第37話 これは、、、精神的にキツイ。
「ほれ、もう泣きやまんか!お主も男じゃろ!いつまでもそうしとらんでシャキッとせい!」
エルは蒼の背中を少し強く叩いた。
「う、う…もう、少しだけ待ってぇぇ。」
蒼はまだ泣き止まれない。
「分かったのじゃ。少し待つのじゃ。」
「う、ん。あり、がと。」
〜数分後〜
「もういいぞ。俺は…もう元気いっぱいだ!」
蒼はすっかり元気になり立ち上がった。
「お主って奴は…立ち直りが早いのぅ!」
「それが俺の1番の長所だ!」
蒼は誇らしげに言った。
「それより早く行かないのかえ?お主も何か急ぐ理由があったのではないのじゃ?」
「おっ!そうだったな!早く帰って学校の宿題終わらせねば!行こうぜ!」
蒼は学校の宿題を思い出した。
「急いでた理由がそれじゃとは…まぁいいかのぅ?」
エルは蒼に呆れた顔を向けた。
「パッパッと終わらせて帰るぞ!あれ?そういえばエルは…どうすんの?ここお前にとっては異世界だぞ?帰れんの?」
「そうじゃのぅ?お主の家に住ませてくれなのじゃ!我では帰れそうな能力がないからのぅ。我の友達なら帰れるすべを持っていそうなのじゃが。今何をしてるのかのぅ?」
エルは友達を思い浮かべて懐かしんだ。
「俺の家に住むのか?おまっ俺一応男なんだけど?」
蒼は少し妄想した。
「お主は…ヘタレじゃからのぅ。大丈夫じゃろ!」
「うっ!お前も俺のことヘタレ呼びするのかよ!」
蒼は精神にダメージを受けた。
「もちろんじゃ。お主、我が人化した時に何もせんかったからのぅ?」
「いやいやいや、お前に何かしたら俺が何かする前に俺、殺されるからな!お前に!」
「冗談じゃよ、冗談。それよりもいいじゃろ?住まわせてくれなのじゃ!」
「はぁ仕方ねぇな!お前を野に解き放つ方が怖いし…いいぜ!」
蒼はエルが暴れる所を想像し、体を少し震わせた。
「これからよろしくなのじゃ!」
エルは手を出した。
「おう。よろしくな!」
蒼はエルの手を握り握手した。
蒼達は階段を降り第8層に向かった。
第8層には…オッサン?
俺にとって恐ろしすぎだろ!ただでさえ今まで精神をボロクソにされてきたのに追いうちかけるとか。
俺になんか恨みでもあんのか!コラァー!
「なぁエル?こいつら殺っていいよな…?」
蒼の中の何かがプツンと切れた。
「そ、そうじゃの。まぁ頑張るのじゃ!」
エルはひきつった顔で言った。
「おう。」
オッサン?の鑑定結果は…これ!
―オーサン (男) 0歳―
レベル305
☆種族☆
人間もどき
☆スキル☆
筋肉増強Ⅳ 新陳代謝上昇Ⅳ 加齢臭Ⅳ
☆称号☆
マッスルなオッサン 中年男
☆状態☆
生 興奮
☆備考☆
キモい、臭い、こっちに来るなよ!の3Kが揃ってる。本当にやるのか?
1/2→
―パラメータ―
HP4060 MP195 SP3978
Pow2626 Vit2503 Spe2284 Int130 Luk67
←2/2
―人間もどき―
ダンジョンで発生する魔物。
人間のような姿をしている。
―筋肉増強Ⅳ―
筋肉を増強するスキル。
ムキムキになる。
―新陳代謝上昇Ⅳ―
新陳代謝が上昇するスキル。
汗が沢山でてくる。
―加齢臭Ⅳ―
加齢臭がきつくなるスキル。
現在めちゃくちゃ臭い。
―マッスルなオッサン―
筋肉増強と新陳代謝上昇がある者に与えられる称号。
キモい。
―中年男―
加齢臭がある者に与えられる称号。
オーサンってそのまんまやん!備考が3Kとかふざけてること言うんやな。称号が可哀想やな。まぁどうでもいいけどな!
普通に物理特化って珍しいな?だけどな、俺かって進化で強くなったんだ。
蒼はドヤ顔であった。
硬身強化Ⅳをかけてやればもう負けない!
俺の精神を削りにきた時点で手加減なんて一切しないからな!…死ね!
蒼のオーサン狩りが始まった。
〜オーサン全滅まで後1体〜
これで最後だ。スパッ!
《レベルが234から235に上がった。》
「うし、少しずつ上がってきたな。」
オーサンを全滅までさせてみたぜ!それまでにレベルが上がる上がる。
そこら辺にいっぱいいたからすぐ見つかるし、楽だったわ。経験値的に見れば美味しい所だったな。精神的にはきついけど…。
「そろそろいいのじゃ?我は飽きたのじゃ!早くボスを倒すのじゃ!」
エルは蒼の服を少しだけ引っ張り急かす。
「そうだな!さっさとボス部屋に行くか!」
ボス部屋の扉はオーサンを倒してる間に見つけていたのですぐについた。
「うしっ!行くぞ!」
「行くのじゃ!」
扉を開けたら…オーサンよりもムッキムキのオカマのオーサンがいた?キモっ!一応鑑て…い…。
そこには…エルがまた敵の土手っ腹に大きな穴を空けていた。
またかよ!せめて鑑定Ⅳぐらいさせろよぉぉぉぉ!




