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大賢者の転生人生譚  作者: 柊 裕
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第11話 今の鍛冶技術

リリーと共に目的の店とやらに入るとリリーの店と同じ位の広さの店の中に配置された棚の中には様々な鉱石や宝石のような物などが置かれており、見渡せる範囲ではあるが一通り辺りの品物を見たが昔にもよく売っていた物も多く置かれていた。

それを見て昔に自分に合う武具を様々な材料を使って作っていたのを思い出し懐かしくなった。

そうして思い出に浸っている間にリリーが店の奥のカウンターへと歩いて行っていっているのに気づいたので急いでその後を追う。

するとそこでは暗めの茶色いコートを羽織り、顎辺りに切りそろえられた暗めの紫色の髪に丸眼鏡をかけた男がリリーと話をしていた。

様子を見るに笑いながらも楽しく会話を交わしており、親しい間柄の様に見て取れた。

そうして少し離れた所で二人を見ていると我に気づいたのがリリーと話をしていた店の者らしき男が声をかけてきた。

「おや?こんな店にお使いか?ここには鉱石類しか置いていないのだが?」

どうやら我に気づいたのはいいが何処からかのお使いと思っているようだ。

それを聞いたリリーが我との今までの出来事について説明してくれた。

その話を聞いた店の者がこちらに向けて挨拶をしてきた。

「先ほどは失礼をしました。僕はこの鉱石類専門店『鉱宝の彩り』の店主をしているサイラスと言います。どうぞ色々と見て行ってください。」そう言ってサイラスはこちらへ向いて一礼をしてきた。

折角そう言ってもらえたので一言礼を言った後に店の中を見て回りに行った。

見て回りに行ったといってもリリーとの約束を忘れたわけではなく、三つ程魔法を発動しておいたので余程の事が無い限りは問題無いと思う。

その三つが対象に敵意を持つ者を術者へと知らせる『敵意感知(サーチ・エネミー)』、対象のダメージの半分以上を術者が肩代わりする『騎士の献身』、対象が負傷すると指定してある魔法を発動する『被傷発動(ダメージ・キャスト)・(守盾騎士(シールダー・ナイト))』と言う魔法だ。

これだけの魔法が発動していれば今日相手した連中程度の相手なら問題はないな。

そうして店の中を見て回ると店の隅の乱雑に積み上げられた木箱が目に入り、その一番上の木箱が開いていた為何が入ってるのか気になり近づく事にした。

近付いたはいいが一番上の木箱を見る事は難しそうだったがまるで山の様に木箱を積み上げていたのでその木箱の上を登っていく様に上がっていきやっと一番上の木箱を覗けるところまで来た。

開いてる木箱の中を覗くとこれまた乱雑に入れられている鉱石が目に入った。

まるで不良品化の様に置かれている鉱石だが我からすれば勿体ないと思ってしまった。

それを見ていたのか近くの鉄などの一般的な鉱石を見ていたリリーが後ろから声をかけてきた。

「あーそれは鈍石ね。」

「鈍石とは何なのだ?」

「鈍石はね、重さはあって鉄よりも固さはあるんだけど衝撃に弱くてね、加工が難しいから今は重しぐらいにしか使っていないのよ。」

その話を聞いて我は一つ気になる事を思い出した。

「のう、リリー。鉱石と鉱石を混ぜ合わせた金属などは無いのか?」

そう聞くとリリーは首を少し横へと傾け何故そんな事をと思っていながらも返してくれた言葉は我が予想していた事と同じだった。

「そんな金属、マギ・ミスリル位しか聞いた事はないわ。」

[やはり我が居なくなった後に鉱石同士を混ぜ合わせた合金の大半は忘れられたのか?何故?合金の発想は強力な金属を生み出すという考えを持っていれば辿りづく答えのはずなのに何故じゃ?

そう思いリリーに何故それ以外の合金が無いのかと聞くと

「国の軍人さんがマギ・ミスリルの武器を一番欲しがるのにマギ・ミスリルは作るのや加工するのに時間がかかるから有名な鍛冶屋は大体マギ・ミスリルとミスリルの武器を作っているの。他の鍛冶師は鉄や黒鋼の武器をよく作ってるから他の合金は見た事も聞いた事もないわ。」と帰って来た。

ちなみに黒鉄は合金みたいだが違うもので、これは人工ではなく鉄が周辺の魔力を吸収し硬度が増した物でレア物ではあるが魔力が多い所ではよく見られるメジャーな鉱石である。

後リリーが補足のように話ししてきたが五十年前の人魔大戦で不足した武具を回収しようと国はいち早く制作できる一般的な鉱石を使用した物を要求した為、そればっかりを作っている間に一般的な鉱石以外の鉱石や合金などは廃れたらしい。

[それでこの鉱石をこの様な値段で売っているとは‥‥]

そう思いながらももう一度値札に目を通すと昔よりも可笑しいと思うほど安くなっていた。

だがここでこれを見つけたのは好都合だったのである合金を作るのに必要なもう一つの鉱石を探す事にした。

だがそれは流石の鉱石専門店、少し探せば目的の鉱石が見つかった。

それは鈍石の様に乱雑に木箱の中に入っていたが鈍石とは違い目に見える所に人は来sかなかった事からどれだけ需要が無いのかが分かる。

それでもひと箱は取り扱っているのは鉱石専門店としての心意気の様に感じた。

まず鈍石と呼ばれていたのはアルガイト鉱石と言い硬さは折り紙付きなのだが特定の方法以外で鍛えても硬いのに脆いという謎の性質を持つ鉱石なのだ。

そしてさっき見つけた鉱石はネルクト鉱石と言って一回でも熱すると常温でも曲がる程の柔らかい鉱石で金属らしからぬ金属になる物だが、これとアルガイト鉱を合わせるとある金属になるのだがそれが今の我の目的に一番合う金属なのだ。

「店主よ。これらを木箱一つ分買わせてくれ。」

サイラスを呼んでアルガイト鉱とネルクト鉱を買うと伝えると何故これらをと疑問に思う様な視線を向けられたが構わず購入する。

後が楽しみじゃのう。


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