俺も一緒に戦おう、いや、戦わせてください泣
ぜひ、感想、レビューよろしくお願いします!
重苦しい空気の中、橘さんの電話の着信が鳴り響く。
「あ!すみません、対魔物機関から着信が来ました……。一旦お外に出ますね……。」
橘さんがドタバタと音を立てながら玄関を飛び出す。そういえば、俺のことは話したが、彼女のことはあんまし聞いてないな。戻ったら彼女のことを聞いてみるか。
「ええええええぇえぇえぇええ!!!!!!!」
びっっっくりしたわっ!外で橘さんが大声出してる。職場でなんかあったのか?もしかしてまた魔人が現れたのか?
おっ、橘さんが戻ってきた。なんか驚愕と絶望を足して2で割った表情してる。なんだ?俺の顔をめちゃくちゃ凝視してる。
「……え……に……ち……ました。」
なんか喋っているが、か細すぎて何も聴こえない。
「え?ごめん、もう一度頼む。」
「A゛ラ゛ン゛ク゛に゛な゛っ゛ちゃ゛い゛ま゛じだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
うお、うるさ。橘さんってこんなデカイ声出せるんだな。
「Aランクって何のだ?」
「魔法少女のランクです……。」
そういえば魔法少女は順位性だったな。D、C、B、Aの順で位が高く、Aランクはたしか魔法少女の中でもトップクラスの実力を保有している。BとAのランクでは、実力が倍以上異なると言われてるとか。Aランクの魔法少女は、一生涯では使えきれないほどの財を得られるときく。とってもすごい存在だ。
「そうか、良かったな!」
「良くないですよ!
Aランクになると、目立っちゃうし、今まで以上に強い魔物や魔人と戦わされちゃうし、何より……
Aランクになると、自分が死ぬか、他の魔法少女に順位を抜かされてランク降格するかしないと、自分の意思での魔法少女引退ができなくなるんです!」
すごいことを聞いた。Aランクになると、自分の意思で魔法少女を辞めれなくなるのか。国も結構えげつないことするなぁ。
「それはキツいな。でも何でAランクに昇格しちまったんだ?フツーに任務こなしてるだけじゃ、最高ランクに到達しないんじゃないのか?」
「………………それは、、、
私が万手殺のバルカンを倒したことになっているからです……。
機関は、今回の功績を評価して、前のランクのCから飛んでAランクに昇格したと考えられます、たぶん、いや、絶対。
上がってもBランク上位くらいとは見積もってましたが、飛んでAランクになるとは思わなかったです。」
「」
俺のせいだ。
「どうしよう……。Cランクをずっと維持して、目標額まで貯金したら、引退してひっそりと平穏に暮らす計画が………………。」
俺が自身の秘密を守るために、彼女をさらに危険な状況にさせてしまっている。
この責任は、俺が取らねばならない。
「すまない、橘さん。俺が魔人討伐の功績を橘さんに押しつけてしまったばっかりに。
橘さんがよければなんだが、俺も一緒に戦おう。いや、戦わせてください。」
「!いえいえ、私の見積もりが甘かったのが悪いですから、頭を上げてください!!
それに、誠さんはとってもお強い方で、気持ちは嬉しいのですが、一般人です。魔法少女が守らなければいけない対象です。
だから、その、大丈夫です、よ。」
そう述べる彼女には、覇気が無く、辛そうであった。この先が地獄そのものであることは確かだからだ。
俺は、橘さんに笑顔でいて欲しい。俺をヒーローと言ってくれた女性だ。笑顔で、彼女らしく生きていて欲しい。
戦う理由ができた。俺の夢を実現するときがきた。
「………………俺の夢だったんです。
誰かのために戦うってことが。
俺をヒーローだと言ってくれたキミが、今、俺のせいでより過酷な状況に立たされようとしている。
ならば、俺の拳は、キミを守るために振るうのは必然だ!俺は、そのために鍛えてきた、努力をしてきた。
キミがこれから歩む道のりがどんなに痛くて怖くても、俺が隣で歩もう。少しでもキミが安らげるように!」
本心だった。責任を感じてることも、夢を実現できる良い機会だということも。そして、君を守りたいということも。
しかし、やや熱く語りすぎてしまった。まるで、これは告白ではないか。今更ながら気付く。顔が熱くなってきた。彼女の方を確認すると、赤面している。ヤバい、弁明しなくては。
「すまん!告白とかではないから安心してくれ!!
ただ、君を守りたいということが伝わって欲しくて……」
「わ、わかってまひたよ!だ、大丈夫でひゅ、です!」
全身が熱いよぉ。誠さんが過酷な道でも共に歩んでくれるって言ってくれた。告白ではないのは分かってたけども。とっても嬉しい。
初めてだよ。男の人が魔法少女に守るって言ってくれたのは。過酷な道でも共に歩むと言ってくれたのは。現代では、そんな言葉、小説やドラマでも聞かないよ。
本当に、本当に、誠さんって人は……
「前時代な男の人、ですね。」
心の底から思う。貴方に会えて良かった。魔法少女であることが嫌だったのに、貴方に会えただけで魔法少女で良かったと思えた。
お言葉に甘えちゃおう。
「その、誠さんの提案、受けます…。
私を守ってくださいね。私も、貴方を守ります。」
今だけ、ランク降格はずっと先になって欲しいなと思えた。
「あ、そういえば、近い日にAランクの魔法少女たちの集会があるんでした。
私ひとりだと心細いので、誠さんも来ていただけませんか?」
「それは別にいいんだが……
一般人の俺が格式高いAランクの集会に参加していいものなのか?」
絶対俺場違いだろ。だけど、国最高位の魔法少女たちと会うんだ、そりゃ誰でも緊張するよな。
「それなら良い考えがあります!」
「私の異能は、私がトドメを刺した魔物、魔人を隷属させることができるんです!
まぁ、魔人バルカンとの戦いで、隷属させてた魔物すべて消し炭にされたのですが……。」
「なるほど、じゃあ俺が魔物か魔人に変装すりゃあいいってことだな!」
「そうです!誠さんには、私が隷属させた魔人になってもらいます!変装アイテムはこちらで用意させていただきますね!」
「あぁ、ありがとう。よろしく頼む。」
こうして、魔纏式護身術を扱う男、前田誠と白銀の魔法少女、橘雪の物語の幕が開けた。
橘 雪の異能 「支配」
自身がトドメを刺した相手(魔物、魔人だけでなく、人間や動物も対象となる)を隷属化させる。支配できる数は、本人の魔力量によって決まる。




