自殺、そして転生
死ぬとか殺すとかいっぱい出てきます。
僕は死んだかと思った。でも生きてた。いや、死んだのかもしれない。でも、目を瞑っていれば聞こえるこの胸元の鼓動はどう説明しよう。陽菜がNTRれて、それで自分の生きる意味が見つからなくて、絶望した。親はずっと前に死んでいて慰めてくれたのも陽菜だった。もう、陽菜は僕の恋人じゃなくなってた。別の人の彼女になってた。大好きと言ってくれて、励ましてくれたあの時の陽菜はもう居なかった。
「グガッ!ギギガッ!!ギギャッ!」
なにか人型のモノが近づいてくる。もういい。なにもしないでくれ。放っておいてくれ。何もしたくない。1人にしてくれ。
「ふっ!大丈夫ですか?そこの貴方。わたしは王族近衛騎士団団長のエリアです。貴方は?」
誰だ。僕はもう死にたいんだ。話しかけないでくれ。
「放っておいてくれ。僕は死ぬんだ。生きたくなんて無い。」
「あー、はいはい。そういうめんどくさいタイプね。ちょっと失礼するわよっ!」
なんだ?と思ったら体が持ち上げられた。そうか。僕を拷問して挙句の果てに残酷な殺し方をするんだろう。好きな人1人も幸せにできないような甲斐性なしの僕だし仕方がない。
「カエデ様。この者どうしましょうか。」
「ム、、、私に任せてちょうだい。」
「、、、ええ。ではいつでもお呼びください。」
「わかったわ!」
なんだ。頭が寝かせられ、暖かく柔らかい感触が伝わる。
「何があったのかわからないけど、辛い時は言ってくださいね。」
僕の意識は深く奥底へ沈んで行った。
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目覚めた時には何故かベッドで寝かされていた。それも洋風の宮殿のような一室に。ふんわりと甘い匂いが漂ってきて頭が痺れるみたいにクラクラする。
「目覚めましたか!?」
知らない美少女が近寄ってくる。、、、と同時に頭を抱きしめられた。
「怖かったですね。死に際の恐怖ほど怖いものはありません。今日は甘えてくださいね。」
何を言っているのだろうか。この少女は。
「僕は死ぬんだ。生きる希望も理由も何も無い。あるのは絶望だけだ。死なせてくれ。」
「私はあなたを死なせません。」
「何故だ。」
「あなたのことが好きだからです。」
「は?」
ちょっと何を言っているかわからなかった。きっと聞き間違いだろう。
「なんて?」
「あなたが好きなんです。」
聞き間違いではなかった。でも、好きって言葉は、口だけならなんとでも言える。
人間がどれだけ心のうちに黒い欲望を渦巻かせているか。それを知ってしまったが故、人間特に女を信じることは出来なかった。
「信用ならん。女の好きはもう聞きあきた。あいつもかつて僕に言い続けてきたが、所詮、、、」
言いかけたところで、本能が拒否反応を起こしたのか吐き気がこみ上げてくる。ベッドから飛び降りて、ダッシュでトイレを探す。しかし間に合わず、廊下で吐いてしまった。
「ぅおぅえ、ゲホッカハッ。ウォウエエ、、、」
そのまま吐き続け、意識は暗転した。
短めでごめんね!
ココガキサマノハカバダー!