罰金
取替神社 何かを取り替えて願いをかなえてくださいます。
たまたま選挙応援中の与党党首と野党党首の乗った選挙カーが取替神社を挟んだ位置に着ました。
「わたし達を勝たせてください」
どうなったかですか?
何も替わらなかったのです。
二人ともお賽銭を入れませんでしたし、与野党を入れ替えても何も変わらないからでした。
取替神社、大きな神社の近くに小さな社が佇んでいた。
消費税が30%に引き上げられた後も国の財政赤字がふくらんで、経済が完全に行き詰ってしまどうしてもう増税の余地は全くなくなってしまい、止む終えず各種罰金が大幅に引き上げられ赤字解消に当てられることになった。
今一人の政治家が、記者から逃れて取替神社に迷い込み、お祈りをしている。
「たかが選挙違反であんなに高い罰金はおかしいです。赤字補填の金は選挙民が出せばいいんです」
小銭など使ったことが無い政治家は賽銭箱に一枚の紙幣を入れた。
次の選挙で信念に燃える新人議員が大量に当選し、彼らの力によって財政赤字はあっという間に解消してしまった。
公職選挙法が改正され、違反者、つまり投票に行かなかった人に高額の罰金が課されるようになり、誰もが真剣に選挙に行くようになった結果、利権がらみの組織票しか持たなかった政治家が全員落選してしまったためだ。