プロローグ
※主な登場人物はVOCALOID(初音ミク、MAYU、鏡音リン,レン、GUMI、KAITO、MEIKO、神威がくぽ、巡音ルカ)をモチーフにしています。
X月XX日 2年4組教室 ー放課後ー
誰もいない、夕陽が照りつく教室。
また一つ、泡が消えた。
それはほんの数分前の話。_____
男子「ずっと好きでした!!………ぼ、僕と…、
……付き合ってください!!」
「………ぁっ…。」
男子「だ…めです…か…?」
「………ぃやっ、その……ご…めんなさい…」
男子「…ハァ…ハハハ、そうですか!急にすみませんでした!
それでは、…また!」
彼は自嘲気味に振る舞っていたが、その姿は確かに震えていた。
どれだけ勇気を出しただろう。
どれだけイメージトレーニングをしただろう。
そして、どれだけ私にフラれるかもしれないという、
未知のリスクに怯えていたんだろう。
それほどのことを、私なんかがわかるはずもなかった。
どうすれば私と彼との関係を、数刻前までに戻せるのか。
否、できるわけない。
人間関係なんて、泡のように少しの干渉で、
儚く露となりゆくものだ。
去り行く黄昏色の彼の背中には既に、
私との見えない距離ができていた。