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01 クラス雑談、変態はやっぱり変態だった。

殆ど全キャラが総登場する第1話。



笑い満載でお届け・・・出来るはずです。

「・・・たく、1-4とか中途半端に真ん中だから移動も大変だっつの・・・」

「同感。マンモス校なのは否定しないけど1クラスあたりの上限もっと増やしなさいよ・・・」



自分達のクラスの前についた奏たちは、少しでも楽になろうと教室のドアを開けた。



「おっ、やっと来たか」

「やっぱりみんな一緒だったね」

「昴、ユキ、1ヶ月ぶりだな」



教室に入ってすぐ声をかけたのは、奏の幼馴染みで大親友の氷剣ひつるぎ昴と真田幸俚だった。



「・・・昴、お前の嫁さんたちはどうしたんだよ?」

「愛理も雪姫もは嫁じゃねえっての!・・・ったく、高校入って早々こんなやり取りしなきゃなんねぇとか・・・」

「えっと、朝昴が愛理ちゃんの家行ったらまだ寝てたらしくて、恋理れんりちゃんが「起こしてくるから先行っててください」って。で、雪姫ちゃんはもう先に行っちゃったって聞いてたんだけど・・・まだ見てなくて」



幸俚がそう言った瞬間、ドアががらりと開いた。



「・・・やっと・・・ついた・・・」



ドアの前にいたのは昴の幼馴染みで「自称」昴の嫁の夜吹やぶき雪姫だった。



「雪姫・・・やっとってお前、どうして・・・」

「・・・1ヶ月もこの道歩いてなかったから・・・道に・・・迷った・・・」

「あの分かりやすい道をか!?」



雪姫の言った『未だに来てなかった理由』に絶句した昴。



「・・・ま、まぁ、雪姫の方向音痴は今に始まったことじゃないだろ。修学旅行の時むがむが・・・」

「い、言っちゃダメ!!」



やっと自分の席に辿り着いた、といった感じだった雪姫は、いつの間にか奏の口を塞いでいた。



「・・・やっぱりか・・・」



昴がそう呟いた時だった。



〈ふえぇ~っ!!い、1-4ってどこー!?〉



という女子の声が。



「・・・間違いないな」

「こういうのは1人しか思い浮かばないね・・・」

「・・・全くだ」

「・・・私もおんなじこと考えちゃった・・・」

「私もです・・・」

「・・・奇遇ね、アタシもよ」

「・・・私も・・・」

『愛理(ちゃん)だ(な/ね/)』



刹那、『あった!』という声が聞こえ、ドアがシパァン!と開いた。



「ふえぇ~ん、昴ぅ~・・・」

「・・・おい愛理、朝っぱらから騒がしいぞ」



ドアを壊さんとばかりに叩き開けた少女、日野神ひのかみ愛理は昴に泣きついていた。同時に叱られていた。



「・・・ふぅ、やっと着いたよぉ~・・・」

「あ、美雪」

「ゆき君!おはよ!」



開け放たれたままのドアから入ってきた佐橋美雪が幸俚に一目散に駆けていく。



「あと来てねぇのは鈴風くらいか?」

「大方体育館とか行ってんじゃね?外じゃ1階廊下、めっさ部活勧誘酷かったからな。俺らは1つも受けてねぇけど」

「え、どう通って来たの?」



朝のことを思い出す奏。



「俺は「1階廊下」つったよな?」

「そういうことか。要は玄関近くの階段登って1階廊下を通らないようにしてきたってわけか」

「そういうこった」

「さすが奏、中学全教科満点の主席は伊達じゃないな」

「・・・関係ないだろそれ」



それぞれがそれぞれで朝のことを言っていた時だった。



「おいーっす」



一人の少年が1-4に入ってきた。



「・・・なんだ、変態か」

「ちょ!?」

「はぁ・・・朝っぱらから変態の顔を拝むなんて最悪ね・・・」

「へっ!?」

「朝俺達が見たのは、黙ってればイケメンなのに口を開くが故に変態というレッテルを貼られる存在だった」

「酷過ぎるっ!?」



周りから変態、変態と呼ばれた少年、有沢信也は奏、ロロット、昴から言葉の三連コンボをくらってあえなく撃沈した。・・・が。



「そう簡単に崩れ落ちる俺だと思うなよ!?」

「・・・へうぅ・・・」



奇声のような台詞と共に立ち上がった信也にルティアは奏の蔭に怯えるように隠れた。



「あ、あれー?ルティアちゃーん?その行動俺すっごく傷つくんだけど・・・」

「・・・悪い信也、誰が見ても今のはないな」

「ちくしょう周りから酷評されるなんて思わなかった!!」



結局昴にぼろくそに言われ、頭を抱えて蹲ってしまう信也であった。



「ところで、入ってきた時喜色満面だったのが凄い気になったんだけど?」

「・・・春でも来た?それとも冥土?」



幸俚と雪姫の言葉に「ふっふっふ・・・」と含み笑いを始める信也。



「よくぞ聞いてくれた!実はこの俺有沢信也、昨日付けで金髪メイドさんを雇ったのだ!!」

「お前ん家、メイド雇うような金ないだろ」

「・・・ひょっとして・・・二次元で、とかいうオチですか?」

「あり得るわね、変態なら」

「・・・あり得るね、変態なら」

「お前ら揃いも揃ってその先の展開予測すんなよ!しかも当たってるし!!」



信也の絶叫に全員「やっぱりか・・・」という感じの溜息を吐いた。



「・・・ところで鈴風のやつまだ来てないのか?」

「リンちゃんのことだから「ツインテ決まらなーい」とか髪の毛を弄ってたり?」

「・・・あり得るかも・・・」



未だにいない少女、鈴風のことで一瞬話が盛り上がるが、そこは女子陣、すぐに話が切り替わった。



「そう考えるとお姉ちゃんとかリーシャとかは羨ましいわよ、髪形一切弄らなくていいし」

「と、整えてるよ!?朝起きたら寝癖で爆発してるもん!!」

「わ、私だって寝癖酷いですよ!?」

「・・・それを言ったらロロットの方が羨ましい」

「そ、そうだよ!長い髪のツインテールなのに私より早く着替え終わってるもん!!」

「そこまできれいなツインテールって普通できないよ?」

「お、おだてたって・・・何も出ないわよ・・・」

「ろ、ロロットがデレた!!」

「・・・デレたな・・・」

「・・・明日は槍でも降るか?」

「アンタ達いっぺん死ぬ!?つーか普段どんな目でアタシを見てんのよ!!」

『ツン猫お嬢様』

「・・・殺す!!」

「ダメーっ!!」



ルティアが羽交い絞めにして怒り狂うロロットを抑えた。でも殆ど全力。姉なのに妹より力が弱いという理由故。



「・・・そうだ幸俚」

「なに?」

「鈴風が来たら正面向いてこう言ってみてほしいんだ」



真面目な顔をしていう信也。



「いいけど・・・なんて?」

「『やあ鈴風、今日も可愛いね』って」



その台詞に、その場にいた全員が凍りついた。




「どうした?全員固まっちまって」

「・・・クサい台詞・・・」

「古い・・・」

「酷いわね・・・」

「かもしれねぇけど・・・鈴風1ヶ月も幸俚に会ってないだろ?」



信也の発言に全員が思い返す。特に幸俚は。



「・・・確かに1ヶ月は会ってないなぁ」

「昔から幸俚見ては「あぅあぅ」言ってたやつだ、1月空いて再会してみろ、どこまで酷くなってることやら」

「・・・テスト、ということ?」

「そういうこった」

『このサド変態が!』

「その言葉寧ろご褒美だぜ!!」

「・・・変態ってついてるのに?」

「なんてこった大失態!?」



そんな感じで(信也を弄って)いたら。



「・・・やっと着いたわ・・・」

「あ、リンちゃん!」

「リーちゃん来てたん・・・だ・・・」



最後に現れた渦中の少女、小鈴風シャオ・リンファは、リーシャを見つけて近寄ったはいいが、最後の方は尻すぼみの言葉になっていた。



「やあ、鈴風」

「ゆ、ゆき、ゆきひにゃ・・・!?」



幸俚も幸俚で、信也に言われたことを敢えて実行してみた。



「『今日も可愛いね』」

「・・・・・・」



言われたままの台詞をそのまま言っただけ。言っただけだが・・・



「・・・あ、あれ?リンちゃん?おーい」

「・・・ふしゅぅぅぅぅ~・・・」

「り、鈴風!?おっとっと・・・」



動きが固まり、オーバーヒートしたかのように後ろに崩れ落ちた鈴風をすぐに抱きかかえた幸俚。



「リンちゃん!もうじき入学式だから目を覚まして!!」

「・・・ふえぇ・・・?」



リーシャの声でどうにか目を覚ました鈴風だったが・・・



「・・・よかった、どこもぶつけてなくて・・・」

「・・・~~~~~~~~~~っ!!」



プシュウ、と言わんばかりに顔を赤くし、結局また気を失ってしまった鈴風であった。





































その後、鈴風は出席番号が近いロロットにおぶられ体育館へ入った。その間ロロットは一人、「・・・鈴風ほど胸があればアタシだって・・・!」と一人愚痴っていたとか。

次回はクラス内の自己紹介がメインです。色々荒れます。笑いは多めにする・・・つもりです。


お楽しみに。

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