで私達の演奏を

評価する呟きが多かったそうだ。

素直に嬉しいし、やりがいを感じる。

たくさん失敗することもあるけど、

また次へと頑張れる。


さて、入学式も終わり、

私達も今日から本格的に登校。

2年の1学期始業式だ。

学生にとっては期待と緊張でいっぱいの日。

私は今、玄関に貼り出された

新学年のクラス表を見ている。

担任の先生は誰だろうか、

友達や気になる子と一緒だろうか、

そんな理由がベタだろう。

私はどちらかと後者で、

私だけ一人違うクラス……

なんてことを考えると頭が痛くなる。

どちらかと言うと自分から話しかけにいく

タイプでもないし、魅力的な存在でもない。

――そういえば今朝の占いで

A型は運勢最悪だった気がするなぁ。

ま、この世の人間が四通りしかない

運命であるわけがないのだけど――

と思ってたら、






「あ」




私は一瞬時間が止まった気がした。

自分の名前が書かれていた

2年4組のプリント表に、

一年時の仲の良いグループの友達の

名前を一人も見つけることができなかった。

天は追い討ちをかけたのか、

私以外のグループの友達は全員同じクラス。

なんということだ。

…私はー友情の自然消滅ーなんて言葉が

頭の中を少しだけよぎった。

不幸中の幸いと言えるのか否か、

一年時の同じクラスの男子は

何人かは新学年でも同じだった。

いや、男子ばかり話している女なんて

友達になりたいと思うような女はいない。

あぁ……どうしよう。

私は視線を斜め下にしながら教室へと

歩いていった。







2年4組教室ー朝のHRー





名前シールを貼ってある机に

私は重たい頭を預けていた。

周囲の女子のキラキラした黄色い声、

男子のテンションが高い時のむさい声、

どれも今の私にとっては

ノイズにしかならなかった。

まぁ…一年の時もそうだった。

むしろ一年前より、ずっとマシだ。

なんせ入学式直前までトイレにかけ込んで、

SNSにコミュ障発言を3分間隔で

呟いていたほどだ。

その時を考えれば、何とかなるかと

思える自分も少しは居た。




ルル「はーい席についてー」


いかにも棒読みだろうと思わせる

教壇に歩いてきた先生は

巡田ルル先生だ。

スタイル抜群で女性としても尊敬するし、

音楽の才能に秀でて、そちらでも尊敬する。

ただすごく適当なところは、いただけない!



ルル「今日から2年4組の担任の巡田ルルです。

皆知ってるよねー。

てことで質問タイムは10秒ね、どぞ。」


男子「スリーサイズ教えて下さい!!」


ルル「見ればわかるでしょー?」


女子「ルルたん彼氏はー??」


ルル「3~4人かしらー」


男子「年は、いくつですか!?」


ルル「レディに失礼よー。はい、終わり!」




さすがのあしらい方。

いかにも高校生らしい質問ばかりだが

どれも適当すぎる。でも憎めない。

虜になる生徒は何人もいるわけだ。

ちなみに私は彼女のことを他の

生徒よりは、そこそこ知っているつもり。

ルル先生は軽音楽部の顧問であるからだ。

だからこういうバカらしいやり取りは

海さんとで何回も見てきた。

(毎回その都度、明香さんに

ボコボコにされていたような)


ルル先生の超適当担任挨拶が終わり、

クラス全体がようやく落ち着きを

取り戻してきた頃だった。

次の瞬間、クラスの空気が一変する。




ルル「あーあとね、転校生くるよ今日。

てか今から。紹介するね、入って~。」



ガラガラガラガラ……





――――――!!??






ルル「紹介するねー。あ、自分でする?」


???「あっ、はい! みなさん、はじめまして!」














「白雪 真結です!!」







~登場人物紹介~



巡田(めぐりだ) ルル 2年4組 担任

担当 顧問

白梅高校の唯一の音楽教師。スタイル抜群。

数多の男を虜にし、女子からは尊敬の

眼差しを浴びる、まさに女神(ヴィーナス)

軽音楽部と吹奏楽部を兼任しており、

一通りの楽器はそつなくこなせる天才だが、

かなり適当な性格で、周囲を

振り回すこともしばしば。


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