第二話 学園生活
そして二日後。残念ながら月曜日。学校だ。まぁ、誰かに話しかけられるなんて無いだろう。自分の席に行って、バックを仕舞った。やっぱり土曜日のあの服に比べて着やすいな。うん。楽だ。本当になんだよあれ。母さんの仕事関連のがあって午前中に着てて面倒だからって着替えないって思考になった俺を殴りたい。今日は掃除をやったらすぐ帰れるな。まぁ、いつも通りに授業を受けてクソみたいに真面目にやらない奴を放って置き掃除をすぐ終わらせて帰ろう。面倒事に巻き込まれたくない。巻き込みたくも無い。
「ねぇねぇ雫ちゃん!」
さて、俺を呼ぶ人なんて居ないだろう。さっさと本を出して読書しよう。雫って聞こえたけど別のクラスの奴だと信じたい。
「おーい。雫ちゃん?」
どう考えても読書をしている俺の目の前で呼んでいる。誰だ…
「取り敢えずちゃん付けやめてもらえるか?」
「え、でも女子でしょ?」
あぁ、白兎か。まぁ適当にあしらうか。そうしないと面倒。
「取り敢えず。用件は?」
さっさと済ませよう。相手にも、自分にも面倒になる事が無いように。迷惑がかからないように。
「雫ちゃん本好きなんでしょ?図書館一緒にいこう!」
そういう事か。まぁ、人にして良と思われるようにして返さないとかな…まぁ、断れると一番いいな。
「まぁ、図書館に行くの自体はいいが、いつだ?」
「次の土曜日。あいてる?」
俺が毎週行く曜日じゃねぇか…断るのは難しい。如何しよう…。別の図書館いくか?いや、それだと遠いな。仕方ないかなぁ…。厄が無いといいけど。
「…あぁ。いいぞ。一時に学校集合で。」
「やったっ!」
人とは、あまり関わりたくないけど仕方がないか…。流石に人として良いって人に思って貰うほうが楽だからなぁ…。白兎がニコニコして去ってから俺はどういう風にするかとか色々考えた。例えば「いつも通りの男装で行ったら迷惑とかかかるだろうから女物の服で行くかな。」とか「誘われたのは初めてだな」とか「友達になれるのだろうか」とか…。まぁ、他愛もない事だからどうでもいいな。
今週は三年が他の教室を使うらしいから四時間授業で終わる。さっさと終わってほしいなぁ。そうしたら家に帰って勉強して読書をして飯を食って寝る。この学園での日常は変えない。いや、変える事が出来ないのだ。だって俺はそんな力を持っていない。そんな事をする勇気も無い。出来るのならば…最初からやっているさ。
「おーい、そろそろチャイム鳴るから教室入って席つけー」
そんな先生の声を聞き、多くの廊下に居た奴が教室に入っていく。俺も先生の声と人の足音を聞いて我を取り戻した。考え事に気を取られている様じゃやっぱりまだまだだな。
今日も関わったといえば白兎と先生くらい。多分だけど今日も平和だった。少なくとも俺は平和だった。他の奴は知らん。掃除も終わらせたし早いところ帰るか。俺は平和に過ごせるのなら、それでいい。