表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

第6話(下) 冒険者達と

「あの、到着しましたよ。起きてくださ~い」


 そんな感じの声が、上の方から聞こえた。


 う~る~さ~い~。私は眠いんだ。


「ボクも色々とやる事があるんですよ~」


 声が近いよ、アカンサスくん。そんなに近くで喋られると、耳がくすぐったいじゃないか。


 …………へ?…近く?……耳?


 ここって、どこだ?……宿屋じゃなかったっけ?


 枕だって……さわさわ。


「ちょ、ちょっと、そんな触り方しないでくださ、あっ!」


 変な硬さのある枕が動いたっ!


 そうか、馬車で眠っ…ゴンッ


「「痛っ!!」」


 慌てて起きたら、何かに頭をぶつけたよっ!


 ぶつけた頭を抑えながら、何に当たったのか涙目で探すと、顔を抑えてるアカンサスくんが見えた。


 えーと……起きる前に聞こえた「上」からの声、何かとぶつかったこの頭、痛そうに顔を抑えるアカンサスくん……イコール、わたしがアカンサスくんにヘッドバッド?


 ピンポンピンポンッ♪


「えと、その……ごめん」


「いへ、あれくりゃい、よけりゃれにゃいほ」


 ごめん、何を言ってるか判んない。




 お互いで謝っていたら、後ろでブッて音がして振り返ったら、護衛のリーダーのおじさんが、笑うのを堪えるのに失敗したのか、口元を抑えて、肩をピクピクと震わせてた。


 笑うなこらっ!


 そんな気持ちをこめて、おじさんを睨み付けるっ!!


「お嬢ちゃん、そんな顔で睨んだって可愛いだけだぞ」


 そんな、可愛いだなんて言っても……よし許す。


 だがしかしっ! ひとつ許せない事があるっ!!


「お嬢ちゃんじゃありません、カリンですっ!」


「そっか、カリン嬢ちゃん。さっきは助かった。改めて礼を言わせてもらう。ありがとう」


 ……くっ! また嬢ちゃんて言った。 でもお礼されちゃったし、文句が付けにくいんですけどっ。こいつやるなっ!


「そういや自己紹介がまだだったな。俺はチーム黒狼のリーダーをしてるランティスだ。神人を見るのは初めてなんだが、カリン嬢ちゃんみたいな小さい娘が1人で降りてくるのは普通のなのか?」


 また子ども扱いかっ!


「こう見えても2百(中身は16)歳越えてます~っ」


「あら、神人は4百歳を越えてから降りると、聞いたことがあるんだけど」


 うっ……ゲームでもそういう設定だったけど、ここでもそうなのか。さすが姐さん痛いところを突いてくる!


「それは~~~~……」


 いかん、目が泳ぐ~。こっち見ないで~。


 姐さん、そんなに近づいて見つめないで~。


「もしかして落ちちゃって、天空の島が降りてくるまで戻れないの?」


 へ? 降りてくる?


「島の高度が変化するのは、確か3百年後よね?」


 よく判らないけど、その話のったっ!


 ばれちゃったから、仕方なく認める振りでっ!


「……はい」


「なあシルヴィア、落ちたとか、島が降りてくるとかって何なんだ?」


 いい質問だランティスのおじさん。私も知りたい。


「里の長老に聞いたことがあるのよ。なんでも神人の住んでる天空の島は、5百年周期で高さが変わるのよ。さすがに空を飛べる神人も、一番低い時にじゃないと途中で体力が尽きて届かないって話よ」


 ほほう、そうなのか。


「それでね、神人の成人は4百歳で、そうなれば地上に降りるのも自由なんだけど、カリンちゃんはまだ2百歳だから、本当ならこここ居るはずないの。だから、多分だけど事故で落ちちゃったって事になるのかな?」


 なんて理論的な説明!


「つまり、このお嬢ちゃんは、帰りたくても帰れない、家なき娘って所か!」


 うっ、微妙に違うけど、当たってるよ。


「しかし、神人の事なんて、よく知ってるなあ」


 うんうん、それは私も思った!


「私は会った事がないないけど、里の長老が若いころ神人と知り合ってね。その時に色々と教えてもらったそうよ」


 余計なことをしてくれたな、ちょーろ~~~~~~~~っ!


「じゃあ、カリンの嬢ちゃんはこれからどうするつもりなんだ?」


 そのために商隊を待ってたのさっ。


「せっかくだから、色んな所に行こうかと思ってる」


「それじゃあ、よかったらギルド登録して、うちのチームに入らないか?」


 ……は?


「何を言ってるのランティス! カリンちゃんはまだ子供よ。冒険者なんて危険な仕事に誘うなんて!」


 いや、ギルドに行こうとは思ってたけど、入るかは決めてなかったなぁ。


「だが、国を越えるなら、どこかのギルドに入った方が良いだろ?」


 どういうこと?


「どうして、入った方がいいの?」


「ああ、そりゃぁな、普通の人間は国を越えるのに許可がいるんだ。だが、ギルドメンバーなら、その証さえ見せれば許可が無くっても通してもらえるんだ」


 パスポートみたいな物なのかな?


「昔、国が乱立していた時に、民は兵士として必要だったの。それで、勝手に他の国へ逃げ出さないように、出入りの管理はとても厳しかったそうよ。今ではそんなことも無いんだけど、それでも国を出るためには手続きが必要なの。でも、商人や職人、そして冒険者は、仕事の為に他の国へ行くことも多いわ。そのたびに手続きをするのは手間のかかる事だから、ギルドの働きかけで、何かあった時の処理をギルドで行う代わりに、ギルドメンバーとしての身分が保証されていれば、手続きをしなくても通れるようにしてもらったの」


 やっぱり姐さんだ。よく判った!


 理由は判ったけどね。


「ギルドに入るとしても……どうしてチームに入らないといけないの?」


「そんなもん、同時に複数の相手にエンチャントが出来る様なやつを、ほっとく訳がねえだろ?」


 あー、納得。


「だからって、まだこんなに小さい子なのよ」


「ちっこくてもよう。後方でエンチャントとヒールするだけだぜ」


「後ろから奇襲を受けたらどうするのよっ!」


 いやまあ、一応は1人でも戦えるんだけどね。


「それに、この嬢ちゃん。まだなんか隠し玉が有る気がすんだよなぁ」


 おじさん鋭いっ!


「隠し玉とか、あなたの勘だけでしょ!」


「それに2百歳越えてんなら、お前より年上なんだぞ」


「年上でも、こんなに小さくて可愛いのよっ!」


 姐さんがそう言いながら、ひざを着いてわたしを抱きしめた。


 おっと、姐さん。そのポジションはとても弾力のある物が顔に……い、息が……く・る・し・い……








 ふう、天国という名の地獄を見たっ!


 ふわふわのもにゅもにゅで窒息死とか、なんて拷問なんだっ!


 はははっ、どうせ、わたしにはあんなに胸ないよ。


 この体でも、現実でもなっ!




 ……落ち着こう、うん。


 え? チームの勧誘はどうなった?


 カーネリア(商隊のリーダーの人ね)さんが、何かお礼がしたいって来たから、う~や~む~や~。ふふっ、逃げた。


 お礼は、商隊に同行させてもらう事にしました。無料で!


 同行だけだと気がすまないと言うことだったので、ソアラ王国の地図を貰ったよ~ん。


 エンチャントして、ヒールを使っただけで、地図が無料!……うめえっ!


 その貰った地図を見て判ったことが、MEOと同じ所に知ってる街や都はあった。だけど、知らない町や村も多かった。


 まあゲーム内だと、村って3ヶ所位しかなかったしなあ。現実にそんなに少ないはず無いもんねぇ。


 それで確認してみたんだけど、ソアラ王国は大陸の東にあって、ローレル王国がその北西、アコード王国が南西に有るってことは判ったよ。書いてあるんだよ『至ローレル王国』とか『至アコード王国』ってね。


 さらに驚いたことが一つっ! この地図……データブックに登録できた。


 出来たら楽だなぁ、なんて考えながらデータブックを出して、ゲームのときみたいに入力してみたら、出来ちゃった♪


 これで脳内データから見放題だね。だけど実際行ったところ意外は、ちょっと精度が低いんだよね。まあ、この村の周りくらいしか、行ったこと無いけどね。




 商隊の出発は2日後になるって話。


 それまでは、シンシアちゃんとの別れの時を楽しまねば!


 待っててね、シンシアちゃ~ん。




「っくしゅん」


「なんだいシンシア、風邪かい?」


「ううん。なんだか鼻がムズムズして……」


「代わりなんて居ないんだから、気をつけとくれよ」


「は~い」

連続で短くてすいません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ