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大賢者の転生人生譚  作者: 柊 裕
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第9話 武器選び

 黒茶色のあまり装飾のない扉を開けようとするが後もう少しの所で手が届かない。しょうがなく『魔力の腕』を発動してドアについている取っ手を握った。

(こればかりは己の体の成長を待つしかないからのう。)

これも訓練だと思いながらも取っ手をひねるとガチャッという音と共に扉が開いた。

実際に少し押してみて開いてるのを確認したら見られると驚かれそうな『魔力の腕』を解いた。

その後に扉を自分が入れるまで開け、中へと入る。だが本来聞こえるはずの店の者の声が聞こえないので奥を見ると店の者が座っているはずの会計などを行うカウンターには誰もいなかった。

他に何があるのかと辺りを見回そうとすると早速カウンターの後ろに扉があり、よく見て見ると多少開いているように感じた。

もしかしたら店の奥にいるのかと思い、「すまない。誰かいるかのう。」と店の奥まで聞こえるように声を出すと予想道理奥から返事の様な物が聞こえてきて誰かが走ってくる音が聞こえてきた。

「すいません。中々客が来ないので商品の整理をしていたの。」

そう言って出てきたの鍛冶師が着込むような作業用の服を着た女性が出てきた。

淡い赤色の髪は邪魔になるからか後ろでまとめられている様で活発な印象を受けた。

それに作業をしていたからか髪や服は汚れており明らかに客の前に出る身なりではなかったが我は特に気にすることもない為突っ込まない事にした。

「それで今回はどの様なご用件でしょうか?」

そう言って汚れのせいで何段階か落ちている笑顔を向けてきた。

「我が使う剣が欲しくてのう。ここら辺で良い武器が置いてあるというここを訪ねたまでじゃ。」

あまり手を煩わせるわけにはいかないと雑談などを一切省いて本題を切り出す。

「確かに子供用の剣はあるけど貴方のような歳の子が使うのは厳しいとは思うけど……」

と言いつつも店の中から武器を選ぶこの女性は優しい人物だと分かる。

ここで自分に合ういい武器が見つかったら彼女に何か返したいと思っていると彼女が三本の剣を両手で抱えて持ってきた。

「私が自信を持って売れるのはこれらね。他は売れる様な物じゃないから。」

そう言いながら三本の剣を我が見えやすく手に取りやすいカウンターに立てかけるように並べてくれた。

「わざわざ並べてくれた事感謝する。これで選びやすいというものだ。」

「気にしないでお客さんが買い物しやすいようにするのが私の仕事だから。」

彼女の回答に助かるとだけ言って武器選びに集中することにする。

一つ目が一般的な直剣で均一の厚さと幅の刀身と子供の手に馴染むように整えられた木製の柄が付いていた。

二つ目が鍔の所の根元から段々と幅が狭くなって刀身が三角のような形になっている剣がある。

三角形で面積が小さくなっているかもしれないがその分刀身の全体的な大きさと厚さが一つ目の剣より刀身の長さは短く、だが厚さはそれよりも厚くと作られていた。

そして三つ目を見た時にこれが合うと咄嗟に思った。というのもこの剣は全体的に特徴的でまず刀身は片刃で反ったりせず真っ直ぐに伸びて切っ先だけが斜めになっていて形状的には物を切るための形だったそして柄も通常の円柱状ではなく長方形の形の柄の角がまる日を帯びていて鍔の近くの刃のある側が凹んでいるかの様な形だった。

「珍しい形の剣じゃのう。」

そう彼女に話を振ると昔の文献の中の剣を作ろうとしていたが分からなかったりしたがやっとが子供用の大きさでやっと形になったと笑顔で話ししていた。

「その様な物を買わせてもらっても良いのかのう?」

「いいわ。子供が扱うのには難しい武器だと思うもの。」

「成程、流石に人を選ぶという事か」

そう一言呟くと柄を握て周りの商品棚にぶつからない様にしながら軽い素振りをした。

少ししか振れなかったが確かに癖の強そうな武器ではあるがその方が練習が楽しそうだと思いこれにすることにした。

「すまぬ、この剣を貰いたい。いくらじゃ。」

そう聞くと彼女は少し悩んだ後に「お金はいいから私のお願いを聞いてもらってもいいかしら。」と話し、お金は貰わ無くてもいいのかと聞くと「買い手がいなかったら捨てないといけなかったから気にしなくてもいいわ。」らしい。

「ではお言葉に甘えよう。それで我は何をすればよいのじゃ?」

「実は今から買い出しをするんだけど折角だから護衛としてついて来てもらおうと………」

「そうかなら我の名は……シャルルじゃ。今日は一日よろしく頼む。」

「……あっ………わっ私はリリフィーナ、リリーとでも呼んでください。」

客にそんな事を頼む彼女を変わっているなと思いつつも短い手を差し出して自己紹介をする。だが三男といえ貴族の名前を使うのもと思い咄嗟に思い出した昔の友人から教えてもらった英雄の名前の一部と使わせてもらい名乗ると自分がまだ名乗っていないのに気づいたのか我の手を握りながら自己紹介をしてきた。


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