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妖狩:第二部  作者: 定春
第二部:北編
3/10

EPISODE58「砂漠」

風雅たちは先に北海道に着き、新たな仲間とウォーゲームを止めるために行動し始めるが、同時刻、別のチームも行動を始めていた。


       ー8月31日 AM11時58分ー


風雅の兄・雷牙たちが率いる二人目の仲間集めチームは東都の山梨県へと向かうが…

「は…?」

雷牙は突然突拍子のない声を出した。暦に印をつけてもらったレーダーから強大な妖力を持った二人目の新顔の反応が消えていたのだ。

「これほどまでに強い妖力を持っているのに…どこ行った…。」

しかし雷牙は気づいていなかった。このレーダーの色は本来何も無ければ緑色の画面、妖力は紫色の点で表されるはずだが、この画面には一面が紫で覆われていた。

そのあまりに巨大な妖力量に雷牙は普通の画面と見間違えていた。琥珀もその画面を覗き、戦慄する

「となると…この北海道を覆ってる紫の円って全部一人の妖力なの…?」

二人目の仲間は北海道に移動していた。ということは本人はすでにウォーゲームの参加者であると位置付けている。

「俺たちも北都に行かなきゃならないのか…だるいけどやるしかねぇ。みんな、至急俺の家に向かうぞ。」


         八雲邸 ガレージ


 雷牙たち元妖狩エージェントは警察が用意した新たな部隊「妖狩エージェント・律」から追われており、八雲邸も包囲され監視対象になっている。

「くそ、あとローン5年あるのに…。」

雷牙はそう嘆きながらも我が家に潜入。影から八雲邸を包囲している妖狩エージェントたちに気づかれぬようにガレージへとみんなを導く。

そしてガレージに到着し、第一の関門であるシャッターにさしかかる。

「気をつけて開けないと音でバレるな。」

雷牙と龍我は非力であり、凱の馬鹿力では一瞬でバレる残った琥珀の重力操作でガレージをそーっと開けていく。

そして2分とかからずガレージを開けることに成功した。

「雷牙先輩、このガレージ何があるんですか?」

龍我の小声の質問に雷牙は暗いガレージの先に指を差して教える。


雷牙は壁にあるスイッチを動かしてガレージの照明を点けた。

「おぉぉ!!(小声)」

「すっげぇ!!(小声)」

凱と龍我、少年の心をいつまでも忘れない男たちは小声で騒いだ。ガレージの中にあるのは黒曜石のような輝きを放つトレーラーだった。

「すっげぇじゃねぇか雷牙、これもう完全にコ◯ボイだろ!」

「え、オプティ◯スじゃないの?」

「今はいいから早く行くわよ!(小声)」

雷牙たちはすぐにトレーラーに乗り込み、雷牙と琥珀が前の座席に乗り、残りの二人は荷台部分である。荷台の中には風雅のバイク「マシン・ストーム」が格納されているのだ。

「お届け屋八雲さん。出発進行だ。」

「ちょっとダサい。」

雷牙はトレーラーのエンジンを掛けた。さすがにこればかりは音量を抑えることは難しく、怪しんだ妖狩エージェントたちがガレージに近づいてくる。

「どどどどうしよう!」

「構わん。轢けば一緒だ。」

冷静なドライブテクニックでトレーラーは閉じたシャッターをぶち破り、監視の妖狩エージェントたちを轢殺しながら市街地へと飛び出す。


「ぎゃああああああああああああああああ!!!何当たり前のように人轢いてんのよ!」

「あいつらは俺と俺の弟たちを裏切って危険な目に合わせた。お兄ちゃんとして当然の報復をしたまでよ。」

「雷牙先輩がそこまでする人だとは…尊敬します!」

「せんでよろしい。」

龍我が少し危ない方向に行きかけたが凱が頭を叩いて正気に戻した。


     ー8月31日 PM14時30分 埼玉県周辺ー


 雷牙たちはトレーラーで北都の壁まで走ることになった。

「ねぇ、壁に着いたら検問とかあるのかな?」

「いや、構わずぶち抜く。」

「それだとすぐ見つかるじゃない!」

「さっきのは嘘だ。不法侵入する方法なら幾らでもある。壁には先人たちが開けた小さな穴がある、そこから入り函館まで電車やバスを使って合流すればいい。」

結構しっかり考えられていた。だが目の前で運転している雷牙はそこから見えた景色に衝撃を受けた。

「何だこれは…!」

雷牙がフロントガラスから見たのは一面砂で覆われた大地。日本本来のバイオームではない砂漠が何故あるのだろうか。

「先輩…ちょっとまずいかも。」

龍我もまた窓から何かを見つけた。琥珀が同じ方向を見た時、一気に顔が青ざめた。

砂の大地に魚の背びれのようなものが隆起し、それらがトレーラーを追いかけるように動いているのだ。

そしてその背びれの持ち主は砂の中から跳ね上がり、トレーラーに衝突を仕掛けてきた。

「ジ◯ン・モーラン!!」

と叫びながら慌ててハンドルを切って回避するも、左側にも同じ生物が砂の中を泳いでおり、そちらも跳ね上がり、衝突を仕掛けてきた。いくら避けても両サイドに謎の生物が泳いでいる。

「よし、奴らをサンドジョーズと名付けよう。」

「悠長なこと言ってる場合ですか!」

さらに追撃は続く。凱も荷台の窓から何かを発見し、皆に知らせる。

「雷牙、後ろからバイクに乗った兄ちゃんたちが接近!!」


凱が見たのは雷牙たちのように黒い装束を纏った若者たちが黒いバイクに乗って砂漠を走っていた。

「パチモン妖狩エージェントか…!」

彼の読み通り迫ってきた五台のバイクに乗っているのは新たな部隊・“妖狩エージェント・律”であった。

おそらくこの広大な砂漠やサンドジョーズは何者かの術式の可能性が大、問題は細かく攻めてくる妖狩エージェントたちだろう。

「雷牙、ちょっと兄弟のバイク借りるぜ!?」

「何をする気だ。」

「ちょっとあいつらにお仕置きよ。」

凱は腕に着けた銀色のリストバンドを触って妖狩エージェントたちが着る特殊防護服を装着し、自身の武器である大剣を握り、風雅のバイクに跨る。

雷牙は運転席にあるボタンを押して、荷台の扉を開ける。

「石動 凱、いっきまーす!」「はよ行け。」

龍我はバイクを無理やり押して凱を外に放り出した。

「てめぇぇぇぇぇ!!!」

          

           ガシャン


すぐに扉を閉まった。

「あのサンドジョーズはどうすりゃいいんだ…。」

その時だ。雷牙の目の前で砂の竜巻が発生し、その中から何者かが現れた。全身を包帯で巻いた古代エジプトの王族のような風貌で蛇の付いた杖を持った男が現れた。

「我こそは、この世の砂を操るもの、ファr…あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!!」

ファラ何とかが自己紹介を終える前にトレーラーで轢かれてしまった。

「無視無視。」

「貴様ぁ゙!!人の名前は最後まで聞けと親から教わらなかったのか!」

轢かれた王族風の男は下半身を砂に変えてトレーラーのフロントガラスにへばりついてきた。

「どうでもいい奴は覚えなくて良いのよと母様から言われたような言われてなかったような…。」

「どっちじゃ!私の名はマミー・ザ・ファラオ!財団HANDが誇る26人の“エンジェル”の一人、“Dの天使”だ!!」

                EPISODE58「砂漠」完      


          次回「雪童」

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