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憑雪学園  作者: 紗玖凪羅
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プロローグ 憑いた呪いに悩む日々

  プロローグ 憑いた呪いに悩む日々


 いつもと同じで不幸や不運に見舞われている日々。私は…いや、俺は何故この世界に生まれたのだろうか。生きているのだろうか。意味も無く生きることになんの意味があるのだろうか……。それはきっと、『概念』のせいじゃないかと思う。もう、概念に縛られるのは嫌なんだ。概念とは人の中に存在するものじゃないかと思う。だから死んで…概念をなくして、楽になりたい。そう言ってる俺だけど、実質死ぬのは怖い。大切な人が死んでしまった姿を見た事があるから、どうしても怖いんだ。それが幼い頃だったのもあるかもしれない。

 昔は、物心ついた頃は…些細な不幸や不運だけだったんだ。例えば食器を割るとか、それで怪我をするとか、なにもないのに転ぶとか……そんな他愛もない事だったんだ。でもそれは大きくなり、俺を苦しみに向かわせる。祖母は死んでしまうし、仲の良い友達も他のところで離れて暮らしていく。そこで俺は、家族を除いて、一人になってしまった。あの頃は酷く泣いたのを覚えている。だけど、時々連絡も取ったし、そこまで凄く寂しいという訳でも無かった。

 だが、不幸や不運が可笑しくも続き、日々少しずつ増加する。…そこで俺は考えたんだ。

「大切さえ作らなければ、居なくなられても辛くならない。元々自分の事が嫌いなんだ。私は、殆どの人との関わりを今後一切遮断しよう。それに、死んでしまえばもう何もなくなる。早く私は死んでしまって概念を打ち切りたい。いや、私じゃない。これからは………『俺』だ。月宮雫と言う人物を演じきろう。」

そう考えた。まぁ、呪いさえなければこうも考えなかったのだろう。だが、そんなのもう遅い。ずっとずっと悩み続けたんだ。今も、悩んでいるんだ。それに、通っている学園だってそこまで楽しいと思える訳でもない。それに、大切を作らないとも決めたので最低限の関わり(人間として良側になるように)しかしてなく、恋愛などは興味すらない。そもそも恋愛ってなんだ?俺は、そんな風に思うくらいなんだ。だから……



 ―月宮雫と言う人物を演じきり、痛くも苦もなく死ぬと決めた―


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