雨音~あまね~
あの雨の日
感覚が研ぎ澄まされて
あなたを感じた
哀しみを抱え
そしてあたたかい
あなたを感じた
きっとずっと前から
あなたのことを知っていたのに
気付かなくてごめんね
哀しみも喜びも
怒りも苦しみも
楽しさも全てあなたと感じた
あなたを知って
生きることを知った
桜が散り、春が過ぎた。ゴールデンウィークも明け、五月病もそろそろ終わりかなと思える頃。
私は大学二年生の清水美織。丁度、二十歳になったばかりだ。
大学に入ってから一年が過ぎ、そろそろ大学生活にも慣れてきた。バイトも大学の近くにあるピザ屋でしている。先輩たちも楽しくて親切な人ばかりだ。とっても充実している青春、真っ只中!と言いたいところだけど、何か物足りない。物足りない・・・?と言うか、なんだか空虚だ。空虚なんて言葉を使うと大袈裟に聞こえるかもしれないが、本当にそうだから仕方ない。でも、これは今に始まったことじゃない。そう、今に始まったことじゃないんだ。




