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1-3謎の屋敷

【謎の屋敷】



ジョンとカティと別れ、ウィリアムとスティーブの2人きりになった。

2人は、まず自分達がいる食堂を調べ始めた。


「…………………」


「…………………」


が、特に何も見付からなかった。

ウィリアムは戦闘特化の元軍人、スティーブは異なる世界から来たブロック人間。

何か手掛かりが無いかを探すのは絶望的に下手であった。


「スティーブ」


「……どうした?」


「そちらの世界ではこう言った捜索はしなかったのか?」


「私の居た世界は全てブロックで構成されていた。つまり、探し物はブロックかブロックとほぼ同じ大きさのチェストの中にあるのが相場だった。まぁ、最近は嫌らしくブロックの大きさの差を利用した隙間だったり特定の手順を踏まないと手に入らなかったりとめんどくさいが……それでも、この世界よりは圧倒的に楽だ」


「………そうか」


「「………………」」


「別の部屋へ行くか」


「そうしよう」


2人は廊下に移動し、すぐ近くの部屋に入った。

そこは台所にコンロ、冷蔵庫に調理台が存在するキッチンであった。


「キッチンか……」


「これがこの世界のキッチンか……凄いな」


「そちらの世界には無いのか?」


「こちらの世界では大抵の料理は作業台で作る」


「作業台で料理……?」


「その作業台でピッケルや斧も作るな」


「ピッケルや斧を作る作業台で料理……?」


ウィリアムは想像が出来ず、混乱しかけた。

しかし、軍に居た頃のサバイバル訓練で似たような事をしていたのを思い出し、冷静さを保つことに成功した。


「「……………」」


食堂と同じく、ここでも2人は探索をするが何も見付からない。

あってもおかしくはない食材や武器になりそうな調理器具すら見付からない。

まるで、誰かが意図的に隠したかのように何も存在しなかった。


「所々手入れや使用痕があるのに生活に必要な物資が一切ないのはおかしい」


「インベントリは存在しない世界だったな」


「ああ……」


「……………持ち出した痕跡はあるかい?」


「それだ!」


屋敷やキッチンの大きさを考えるとあるべきはずの大型調理器具すらない。

それらを運び出した痕跡に注目し、再度2人は探し始める。


しかし、何も見付からない。

何かを擦った痕やぶつけた痕跡すら発見出来なかった。


「扉付近には何もないな……」


「扉では無いなら壁か?いや、この世界では壁を壊して出入りしないんだったな……」


「…………………」


スティーブの独り言に言葉を失うウィリアム。

壁を壊して移動する事に何の躊躇も無いのは明らかな異常だ。


「いや待て、窓は見たか?」


「見てないな」


2人はすぐさま窓際に移動する。

窓自体は人がぎりぎり通れない高さ、大きさで設置されている。

そして、窓の異常に気付く。


「この窓……強化ガラスだ。そんじょそこらの武器じゃ破壊出来ない」


「強化ガラスか」


スティーブは小さく呟くと、先程も見せた赤いピッケルを取りだした。

そして、窓を数回殴ると先程の壁と同じように窓が小さくなって地面に落ちた。


「どうやら私には関係無いようだ」


「…………そうだな」


「脱出防止だろうが、岩盤以外は基本的に壊せる。それに、壊せなくても等価交換したり移動させたりする術はたくさんある。私を閉じ込めるのは絶対に無理だな」


「……………そうか」


やや疲れた声を出すウィリアムに気付かず、スティーブは落ちている窓を設置する。

設置された窓は、何故か破壊前と寸分違わず同じ状態になっていた。

恐らくだが、壊す瞬間を見ていなければ壊した事はばれないはずだ。


「まだここを探すかい?」


「いや、これ以上は時間の無駄だろう。既に20分は経過している、次の部屋へ行くべきだ」


「了解だ」


2人はキッチンの捜索を諦め、廊下に出る。

食堂、キッチンがある屋敷の右側の探索が終了したことになる。

一応、他にも部屋が無いか探しはしたが、特に何も発見することは出来なかった。


何も発見出来ない事に気落ちしつつも2人は玄関ホールに到着する。

ここには2階に移動する為の階段と、外に出る為の玄関口が存在する。


「特に何も無さそうだな」


「そうだね。向こう側の通路に行こう」


「いや、玄関の鍵くらいは調べるべきでは?」


「扉が閉まってるなら壁から出ればいい」


「………そうだったな。よし、あの部屋だ」


そう言って2人は一切調べず、屋敷の左側にある通路に入る。

そして、1番近くにあった扉を何も警戒しないで開ける。


「ここは……応接間か」


「応接間?それは一体なんだ?」


「簡単に言えば、客を相手する場所だな」


「あぁ……玉座の間と同じか」


「そ……うだな。王であることを忘れていたよ」


「気にするな。王だからと言って何をしても許される訳ではない」


「助かる」


2人は探索を開始する。

食堂やキッチンよりも物が多い為、今まで以上に時間を掛けて探索した。

しかし、それでも、何も見付からなかった。


「ウィリアム」


「どうした?」


「探索時間はどれくらいだ?」


「ん…待て。そうだな………大体40分経過と言ったところか。まだ部屋はある、次に行こう」


「これだけ確り探したんだ。恐らくは何も無い」


「あの2人が何か見付けていることを願おう」


2人は廊下に出て、別の扉を開ける。

その部屋には何も存在しない部屋だった。


「倉庫?いや……何か重い物が置かれていた痕がある。使用人部屋か?」


「この4つの痕はベッド。そちらの傷跡はクローゼットか?」


「そう考えれば……使用人部屋で間違いないだろう。特に探す物も無さそうだ、次へ行こう」


「ああ」


多少傷跡を調べた程度で2人は出ていく。

そして、似たような部屋が3つあり、時間だけが無駄に過ぎ去っていった。


「この屋敷は使用人部屋が合計4つあったと言う事だな」


「もしかしたらただの倉庫も同じように数えたかもしれないけどね」


「かもしれない……だが、何も無ければ結局は同じだ。探索時間は残り10分、急ぐぞ」


「了解だ」


残された扉は2つ。

ウィリアムとスティーブは二手に別れて探索する。


「ここは……脱衣所か。そうするとこっちは……シャワールームだな」


扉の先には洗濯機や洗面台、シャワールームが存在した。

ウィリアムは素早く棚や隙間を覗き込むが、埃以外は見付からなかった。


「何も無しか……いや、そもそも手掛かりを残すような相手じゃなかった可能性が高いな」


結局何も見付からず、脱衣所から出る。

廊下に出ると、既にスティーブは待っていた。


「早いな」


「トイレだったからね。調べるべき場所がほぼ無かったよ」


「そうか……こちらは風呂だ。同じようにほとんど調べる場所は無かった」


「ふむ……あの2人を待つことにしよう」


「だな。食堂に行くぞ」






~~~~~~~~~~おまけ~~~~~~~~~~


ス「ダイスロール!失敗」


ウ「ダイスロール!失敗」


GM「探す気ある?」


ス・ウ「ない」


GM「(#^ω^)ピキピキ」




ス「昔マイクラの脱出マップでさ」


ウ「うん」


ス「トイレに魚を流すとありがとうって言われて鍵貰えたんだよね」


ウ「なにそれwww」


カ「俺それ知ってるw」


ス「流していい?w」


GM「何もねぇよ!」


ス「何でだよ!」


GM「何であると思ったんだよ!」







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