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第3話:未来を切り拓く覚醒者たち

 ネクサスシティ――かつて科学技術の粋を集めて築かれたこの都市は、人類の未来を担う希望の象徴だった。


 しかし、その繁栄の裏には、ある禁忌(きんき)の研究が存在した。


 それは、「シグナル・コード」と呼ばれる、人間の感情や精神に干渉する未知のエネルギーの研究だった。



 実験は失敗し、制御不能となったシグナル・コードが街中に拡散。


 人々は感情を失い、街は活気を失った。


 そして、その力を求める者たち、「コード・ハンター」が現れた。


 彼らは、シグナル・コードを悪用し、世界を支配しようと暗躍している。



 だが、希望は失われていなかった。


 シグナル・コードには、人々の感情を回復させ、世界を再生させる力も秘められていた。


 そして、その力を覚醒させた少女、ハルカ・アオバが現れた。


 彼女は「共鳴」のコードを操り、人々の心に再び感情の灯をともし始めた。



 ハルカは、新たな仲間たちと共に、コード・ハンターの野望を阻止し、ネクサスシティ、そして世界に真の平和と希望を取り戻すために立ち上がる。


 彼女たちの冒険は、まだ始まったばかりだ。



 彼女は、共鳴の力を使い、人々の心に希望と感情を取り戻せるのか。


 そして、この美しい街に隠された闇を解き明かすことができるのか。


 希望を胸に、ハルカは未来へと続く道を歩み始めた。


 ハルカの声は、力強く街中に響き渡った。


「私は、この力で世界を救ってみせる!


 もう誰も、孤独や絶望で苦しむことはない。


 この街を、この世界を、私が変えてみせる!」


 その瞬間、ネクサスシティの冷たい風が、ハルカの青い髪を優しく撫でた。


 彼女の瞳には、まるで夜空に瞬く星々のように、力強い輝きが宿っていた。


 彼女は、かつての孤独な少女ではなく、未来をその手に掴もうとする、希望に満ちた戦士へと変貌を遂げていた。



 その時、一人の少女がハルカに駆け寄ってきた。


 明るい金髪をなびかせ、カラフルなアクセサリーを身につけた、元気いっぱいの少女だ。


 まるで、モノクロの世界に飛び込んできた一筋の虹のようだった。


「ねえねえ、今のすごかったね! あなた、もしかしてシグナル・コードの覚醒者?」


 少女は目を輝かせながら、ハルカに話しかけた。


 その瞳は、好奇心と希望に満ち溢れていた。



「え、あ、うん…そうみたい」


 ハルカは少し戸惑いながらも、少女の屈託のない笑顔に、自然と笑みがこぼれた。


 それは、まるで固く閉ざされていた心の扉が、ゆっくりと開かれていくような感覚だった。



「あたしはアイリ・カドマツ! あなたの名前は?」



「私はハルカ・アオバ。よろしくね、アイリ」



 二人の少女は、こうして運命的な出会いを果たした。


 アイリは、ハルカの力に興味津々で、矢継ぎ早に質問を投げかけてくる。


「ねえねえ、その力ってさ、どんな感じなわけ?


 何かすごいことできるっしょ?


 もしかして、あたしの秘密も分かっちゃうとか?」


 彼女は目を輝かせ、まるで謎解き小説の主人公のように、ハルカのことを見つめていた。



 ハルカは、少し戸惑いながらも、自分の身に起きた出来事をアイリに話した。


「シグナル・コード?


 コード・ハンター?


 それって、もしかしてこの街の秘密と関係あるんじゃないかな?」



 アイリの目は、まるで名探偵が事件の核心に迫る時のような鋭い光を放っていた。


 彼女は手帳を取り出し、ハルカの言葉を一言一句逃さず書き留めながら、推理を始めた。


「感情が失われた街、謎の組織、そして突然現れた能力者…これは、間違いなく大事件の予感だよね!」



 ハルカは、アイリの言葉にハッとした。


 確かに、ネクサスシティの人々が無表情になったことと、シグナル・コードには何か繋がりがあるのかもしれない。


「私も、この街には何かおかしいところがあると思ってたんだ。


 だって、こんなに無機質な街、変だもん。


 それに、最近、奇妙な噂もよく聞くし…」



 アイリは、ハルカの肩を抱きながら、真剣な表情で語り始めた。


「例えば、夜中に謎の光を見たとか、誰かが突然消えたとか…もしかしたら、コード・ハンターの仕業なのかも」



「でも、ちょっと待ってよ、アイリ」


 ハルカは困ったように笑った。


「謎の光って、もしかして私がコード・ハンターと戦った時の光のこと?


 それに、誰かが消えたって…まさか、レンジのことじゃないよね?


 彼はただ…ちょっと用事があって…」


 ハルカは言葉を濁し、頬を赤らめた。


 コード・ハンターは、一体何を企んでいるのだろうか。

 

 そして、レンジはなぜ姿を消したのか。


 彼の口にした「重大な秘密」とは?



 その時、二人の前に、筋肉隆々の青年が現れた。


 彼はスポーツウェアを着ており、自信に満ちた表情でハルカたちを見つめていた。


「君たちが、シグナル・コードの覚醒者か?」


 青年の声は、力強く、周囲に響き渡った。


「俺の名前はカイル・マツモト。君たちと一緒に、コード・ハンターと戦うぜ!」


 カイルは、拳を握りしめ、まるで地球を割らんばかりの勢いで力強く宣言した。


 その瞬間、彼の拳がかすかに光を放ち、周囲の空気が一瞬震えた。


 ハルカとアイリは、彼の言葉に驚きながらも、心強い仲間を得たことを喜んだ。



 アイリは、実は以前からハルカのことを遠くから観察していた。


 ハルカの孤独な姿に、自分自身の過去を重ね合わせていたのだ。


 幼い頃から家族と離れて暮らすことが多く、孤独を感じていたアイリは、ハルカの中にも同じ寂しさを見て取った。


 そして、ハルカが力を解放した瞬間、彼女は激しい憎悪と、同時にかすかな希望を感じた。


 もしかしたら、この少女が、この世界を変えてくれるかもしれない…。


 そんな期待を胸に、アイリはハルカへと駆け寄ったのだった。



 カイルは、コード・ハンターによって傷つけられた人々を救うために戦っていた。


 かつて自らの力を過信し、親友を傷つけた経験を持つ彼は、その償いのために、そして二度と誰かを傷つけないために、コード・ハンターとの戦いに身を投じていた。


 ある日、コード・ハンターのアジトを襲撃した際、彼はハルカの力の覚醒を感知したのだ。


 カイル自身もまた、「フォース・コード」と呼ばれる、物理的な力を増幅させるシグナル・コードの持ち主だった。


 アジトに仕掛けられた罠を、強大な力で突破した際に、ハルカの力の波動を感じ取ったのだ。


 それは、彼にとって新たな希望の光だった。


 希望を胸に、カイルはハルカたちのもとへと急いだのだ。



「よし、これでチーム結成だな!」


 カイルがガッツポーズをしながら宣言した。


「俺たち最強トリオで、コード・ハンターをぶっ飛ばすぜ!」



 アイリが目を輝かせながら、「いいね、いいね! 最強トリオ…響きもいいし、なんかワクワクするっしょ!」と同意した。



 ハルカは、二人の勢いに圧倒されながらも、どこか安心したような表情を浮かべた。


「私も…頑張るよ。でも、私、運動神経あんまり良くないんだ…」



 カイルが豪快に笑い飛ばした。


「心配するな! 俺が守ってやるから、ハルカは安心して力を解放しろ!」



 アイリも笑顔で頷いた。


「そうだよ、ハルカ。あたしたち三人なら、きっと何でもできるよね!」



 夕日がネクサスシティの高層ビル群を茜色に染め、三人の影を長く伸ばす。


 ハルカは、新たな仲間たちと共に、希望に満ちた未来へと続く道を歩み始めた。

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