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あべこべ世界でも純愛したい  作者: ひらめき
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マックにて①

side.城春

―――――――――――――――――――――――


マックにつき、私はチーズバーガーセット。不木崎はビッグバーガーセットを頼んだ。

おっきいの食べるんだね…。ここでも男の子を感じて興奮してしまう。

私の性癖は今までにない速度で作られていく。罪深い男め。


「ねぇふっきー」


「なんだ?ポテトは上げないぞ。自分でナゲットを選んだんだろ」


「あぁ、うん」


「何で普通に人のポテト食べるの?」


「ほら、こっちあげるから」


「いや、ナゲット全部ひとかじりするってどんな食べ方だよ。まぁもらうけど」


そう言いながら不木崎は私のかじりたてナゲットを口に放り込む。


「……」


ねぇ!!ねえ!これもう私のこと好きなんじゃないの!?普通女の食べかけのナゲット食べる?食べないよね?好きなんだよね!?(錯乱)


落ち着いたところで私は目的を思い出す。

そうだ、惚れさせるのだ。今は完全にぐっちゃぐちゃのびっちょびちょにされている私だが、まだ挽回の余地はある。あるはず。

とりあえず、ゴールデンウィークだ。ここで他の女子と差をつけるしかない。


やっぱナゲットとポテト合うよなーと朗らかに笑う全身性器野郎を見ながら、私はゴールデンウィークの中間くらいにいく美術展のことを思い出した。私の好きな小説家池田華の生涯をテーマにした展示会だ。この読書友達欠乏症の不木崎なら飛びつくに違いない。頼む飛びついてくれ。



「ふっきーゴールデンウィーク暇?」


「うーん、暇だなぁ。あ、でも明後日は出かけるわ」


「あー。近くの美術館で池田華展があるから一緒いこかなって思ったんだけど」


「え!?城も行くの?それそれ俺の明後日の予定もそれ!先言えよコノヤロウ!行こうぜ!」


まさか不木崎も行くとは思わなかったが、予定通り。見ろ、見えないしっぽがぶるんぶるん振られてる様が見て取れる。

歓喜の表情を隠そうともしない。ほんとすき。


それからしばらく談笑して、飲み物もラストスパートへ差し掛かっていた。


そろそろ連絡先を交換したい。だってほら、明後日のこともあるし?てかLINEしたいし?

ただ、苦節16年生きてきて私は一度も男にLINEを聞いたことがない。なんならこうやってまともに雑談したこともないのだ。神は一体私にどれほどの試練を与えようというのだ。


「あ、そうだ。城のLINE知らないや。交換しよ」


思い出したかのように不木崎はスマホを取り出しQRコードを見せてきた。


見透かされたように急にきたので、私の体はみっともなくビクッと跳ねた。

え、こいつヤリチン?何今のスムーズな感じ。嫌味ないし急にくるしさりげないし。

心臓いくつあってもたりないんだけど。


「いいよー」


本当なら土下座しながら読み取らなければならないものである。しかし今回は惚れさせることが目的。私はあえて、何でもない感じを装いつつQRを読み取った。がっつくなよ私…。


不木崎のLINEアイコンを見ると青々とした山の写真だった。なぜ山。

ちなみに私はお母さんに取ってもらった夕日をバックにイイ感じの逆光が入ってる引きの写真だ。(写真目線ではない)

…にしても。


「何で山なの?」

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