38 桜姫ダイエット大作戦
明けましておめでとうございます、三月語です。ついでにお久しぶりです。
実は現場から経理に変わって以降、あの投稿以後ですが一気に時間がなくなって(帰ってすぐ寝落ちするなど)執筆がちまちまっとしか進んでませんでした。
年明け一発目は正月とは関係なくとも思い当たる節がある人・・・桜姫の頑張りを見てあげてください。
「私、痩せる!」
桜姫がそんな突拍子もない事を言い出したのは、秋休みに入ったその日の朝だった。
「そこまでぽちゃっとしてるように見えないんだけどなぁ・・・」
「痩せるもん!絶対!」
紫蘭の言葉すら最早耳に届かない。痩せる痩せると連呼する彼女に何があったのか・・・
きっかけは2度目の体重計だった。初めて現代に来た桜姫は体重計が気になって、乗って量った体重を覚えていたのだが・・・
「はー、気持ちよかったぁ〜・・・」
風呂上がり、タオルで体を拭く。その最中、桜姫の目にあるものが映った。
「・・・体重、計・・・」
何の変哲も際立った機能もない、普通の体重計だ。
(・・・前図った時は50より下だったよね・・・。40と50の間よりはあったけど・・・い、今もないよね、うん)
そう自分に言い聞かせて、意を決して乗った。結果・・・
「・・・〜〜〜〜〜〜っ!?」
体重計の目盛の示した場所は50を超えていた。桜姫、当然絶句。
「ふ、ふと、った・・・!?」
言葉少なに呟いただけで、そのままへたり込んでしまった。
「うーん・・・下手に痩せると死んじゃうって雛菊も言ってたよ?」
「痩せなきゃいけないの!痩せなきゃ・・・痩せなきゃ幸俚に嫌われちゃうもん!!」
机をばん、と叩いて立ち上がった。
「んー・・・じゃ、私も協力しようかな」
「本当!?」
「けど、痩せるのは簡単じゃないからね?」
「やってやるもん!」
ぐっと握り拳を作り立ち上がる桜姫。紫蘭は頭を悩ませていた。
(うー・・・協力するといってもなぁ・・・)
雛菊なら何か教えてくれるかもしれない。そう考えて電話へ向かった。
「し、紫蘭?」
「雛菊に相談してみればきっと活路が見いだせると思うよ」
そう言って紫蘭は電話をかけた。その先は・・・二崎家。
「あの、今日からお世話になります」
「うん、よろしく雛菊。・・・けど良かったの?カナの家から来ても」
「訳あって・・・仕方なかったんです」
雛菊が真田家にしばらく厄介になる。理由は・・・幸俚には内緒だが、桜姫のため。
「桜姫様、今は?」
「自分の部屋でぼーっとしてると思う」
「じゃあ・・・お邪魔します」
幸俚に勧められ、そのまま入っていく雛菊。そして桜姫の部屋へと向かった。
「雛菊ちゃーんっ!!待ってたよぉ―っ!!」
「ふみゅぁっ!?」
入って早々桜姫からのハグ。身長差があるため、雛菊の顔は桜姫の胸へとダイブしていた。
「ふぐぅ・・・お、おうひ、しゃわ・・・」
「へ?あ、ご、ごめんね雛菊ちゃん・・・」
自分の胸でふがふが言う雛菊に気付いた桜姫はすぐに雛菊を解放した。
「く、苦しかった・・・」
「ホントにごめん・・・」
何度か深呼吸でやっと酸素を取り戻した雛菊。そして桜姫に向き直って話を聞くことに。
「それで、相談とは?」
「・・・純粋に、痩せたいの」
「痩せる・・・ですか・・・。要はダイエットしたい、と」
「うん・・・」
「それで、今の体重は?」
雛菊が体重を聞いた時、思わずうっと呻いた桜姫。
「・・・え、えーっと・・・51・・・あったはず・・・」
「元々は?」
「・・・き、来た時に乗った時は45と50のちょうど真ん中だったから・・・」
「48kgですね」
「うぅ・・・」
雛菊からぐさぐさと言われ、ついに膝を地に着ける桜姫。
「・・・今ので必要な事を探る事ができました」
「本当!?」
「けれど、ダイエットは相当過酷なもので、下手したら痩せたくない所から痩せる可能性もあるということを把握してください」
「う、うん!・・・で、でも痩せたくない所って・・・」
「胸から痩せる可能性がある、という事です」
一瞬固まった桜姫。だが、すぐに雛菊の方を向いて決意表明した。
「痩せる!!どんな事があっても痩せる!!」
夕食から、雛菊の術は始まったのだった。
「・・・お腹・・・空いた・・・」
雛菊の術その1、いつも食べてた量より少なく、野菜を多く食べる。今まで結構な量食べていた為、物足りなさが強かったのだ。
「・・・お、お菓子・・・」
「ダメですよ」
「うぅ・・・」
雛菊の術その2、間食禁止。なお、ダイエットには基本の術である。徹底的に厳しい雛菊。初日から心が折れそうになる桜姫であった。
翌朝。
「桜姫が痩せるって我儘言うのって・・・本気で痩せたいから?」
「そうみたいです」
「ふーん・・・」
風香がたまたまランニングする桜姫を見かけた為、一緒にいた雛菊に聞いていた。
「そう簡単に痩せるなんて思ったら大間違いだと思う」
「やっぱりそう思いますよね」
「そんな一朝一夕で痩せようなんて馬鹿の考え」
風香がそう言った瞬間、目の前で走っていた桜姫がベちゃっと転んだ。
「え、えぇと・・・なんでここ?」
「ご主人様からストレス発散にいいって聞いた」
桜姫、風香、雛菊がいるのはバッティングセンターだった。
「あそこの的に打った球を当てると何かもらえるみたいです」
「・・・ご主人様への贈り物・・・」
「はっ!」
風香の言った事が聞こえた桜姫は、思わず声を上げてしまった。
「打ってその的に当てればいいんだよね!?」
「そ、そうですけど・・・」
「いくら!?」
女性用のスペースで金額を確認。1回(15球)100円だった。
「・・・よし、やってやる!」
燃えていた。桜姫はホームランを打つことを狙い燃えていた。風香も隣のスペースで始めた。・・・女性用のではなく、一般用、球速速めのを・・・
1球目から風香は周りにギャラリーを作っていた。どういうことかと言うと・・・
「はぁっ!!」
1球打つその行動がまず異常。普通女子用なら重いはずのバットを片腕で軽々と振り回していた。挙句、ホームランすれすれ。その逆、桜姫は・・・
「え、えいぃっ!!」
盛大に空振っていた。
「桜姫様、もうちょっと早く振り始めてください!あと全体的にもうちょっと上側を振る感じで!更に言えば腰が引けてます!!」
雛菊は桜姫の問題を全て指摘していた。その横で風香は2球目、再び片手で・・・今度はホームランだった。的に当てたのだ。おおっ、と声が上がる。
「ふにぇいっ!!」
変な声を上げて今度はボールを打つが、ただのゴロ。ころころ転がり横の溝へとボールは吸い込まれていった。
「今度はもう少し下です!」
「わ、わかって、るぅっ!!」
桜姫はそれを理解していると言うものの、バットが鳴らす音はゴキン、等鈍い音ばかり。参考程度に言うが、横の風香は快音を響かせ続けている。片手で。
「ぜ、全然、打て、ない・・・」
「桜姫・・・全然駄目」
あの後風香は15球中9球ホームラン。桜姫は30球打って1球ヒット。後は空振りか内野ゴロ程度だった。
「で、でも、これ、で、す、こし、は、やせ、た、はず・・・」
「だといいですけどね・・・」
雛菊は苦笑いで呟いていた。
「2日間でどれだけ痩せたか確認!!」
「そんなに痩せてないと思いますよ・・・」
2日目の夜(秋休み中日)、桜姫は体重計の前にいた。横には雛菊が。
「じゃ、じゃあ・・・いきますっ!!」
意を決して体重計に乗る。結果は・・・
「・・・50・・・ちょ、ちょっと痩せた!!」
「もっと痩せたいなら今日やった事とかを繰り返して行う必要がありますよ?」
「が、頑張る!」
桜姫はそう高らかに宣言した。
が、彼女の決意は翌日には打ち破られることになった。
「う、腕が、腕がぁ・・・」
「無茶し過ぎだよ桜姫・・・」
「無茶って何したのさ?」
「・・・た、球打つとこで・・・打って打ってを繰り返してた・・・」
バッティングセンターでの打ちっ放しを告げた桜姫。幸俚は・・・
「・・・慣れてないことをやったから筋肉痛になったんだね・・・」
結果をぼそっと告げたのだった。
痩せると豪語しても運動不足で動けなくなる、なんとなくわかると思います。ついでに風香はすごいです。
次回はあのツン猫姫に悲劇(周りには特にダメージないけど)が起こります。その悲劇に加え、久々登場だだっ子モード。
後書きコーナーは感想ないので今回もお休み!!
質問コーナー対象は当小説随一の大食漢・・・漢じゃないけど字の都合でこう言います、白銀大和です。




