第32話 第6層は、、、ファンタジーの定番
蒼は第6層に降りてきた。
さて第6層にやって来た私こと熊井 蒼は現在運ばれています?何故かって?話すと数分前に…
〜数分前〜
次の階層はどんな所なんだろな?流石にインフレだけはやめてほしい。泣くから!
ふざけるのも大概にして、第6層の感想は…ありえねぇって正直思った。
そこは…草原。かといって、この前行った餓鬼道のように空は赤黒くなく普通の青空。気持ちのいい風が吹き、太陽の光が暑くもなく丁度いいぐらいで…って!なんで太陽あんだよ。これがラノベでよくあるファンタジーのお約束、ダンジョンは別次元にあるようなものだ!か?まぁ餓鬼道も似たようなものか。…別次元だし。
この草原でずっと寝てたいけどね。なんかこっちに来てるんだよ。ファンタジーのお約束のド・ラ・ゴ・ンが!赤く、そしてなんか光ってる鱗を纏い我こそ最強だ!というような感じの奴が!どうしよ。絶対つぇよな?俺の自信が木っ端微塵なりそう。また、あれか?うっ!グスッ!
そうこうしてるうちにドラゴンがやってきた!
「グルルォォー!人間が何をしにきたのじゃ!ここは我の領域じゃ!はよぅ、立ち去らぬか!」
ドラゴンは空中にホバリングしながら話しかけた。
「ドラゴンが喋ったー!!!」
蒼は驚き過ぎて後ろに倒れそうになった。
「当たり前じゃ。我は古龍じゃぞ!喋れもしない雑魚たちと一緒にするんじゃないのじゃ!」
古龍は少しむすっとした顔をしていた。
えーやっぱ俺の自信を木っ端微塵にしにきたよー!古龍とか絶対つぇじゃん!うっ!グスッ!
蒼の自信が折れかかっている。
「あの?古龍さん?ちょっとよろしいでしょうか?」
蒼はへこへこ頭を下げながら言った。
「なんじゃ?」
「ここがあなたの領域って本当ですか?ここはさっきぐらいに出来たばかりのダンジョンなんですけど?」
「ん?ダンジョンじゃと?我は今まで我の領域の草原で眠っていたはずじゃが?さっきは寝起きじゃからか気づかなかったのぅ!確かにここは我の領域とは…ちがうのぅ?」
古龍は腕を組んで悩みんだ。
「あのー俺ここから出たいんですよ。協力してくれませんか?ここは全10層のダンジョンなんですけど、俺1人じゃ…ねぇ?」
蒼は頭を少し頭を上げて古龍を見た。
「そうじゃの…我がここを出るついでにお主も連れて行ってやろうかのぅ?」
古龍はニヤッとした顔で蒼を見た。
「あっ、ありがとうこざいます!」
蒼は直角に腰を曲げてお礼を言った。
「よいのじゃ、人間。ならば我の背中に乗るのじゃ。この階層のボス部屋を探すのじゃ!」
古龍は地面に降りてしゃがんだ。
「よろしくお願いします!後、俺の名前は熊井 蒼って言うんですけど、その人間って言うのはやめて熊井か蒼の呼びやすい方で呼んでほしいんですけど?」
蒼が上目遣いで古龍を見ながら言った。
「そうじゃの、ならば…蒼でよいか?」
「はい!」
「我は世界に5体しかいない古龍のうちの1体…
シャルハ・リ・エル。我のことはエルと呼ぶが良いのじゃ!」
エルは大声で言った。
「はい、エルさん。」
「エルでいいのじゃ!後、その変な敬語もやめい。」
蒼の精神が少し傷ついた。
変ってなんだよ!ひどいな!これでも慣れない敬語頑張ってんだぞ!
「なら…エル。これでいいか?」
「いいのじゃ!」
こうして俺とエルが出会ったのであった。




