死神先生の孤児院

　人類と機械類が互いの存在を認識し、両者は共存の道を模索し始めたが、人工知能という言葉が消滅するほどには、人類の傲慢さが失われることはなかった。
　魔物の襲撃により荒廃した世界。人類のいかなる攻撃も、魔法も通用しない魔物に対し、唯一対抗できる存在、それが聖御子と呼ばれる少女たちだった。
　とある辺境の孤島、ここには戦えなくなった聖御子達が集められる孤児院が存在した。「墓場」と呼ばれるこの孤児院に、新しい院長として派遣されてきたのは、「死神」と呼ばれる司祭だった。派遣される先々で死亡事件が起こるという死神の登場に、孤児院の子どもたちは恐怖した。「もうお終いだ。みんな死神に殺されてしまうに違いない」