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妖狩:第二部  作者: 定春
第二部:北編
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EPISODE62「墜落」

風雅は真白と協力し、“律”のメンバーである卑劣なクモ男に勝利。無事学校も術式効果が解け、蜘蛛の巣は消え去り元の芸術学校に戻った。

 

 時は少し遡り8月31日。雷牙たちは術式によって創られた砂漠を経由して北都までの壁を目指していたが、その砂漠の主であり財団HANDの“Dの天使”・マミーが現れ急襲を仕掛けた。さらには“律”のバイク部隊まで現れた。

トレーラーで移動していた雷牙たちは突然の急襲を迎え撃つため戦う。

凱は荷台に設置されていた風雅のバイクを借りて妖狩エージェントたちを撃退することに、トレーラー組はマミーが操る砂の強行突破に試みる。

「たかが車で何ができる!!」

マミーは砂の壁をトレーラーの前に出現させ、トレーラーは激突して停止してしまう。

「やっぱだめか…。」

雷牙はトレーラーからおりて砂漠の砂を踏んだ。その時だ。先程まで車体の傍を泳いでいた砂の鮫、サンドジョーズの背びれが消え、雷牙たちの方に出現したのだ。

サンドジョーズが飛び出してきた所にすぐ反応し、鼻を蹴って撃退した。

「雷牙どうしたの!?」

琥珀は騒動を聞きつけトレーラーをおりた。

「琥珀、砂を踏むな!」「へ?」

琥珀の足が踏んだ砂がザクっという音を立てただけで、再びサンドジョーズが現れた。

「“斥力リパルジョン”!!」

琥珀は“弾く力”を使いサンドジョーズを弾き飛ばした。


琥珀の術式は ー“重力グラビティ”ー 。重力、無重力、引力、斥力、超重力を操る敵に回せば勝つことは難しい能力だ。

「琥珀、おそらくこいつらは砂を踏む音に反応している。トレーラーを囲っていたのは車輪が砂を踏んでいたからだ。」

「でもあいつらのバイクには反応してなかったよ?」

「敵味方の見分けはつけられているようだな。」

琥珀は“無重力ゼログラビティ”を発動して体を無重力状態にしてトレーラーの上に登る。雷牙も無重力を付与してもらい、上に登る。


「奴ら早くも私の術式の仕組みに気づいたようだな…ならば!」


    「座せ!“砂漠の賢者・『スフィンクス』”」


マミーは砂嵐を止め、足元から巨大な砂の像のような体躯の式神『スフィンクス』を顕現させた。

マミーの術式 ー“大砂漠デザート”ー は砂を操り、砂漠などを再現する能力。はっきり言って弱い。


 一方の凱は大剣を振り下ろして砂漠をバイクで駆ける。妖狩エージェントたちが同じバイクで追いかけてくる。凱はその中をあえて方向を変えて突っ込んでいく。

「ターゲットがこちら向けて走行中。迎え撃つ。」

『御意!』

「おらおら倒してみろよ!楽しい祭の始まりだぜ!!」

凱は己の心を満たすため戦いを好み、常に戦いのことを“祭”と称しているほどだ。

敵は四人。手始めに突っ込んできた凱により、一人がバイクを斬られ爆発炎上、さらに走行中に大剣が飛来し、顔を貫通。凱にそのまま首を引き裂かれ残り二人になった。

「弱い、弱すぎるそれでも戦士かてめぇら!!」


式神を召喚したマミーは式神の口から巨大な砂の塊を放つ。

「まかせて!“引力アトラクション”!!」

さすがに斥力では弾き切れないため、物体を引っ張る“引力アトラクション”を使って彼方へ投げ飛ばし、凱が戦っていた残り二人の内の一人にその塊が落ちて潰してしまった。

「しゃ、ラッキー!」

凱は思わず片手でガッツポーズをとった。

マミーは不敵な笑みを浮かべて雷牙たちに忠告する。

「おやおや、車が変ではないかね?」

「何…?」

下を見るとタイヤが砂に沈み込んでいた。流砂だ。奴はどんな場所にでも流砂を作ることができる。

「早くしないと鮫の餌食だぞー?やれ『スフィンクス』!!」

式神は再び砂の塊を放つ。

「“流水ながれ”!!」

突如、龍の顔が砂の塊を消し去った。

「まったく、同じ技使うのは芸が無いっての。」

「龍我!」「リュウちゃん!」

「やっとオレの出番来ましたよ。砂は水に弱いはずだからね…。」

「芸が無いか…ならば、行け『スフィンクス』!!」

式神は咆哮をあげると体の周囲に砂の槍が出現し、さらにサンドジョーズも『スフィンクス』の足元に集合。

「私の全霊力を持って、貴様ら害虫を駆除する!!」

「やってみろよ式神頼りの卑怯野郎!!」

龍我の術式 ー“流水ストリーム”ー は龍を模した水流攻撃を得意としている。

さらに彼の式神『青龍』を“武装アームド”し、体の周囲に5体の水の龍を召喚。

龍我は仲間の中でも八雲兄弟と並ぶLEVEL3という新たな境地に至った一人でもある。


「お前はオレたちと戦うには値しない…もっと強い奴を寄越しやがれ!」

そして『スフィンクス』から大量の攻撃が放たれた。龍我はさらに上回る攻撃を出来るんだぞと言わんばかりの狂気的な笑顔をマミーに見せる。

「“百龍ノ激”!!」

5体の小さな龍から百裂の攻撃が放たれる。

その小さな龍たちはサンドジョーズたちを喰らい、砕き、砂の槍すらも噛み砕いき、マミーを飲み込んだ。

マミーは声すら上げることなく百体(五匹)の龍に飲まれ頭に天使の輪が完成し、爆発四散。砂嵐も同時に散っていった。

エンジェル”は敗北する時に頭に光が出現し、一周して輪が完成した時が死の合図なのだ。

凱も残りの一人をあっという間に片付け、移動組は北都を目指す。


          ー9月10日ー


 風雅と真白は“Eの天使”に遭遇。だが風雅の影からイメチェンを果たした円が登場し、二人を先に行かせたのだ。

“Eの天使”こと人斬り伊蔵は雷牙に倒されたはずだが、刀の破片が残っていれば復活可能とのこと。

「邪魔者はどくがよい!」

「消えろ…邪魔者はお前だ。」

円は一瞬にして伊蔵の懐に潜り込み、ゼロ距離で斬撃を放つ。

「“盈月”!!」

懐で弧を描くような斬撃を繰り出し、伊蔵の胴体を泣き別れにする。だが頭に輪は出来ず再生しようとし、伊蔵は空間をも斬り裂く斬撃を放つが円は空間を刀身でなぞって黒い穴を生み出した。

「“黒穴くろあな”…。」

そして斬撃を全て吸収。

「ここで貴様に質問だ“エンジェル”よ。この“黒穴”、刀に纏えばどうなるか…気にならんか…?」

「そんな下だらぬ質問はどうでも良い、貴様らは厄災殿、財団HANDの敵、叩き切るべし!!」


「連れないな…前の俺もお前と一緒か、あいつらと居るせいで少し可笑しくなったな。」

円の脳裏には仲間の人造人間ホムンクルスたち、

風雅、そして花が団欒している様子が映った。

そして“黒穴”を刀身に纏わせて文字通りの黒刀を作り上げた。

「来い裏切りm…!」

だがすでに伊蔵は首を切られていた。

「無駄だ…刀の破片が残っていれば拙者は幾らでも復活出来る…!」

「そうか、それは残念だったな。俺の“黒穴”は…全てを無に帰す。」

「な…ナ…に゙…あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙!!!」

伊蔵の身体は折り畳まれ、頭上に天使の輪を描きながら黒い穴に吸い込まれしまった。

「これから八雲 風雅たちと合流か…面倒だ。」

こうして二人の天使が地に落ち消え去った。

                EPISODE62「墜落」完


           次回「血盟」

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