透夜、謁見する
なんか読み返したら色々凄いことになってました。修正してきます。
僕はまた気絶していたようだ。そしてまたベッドに寝かされている。ていうかここは本当にどこなんろう。
そして僕は廊下で嘔吐したはずだ。なぜ、、、
服が変わっていた。きっと汚かったからだろうが何故このチョイス?執事服みたいだ。あの人たちの趣味だろうか。
とりあえず、状況を確認しなければならない。幾分か冷静になれたし、さっきよりも絶望してない。むしろ吐いて少しスッキリした。
ベッドから起き上が、、、ろうとするが激しい頭痛が襲い、それは叶わなかった。思わず顔を歪める。
「んむぅ」
少しかすれ気味な声がして、その方向を見ればベッドにうつ伏せになっているさっきの女性がいた。
「ねぇ。」
声をかけてみるが起きない。ノンレム睡眠と言うやつだろうか?熟睡してる。
そんなどうでもいいことを考えてると、彼女の紺碧の宝石のような目がパチリと開いた。何度かぱちぱちと瞬きをしてからハッとしたようにこちらを見た。
「起きましたか!?ふぅ、良かった。無事でよかったです。・・・しばらく安静にしておいて下さいね!分かりました?」
「は、はい。」
彼女は安堵したような顔を見せたが、ジト目でしっかり釘を刺された。
別にそんなふうにまくし立てるように言わなくてもいいじゃないか。
「そうそう、元気になったらお父様に謁見することになりましたので、そうですね。明日の朝10時頃に謁見の間に来てください。」
えっけん、、、?謁見ってあれだよね。王様とかに跪いて「勿体なきお言葉。」的なやつだよね。・・・僕が?
「なんで僕が?」
「・・・なんでもです。」
こういうのもあれだかバイトをしてなかった頃は勉強するかラノベを読むかの超絶偏った生活をしていた。ゲーム?持ってないわけではなかったが、PX2だよ?ろくに動かなかったよ。
そうしてコミュ障の僕と初対面の彼女の会話が弾む訳もなく、なんとなく気まずい雰囲気が流れていた。
まずい、なんとかしなければ、、、
「あの!な、名前!名前なんて言うの!」
彼女の名前を知らないことを思い出した。そうだ!名前を聞けばいい!
何故この時の僕は名前なんて聞いたのだろう。エリアの名乗っていた時を思い出して欲しい。
なんと言っていた?「王族近衛騎士団団長」。つまりは王族。故に帰ってきた答えも、、、
「ラトア王国第二王女カエデです。貴方は?」
へぇ〜王女。なるほど。そうかあ〜。王女かぁ〜。
・・・NA N DE!?
「ふぇ!?お、王女様だったです!?」
「喋り方が変になってますよ?それであなたの名前は?」
無視する方向なのね。なるほど。
「・・・透夜です。」
思わずたじろいでしまった。だって仕方が無いだろう。だって王様の娘だよ!?あ、でもこれから謁見で王様に会うんだよね・・・心臓もってくれるなぁ・・・・・・・。
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ううん、やっぱり緊張するよぉ、、、。心臓はバックバックで汗も止まらない。ううう、胃がキリキリする。
「お入りください。」
「は、はい!」
謁見の間にはたくさんの騎士っぽい人がずらりと並んでいた。そして大きな椅子の隣にはカエデ様(?)と少し背の高いカエデ様の姉(?)がいた。そしてその大きな椅子に座っているのが王様だろう。
ていうかそうに違いない。眉間には刻み込まれたように深い皺が。口元には立派な髭が。そして何よりオーラが。威圧感的なものが凄い。
僕は謁見のルールを知らないので、前世で読んだラノベの挿絵みたいに跪いた。
「よいよい。楽にせんか。旅人よ。」
ありがたいことに楽にしていいそうなので跪くのはやめさせてもらう。
「ありがとうございます。」
「・・・お主、エリアやカエデの聞くところによると死のうとしていたそうじゃな。」
「・・・ええ。」
「理由は言えぬか。」
正直に言うと僕は言いたくはない。でも命の恩人に隠し事なんてしたくない。カエデ様に救われた。だから僕はそれを素直に恩返ししたい。だから、秘密なんて作る訳にはいかない。やっぱり僕は馬鹿正直みたいだ。
「カエデ様と陛下のみになら伝えることはできます。正直僕、、、私は言いたくはございません。ですが、命の恩人に恩を仇では返したくはございませんので、聞いてくださいませんか?」
「正直なやつだ。あとで応接室にくるが良い。」
王様は微笑んだ。応接室ってどこだろう。カエデ様に聞いて見ればわかるよね。聞いてみよ。
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「ようやく来たか。遅かったでは無いか。カエデとナニをしておった。」
「えっ!?急いできたつもりなのですが、、、」
「お父様、からかわないでください。私達はまだそういう関係ではないですよ。」
「カカカッ!ならばその時を楽しみに待っておこう。早死は出来ぬな!」
さっきまではあんなに威厳たっぷりだったのに今は父親、、、というよりも、好々爺というほうがいいかもしれない。
「ちなみに陛下はお幾つですか?」
「む?よく老けていると言われるがまだ32歳だぞ?」
え?どうみたって40代後半なのにおかしいなぁ。上位職につくとみんな老けていくのかな。
「、、、お主、失礼なこと考えておらぬか?」
「いえ、決してそのようなことは。」
「、、、まあ良い。聞かせてくれ。主が自害しようと思ったきっかけを。」
最初は少し躊躇していたが、ゆっくりと僕は語り出した。
何分、執筆自体初めてなのでいろいろと感想等で教えて頂けたら幸いです