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現実でレベ上げしてみたら、、、。  作者: 健ちゃん
第2章 ダンジョン編
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第68話 再開?

 蒼は煌の部屋の前にやってきた。


「おい。入るぞ!」


 カチャッ!


 蒼は扉を開け中に入った。


「おーい。起きろー。」


 蒼が中に入ると煌が机に寄りかかって寝ていた。


「ギルドマスター様はいいご身分だな!俺はダンジョンに仕事しに行ったっていうのに。起きないと悪戯しちゃうぞ〜?」


 蒼は煌の肩を揺らしながら言った。


「っん。ん?おはよう。私はどうやら眠っていたようだね。起こしてくれてありがとう。流石に4徹はきつかったようだね。仕事のし過ぎは良くないね。」


 煌はパチリと目を覚まして言った。


「4徹はやめい!お前も女性なら徹夜は控えろよ!貰い手がいなくなるぞ?それよりもドライアドの実取ってきたぞ!何個必要なんだ?」


 蒼は煌にチョップを軽くあててから言った。


「ああ、2個あれば充分なんだけど?あれ?私が女ってこといつ教えたっけ?」


 煌は人差し指を頰にあて考えた。


「最初見た時から男装してる女性だなって思ってたんだけど?俺は観察眼がすごいからな!えっへん。」


 蒼は鼻を高くして言った。


「そうなのかい?私もまだまだってことだね。男装している理由はね、私の両親が私に男として生きろって言って昔から男装させてたからなんだ。

 私以外に男児が産まれなかったから私を男として育て家を継がせるためにね。」


 煌は昔を思い出しながら言った。


「そういうのって現代にまだあったんだな?まぁドンマイ!それよりホイッ!ドライアドの実2個」


 蒼はあらかじめ用意していた袋からドライアドの実2個を取り出して渡した。


「あぁ、ありがとう。お礼の件は今からでもどうだい?ドライアドの実を今から私の知り合いの女の子の所に持ってくんだけど?来るかい?」

「ならついてくぜ!」

「じゃあ行こっか!」


 煌はイスから立ち上がりダンジョン協会の外に出てタクシーを呼んだ。


 蒼は煌の後ろについて行きタクシーで移動した。


 〜数十分後〜

 蒼と煌はタクシーを降り大きな屋敷の前に立った。


「ここがあの子の家だよ。」

「ワァオ。お金持ちの家じゃん。デケェー。」


 蒼は口を開けアホヅラをさらす。


「もしもし煌だけど入っていいかい?」


 煌は門にあるインターホンをおして言った。


「深月様ですね。今日は何用ですか?」


 誰かの声が聞こえてきた。


「ドライアドの実を持ってきたよ。あの子を治すためのね。通してくれないかい?」

「本当ですか!今開けます!入ってきてください!」


 誰かの声が聞こえて門が開いた。


「じゃ行こっか?」


 煌は門を通りスタスタと歩いて行く。


「おう。」


 蒼は煌について行く。


「お待ちしておりました、深月様。今、お嬢様は寝室で横になっております。こちらです。」


 高齢の執事さんが現れて蒼と煌を案内する。


「お嬢様のこと…どうかよろしくお願いします。」


 執事さんは直角に腰を曲げて言った。


「任せてね!」

「では私は戻りますので。失礼いたします。」


 執事さんは廊下を歩いて行った。


「じゃ行くよ。…入るよー。」

「どうぞ。」


 煌は扉を開けて蒼と共に入っていった。


 蒼が中で見たのは右手と左足がない女の子がベッドで横になっている姿だった。


 あれなんか内藤に似てるな?


「煌さん、お久しぶりですね。あれ?熊井くんがなんでここにいるの?」


 女の子が体を起こし蒼と煌を見た。


「えっ、今なんて?俺のこと熊井くんって言わなかったか?初めて会ったと思うんだけど?」


 俺にこんな可愛い子の知り合いなんていないんですが?いたらお持ち帰りです〜!まぁできんけど。


「いやいや何でもないよ!それより急にどうしたの?煌さん。何かあったっけ?」


 女の子は左手を振って言った。


「それはだね。君の手足を治すアイテムをこちらの蒼くんが取ってきてくれたんだよ。だからね、今からこの実を飲んでくれないかい?」


 煌は懐から蒼の渡したドライアドの実を2個取り出して女の子に見せた。


「僕のために?ありがとう!」


 女の子は蒼を見て笑顔でお礼を言った。


「いや、別に良いぜ!可愛い女の子のためなら俺は何でもするから!気にすんなって!」

「か、可愛い!僕が?ホントに!」


 女の子は自分を指差す。


「おお可愛い可愛い。可愛すぎてお持ち帰りしたくなるぐらいだ!周りがさせてくれなそうだけど…。」

「嬉しいなぁ。じゃあ僕をお持ち帰りして?」


 女の子は上目遣いで蒼を見て言った。


「お、おま!そんな簡単にお持ち帰りしてとか言うと本気になっちまうぞー?ガオォォォォー?」


 ヘタレ野郎には効果抜群!


「熊井くんなら僕はいいよ?そろそろ気づかない?」

「ん?まさか!その喋り方で俺のこと知ってるやつといえば?…内藤か!あれ?でも内藤は男だよな?」


 蒼は内藤を思い出し首を傾けた。


「正解!僕は内藤 冬夜。君の隣の席のね!僕は女の子だったんだけどね。ある日呪いをかけられて男の子になったんだ。

 調べると太陽の光を浴びると男の子になることが分かってね。家の中ぐらいでは女の子でいたくてカーテンを閉めてるけど。」


 冬夜はカーテンを見る。


「呪いかぁー。一応なくせる可能性あるけど手足治ったらやってみる?可能性だけどね?」

「えっ、できるの?おねがいしていい?」


 冬夜は心底驚いた。


「もちろん。内藤は俺の大事な奴だからな!」


 蒼は笑顔で言った。


「だ、大事な奴ってことは。あわわ。」


 冬夜は頭から煙を出している。故障したようだ。


「ちょっ、大事な奴ってのはなお前を親友に思ってるってことだからな!お前がいいならそれ以上になってもいいけどさ。」


 蒼は頰を赤らめながら言った。


「ふぇぇぇぇぇぇ!」


 冬夜は頭からもっと煙を出した。さらに故障したようだ。


「恥ずかしいこと言わせんなよ。」


 蒼は頰をかきながら言った。


「おおーおあついね。2人とも。私の前でイチャイチャされても困るんだけど?」


 煌がいい雰囲気をぶち破った。後少しだったのに!


「ごめん。」

「ごめんなさい。」


 蒼と冬夜は煌に頭を下げた。


「ほら早く飲んでみて?」


 煌は冬夜にドライアドの実を2個渡した。


「じゃあ、貰いますね?ゴクッ!」


 冬夜はドライアドの実を飲んだ。そしたら…


「「ギャァァ!目がぁァァァ!」」


 冬夜がバ○スの呪文を唱えた。


 蒼と煌には効果抜群だ!


「だ、大丈夫ですか?なんか手と足がむず痒いんですけど?うわっ、生え始めてきた!」


 冬夜の右手と左足が少しずつ再生していった。


 蒼と煌の目が治った頃には冬夜は全快した。


「な、治った!やったこれでまた学校に行ける!熊井くんに会える!うわーい!」


 冬夜はベッドから出て手足を動かし笑顔で笑った。


「「微笑ましいっ!」」


 蒼と煌は息ピッタリで言って、口に手を添えた。


 冬夜は疲れるまで走りまわった。


 〜数十分後〜

 冬夜は気が済み、ベッドに座った。


「呪いをなくす準備していいか?」

「いいよ!手足が治って呪いまでなくなるなんて今日はなんていい日なんだ!熊井くんにも会えたし…。」


 冬夜は顔を少し赤く染めた。


「なくなるのは可能性であり絶対じゃないんだからそこまで喜ばれてもあれなんだけど。」

「あっ、ごめん。熊井くん…お願いします。」


 冬夜は頭を軽く下げた。


「おう。任されたぜ!」


 蒼は回聖魔法Ⅳのエクストラヒールをため始めた。


 〜3分後〜

 よし。たまったぞ!いくぜ!


「聖エクストラヒール!」


 蒼は回聖魔法Ⅳの聖エクストラヒールを使った。


「これでとけたの?」


 冬夜は少しだけ光った。


「窓を開けて浴びてみれば?」

「やってみる。」


 冬夜はベッドから立ち上がり窓のカーテンを開けた。特に変化はない。


「男にならない?やった。やったぁぁ!ありがとう。熊井くん!お陰でこれから自分を偽らなくていい!」


 冬夜は蒼に抱きついた。


「ちょっ!」


 蒼は少しあわてたが冬夜の頭を撫で始めた。


「ふぅー!お2人さんはおあついねー!イチャイチャしちゃってー。私へのあてつけかな?」


 またもや煌はいい雰囲気をぶち破った。


「ええーっと熊井くん?また明日からよろしくね!」


 冬夜は恥ずかしそうに顔を赤らめ、蒼から離れた。


「あ、ああ。よろしくな!」


 蒼も恥ずかしそうに言った。


「じゃ、私達そろそろ帰るね。私は仕事がた〜くさんあるし、蒼くんも家に帰った方がいいんじゃない?」

「それもそうですね。じゃあ、内藤また明日な!」


 蒼は手を振って言った。


「うん。また明日!」


 冬夜は笑顔で手を振った。


 蒼と煌はタクシーに乗って家に帰った。

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