第一話 師匠との再会
原作キャラの口調が少し変かもしれません。
ちなみに私の紅魔郷の腕前は6面道中までが限界の腕です…。
これが朝から美鈴が真面目に仕事をしている理由である。
そのおかげか今日は紅魔館に本を盗みにくる普通の魔法使いを見事撃退し、妖精たちのイタズラも未然に防ぐことができている。
日は少し西へと傾きつつあるが、美鈴は真面目に門番の仕事をしていた。
そして紅魔館へと続く一本の道に人影が現れた。
人影は逆光で姿が分かりづらかったが、近づくにつれてハッキリとしてくる。
その人影は今日美鈴が一番待ち望んでいた人物の姿だった。
180センチ程の背丈で体の見える部位はやや細身ではあるが立派に鍛えられている。
ニコニコとした顔つきに邪魔にならない程度に伸ばした髪。
その姿は美鈴が数百年経とうと忘れもしない師匠の姿だった。
「やぁ。久しぶりだね」
「……師匠っ!!」
美鈴は間髪いれずに師匠に向けて―――正拳突きを叩き込む。
しかしその拳を師匠はなんなく受け止める。
「ただいま美鈴。見てない間に随分大きくなりましたね」
師匠は受け止めている拳に力を加えつつニコリと微笑んだ。
力を加えられ美鈴は顔を少し歪めるが、負けじとなんとか笑みを作る。
「おかえりなさい師匠。師匠は相変わらず貼り付いたような笑みですね♪」
「おやおや…。久しぶりの再会だと言うのに、どうして嫌味と正拳突きなんですか?」
「忘れたとは言わせませんよ。私の修行の途中に勝手に消えたクセに…!」
「そのことですか。いやはや、あれには込み入った事情がありまして…ねッ!」
師匠は受け止めている正拳を払い、空いている拳で美鈴を殴りにかかる。
拳を払われ体を横方向に流されてからの顔面目掛けて素早いフック。常人であれば避けることの出来ない程の速度で放たれた一撃を、美鈴は流された方向に回転しつつ上体を屈めて後方に下がることで避ける。
「危ないですねぇ! 可愛くて美人な弟子の顔に傷がついたらどうするんですか」
「ははは、僕の知っている可愛くて美人な女性は僕に向けて正拳突きはしませんねぇ。
それに僕は美鈴以外の女性の顔面に手をあげませんよ」
「それで女性に特別だとアピールするのはセンスないですよ♪」
そう言って美鈴は構えを取りつつニコッと笑ってみせる。
美鈴の笑みに応えるように微笑むと、師匠も改めて構えを取り直す。
「……随分と人を苛立たせるのが上手になりましたねぇ。バカ弟子のくせに」
「それも師匠の修行の成果ですよ。ありがとうございます♪」
「…どうやらこの辺りで一度立場をハッキリさせないといけないようですねぇ」
そう言って師匠は一歩美鈴に近づく。
「そうですね。その意見には賛成です」
応えるように美鈴も師匠との間合いを詰める。
両者の制空権が触れ合った。
美鈴は両足をしっかり地面に置き、左手を少し開きやや前に出し、右手握り胸の前に構える。
やはりと言うべきか師匠の方も同じ構えである。
「ならば結構。…身の程を知りなさい」
「下克上、果たして見せます!」
前回よりは文章量が増えた…かもです。
とりあえず今の目標はミスをなくすことです。
ご指摘等ありましたら、遠慮なく書いて送ってください。