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大賢者の転生人生譚  作者: 柊 裕
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第1話 ある一人の賢者の死

よっしゃー!新しいやつ書いてくぜー!

後で他の作品も更新します。

ここはある王国の王都の一角。

そこには国中の上級貴族が王都に訪れた際に泊まる屋敷が立ち並ぶ一等地である。

大金をかけて建てられた様々な屋敷が立ち並ぶ中、質素でありながらも風格を醸し出す屋敷があった。

その屋敷は一等地街の外れに建っているのだが何故か他の大金をつぎ込んだ大貴族の大きな屋敷には隠れているが分かる者が見れば違いに気づくはずだ。

その屋敷は他の貴族の屋敷よりも人周りほど小さく華やかな装飾などはなく、木材を主に使用した質素ながらも風格を醸し出していた。

そんな屋敷に住んでいるのはこの国にはとどまらずこの世界で最も名が知れ渡っている人物である。

そんな屋敷の中にあるそこそこ広めのリビングには四名の人物がいた。

一人はこの屋敷で客人の接待などを行っている少女で名前はクレア・ハンニバル、これでも百歳以上である。というのも彼女はエルフ族でも特殊なハイエルフという1000人に1人の確率で産まれるものでとても寿命が長いので人間的にいえば大体20歳位なのである。それでも見た目が若い気もするが。

そして机に食事や飲み物を持ってきている二人の少女は姉妹で今はメイドとしてこの家で働いている。青髪の少女が姉のシースタリア、赤髪の少女が妹のシーナカレンを名乗っている

この姉妹も普通の人間ではなくこの家に宿っている精霊で家精霊(ハウスィード)と呼ばれているものだ。

彼女達のようなハウスィードはよく大切にされている屋敷に現れてその屋敷とそこに住むものに加護を与えて守ろうとするがそこに住むものを選ぶという話で認められないと敷地にすら入れてもらえないという。

家や家に住む者に危害を加えようとするものの末路はわざわざ語らなくとも察しがつくだろう。

そんな精霊がこの屋敷には二人も住んでいるという事がこの屋敷がいかに特別かが伺える。

そして最後の一人、ひときは立派な椅子に腰掛けてシースタリアが淹れてきた紅茶をのでいるのは八十をこえる老人である。というのもこの人がその世界に名を知らない物が居ないほどの有名な人物である。

その者の名はユリアス・ハンニバル、この国の出身で生涯を賭して活躍した剣士であり魔法使いでもあったユリアスはその力を持ってその時に起きていた人族と魔族との全面戦争である《人魔大戦》の数多の戦場で功績を重ねて人族に勝利をもたらし、その身で知っている知識や技術から【全能の大賢者】と称えられたがそれも数十年も前の話でその後の残存魔族軍の残党との交戦を含むいくつかの戦争を戦い抜いた後は後世を支える人材の育成などを行った後に引退し、この屋敷で残った人生を穏やかに暮らしていた。

「あなた、最近寝るのが遅い様ですがお年なのですからあまり無理はなさらないようにしてください。」

クレアはそう言いながらユリアスが持ってきた空になったコップにシースタリアがいれてきて机に置かれていたティーポットから中の紅茶を注いだ。クレアがユリアスをあなたと呼んだのは別にからかったりしているわけではなく実際に二人が夫婦だからである。しっかりと国に認められて結婚している立派な夫婦である。

「大丈夫じゃ。この研究が終われば安心して寝れるからのう。」

ユリアスはクレアに注いでもらった紅茶を見ながらその見た目に合った喋り方で返事を返した。その返答にクレアは疑問を持ったが気のせいだと思い確認はしなかった。

「そろそろ話ししたほうが良いか‥‥」

ユリアスは紅茶を飲みながらボソッと呟く。その一言で決心がついたのかそれからあまり間を置かずにユリアスはクレアと精霊姉妹へと話を始めた。

「実はのう。最近、我自身の力に限界を感じ始めたのじゃ…」

賢者の口から語られた弱音とも取れる衝撃の言葉に三人とも驚いたがクレアだけは直ぐに気を取り戻したのか「それなら十分休みを取られれば…」と返事を返すがユリアスは首を二回横へと振ると再び語りだした。

「確かに休めば多少は戻るかもしれぬがそれでも我の中の力は日に日に衰えてっておる。それはここまで来てしまった我にはもう止める事はかなわぬ……」

「聖剣具や魔剣具の力でどうにかできないのですか?」

聖剣具や魔剣具は神や神に力を分け与えられた眷属や使徒などが生み出した武具の事で聖剣具は陽の神々の力で魔剣具は陰の神々の力を持って生み出された物の事を言う。

ユリアスも何点か所持しており、人魔大戦を戦い抜けたのもその助けがあったことも理由の一つだ。

「ダメじゃ。元々聖剣具や魔剣具にはその様な力はないしもしそのような力を持つ物があったとしても今から探し出すのはこんなんじゃ。」

「そんな.........」

自身の終わりを何事もないように話すユリアスに返す言葉もなく黙ってしまうがその様子に気付いているかは分からないがユリアスは話を続ける。

「じゃが、別にそのまま我が死ぬわけがないであろう。」

その言葉を聞いた3人は一先ずは安心したがまだ心には不安な気持ちが残っていた。その中でまたもクレアがユリアスに質問をする。

「ではこれからどうされるのですか。」

「それを今から見せる。ついてくるのじゃ。」

そう言ってユリアスはまたも空になったカップを机に戻し、席を立って廊下へと歩いて行った。

その後ろにクレア、シースタリア、シーナカレンの順でついていく。廊下を歩いて玄関のある大広間に出ると中央の大階段の裏手へと移動すると何もない壁の一角に着くと立ち止まった。

「ここがどうしたのですか?特に何もない様に見えますが‥‥」

直ぐ後に着いた三人は周囲を何度も見回していたが何も見つけられなかったらしくユリアスに確認をした。

「それはそうじゃ、我の持つ魔法の粋をもって隠しておるから見つけられないのもしょうがないのう。」

ユリアスの話した通りでユリアスの培った膨大な魔法の知識によって施された物理、魔法防護と視覚、魔法隠蔽は国の中で上位の人間でも発見が困難なうえ、破壊しようにも大賢者と呼ばれた男の守りを破壊することはかなわないだろう。

それだけの守りが施されいるという事からどれだけその先が大切なのかが分かる。

「少し待っておれ。今から開くからのう。」

ユリアスはそう話しながら右手を壁にかざした。すると手の平から何重にも魔法陣が現れ始め、それにつられるように壁からも直径が人一人分の魔法陣が同じだけ現れた。

ユリアスはそのまま手元の魔法陣を操作すると壁の魔法陣が消えて行って操作が終わった後の壁には今までは見えていなかった薄灰色の扉が現れた。

「連れて行きたいのはこの先なのじゃ。もう少し歩くぞ。」

ユリアスはそういうと扉をどこからか取り出した鍵で開けてゆっくりと降りて行った。

それを見て三人も慌てて扉の中へと入っていった。



隠し通路に入ってから十数秒ほど経つと薄暗い廊下へとたどり着いた。ユリアスが手をかざすと廊下の壁に均一な感覚でかけられていたランプの明かりが一番奥まで一瞬でついた。

周りにはランプ同士の間で向かい合わせに部屋へと続く扉が八つほどあり一番奥にここの中で一番堅そうな扉あるのが確認できた。ユリアスは「この先の部屋以外には用はない。」というように一目散に奥の部屋へと歩いて行き扉の前に着いたユリアスは上の扉の前で鍵を使い部屋の扉を開いた。

「………」

それに慌ててついて来た三人は中の光景を見て驚いた。何故ならその部屋には真ん中のベットと一角に置いてある本や小物が納められた棚が二つ、武具立てとそれに立てかけられた剣と槍、そしてベットの上と部屋の床前面に描かれた巨大な赤色の魔法陣が見えたのだから。

「こっこれは一体何なんですか……見たこともない魔法陣ですが‥‥‥」

驚きつつも何とか立ち直したクレアが質問するとユリアスは研究の時によくしていた目を細めて遠くを睨むような特徴的な真面目な顔をして話をし始めた。

「先程は力の衰えを感じたと話しをしたがそれの原因は今の老いた体では魔力を貯めるのが難しく少しずつ漏れ出しているからなのじゃ。そこで我が悪足掻きの為に考えたのが我の肉体から魂を抜き出し、新しい体へと移すいわゆる操魂魔法といった感じじゃな。」

「ですが魂を移す肉体は見当たりませんが…」

シースタリアが辺りを見回しながら質問するとすらすらと続きを話し始めた。

「それなのだがどうやら我の魔法知識と今の死なずに出せる全魔力をもってしても直ぐに新しい肉体の中に入れるというわけでもないし特に力を残したままというと何年か何十年かほどかかる感じなのじゃ。」

「それってつまりは当分いなくなられるという事ですか。」

「うむ‥‥我も心苦しいかまだ見ぬ世界の為ならやってみる価値があると思うがのう。」

その返事を聞いたクレアは「そうでしたね‥‥ユリアスは昔からそんな感じだったんだから」と納得した感じで頷いていてシースタリアとシーナカレンは涙を貯めながらも笑って送ろうとしてくれていた。

「我の身勝手で大変心苦しいが我は必ずこの魔法を成功させ、ここへと戻ってくる。だからその時までこの屋敷は頼んだぞ。」

そう最後に声をかけると三人は小さいながらもしっかりと返事を返した。

ユリアスはその様子を見た後、俯き少しの間佇んでいたが背を向けてベットへと歩いていった。ベットの上で寝たユリアスはユリアス・ハンニバルとして行う最後の魔法を演唱をし始めた。呪文が唱えられていくに連れて魔法陣から深淵と呼ばれるものからあふれてきたかの様な黒い光が溢れて出てきてはベットで寝ているユリアスの元へと集まっていく。

異端なる魂の道筋(ソウルロード・ヘディ)

そうこうしていると演唱が完全に終わると同時に一斉に魔法陣が眩く輝きだしユリアスへと一斉に集まり一つの輝く光になって天井をすり抜けて空へと上がっていった。


そしてその場には三人の少女とベットの上で寝たままもう二度と動くことのない老人のまだ暖かい体だけが残された。


まずは一回書いてみようと思って書いた作品ですので二話以降の更新は未定です。

ですので気ままに待ってください。

2019/08/16 誤字修正、内容追加

2019/08/18 大規模の内容追加、変更

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