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1-2謎の屋敷

【謎の屋敷】



銃を構えゆっくりと移動する2人は階段からあがってくる男女を発見する。

ウィリアムは威嚇射撃を行った。


「止まれ!」


「待て!敵じゃない!」


「証拠は!」


「ス、スティーブ!私よ!昨日同じ宿に泊まっていたカティよ!」


30代後半に見える男性は手を挙げ、無抵抗を示した。

同じようにカティと名乗る女性も無抵抗を示した。


「確かに、彼女は同じ宿に泊まっていた。インタビューと言って、色々と聞かれたのを覚えている」


「…………カティと言ったな。昨日の事をどこまで覚えている?」


「……泊っている部屋で眠った所までよ。気付いたらここにいたの」


「それを証明は?」


「………無理ね」


カティの表情は嘘を言っている様には見えなかった。

ウィリアムはスティーブに目で問うと、スティーブは頷き、銃を下ろした。


「そちらの男性は?」


「警察です。誘拐事件の調査で動いています」


「ならば手帳を出せ」


「あ、あぁ……」


男はよれよれになったスーツから黒くて四角い物を取りだし、ウィリアムの足もとに向かって投げる。

ウィリアムは視線を外すことなく拾い上げ、確認する。


「確認した。俺は元軍人の現警察関係者だ。これが本物であることを知っている」


ウィリアムはその出自故に、外部の人間には分からないように仕掛けが施された警察手帳だと気付くことが出来た。

その仕掛けがある警察手帳を持つ人間は特別な任務を帯びていることが多い。

彼の調査している誘拐事件には何か裏がある事をウィリアムは察した。

それと同時に、男も同業の可能性に気付いた。


「ふぅ……でかい物音がしたから焦ったよ」


「すまない。しかし、こちらも手段を選んでいられる程余裕が無かったのでね」


「あぁ、いや……責めてる訳じゃない。そっちも……その、大変だろうし」


もちろん、男の目はスティーブに向いていた。

男は、ウィリアムの任務がブロック人間に関する事だと気付いていた。


「まぁ……な。とりあえず、どこか落ち着ける場所に移動し、情報交換をしよう」


「私はそれで構わない」


「えぇ、こちらもよ」


「なら……1階の食堂はどうだ?あそこなら全員が座れる椅子がある」


「そこでいい。案内を頼めるか?」


「任せてくれ」






4人全員で1階右にある食堂に移動する。

食堂の中には特にこれと言った珍しい物は無く、やや大きい屋敷には当然あるような長い机と、その机に相応しい数の椅子があった。


「まずは自己紹介をしよう。俺はウィリアム。元軍人だ」


「カティとウィリアムには説明したね?私はスティーブ。とある世界の『五月雨王国』の建国王だ、よろしく」


「あー……カティよ。ジャーナリストで……誘拐事件を調べてたわ」


「ジョンです。地元警察からの応援で誘拐事件の調査に来ています」


それぞれが椅子に座りながらも軽く説明する。

ただし、ウィリアムだけはいつでも構えられるように銃を持って警戒していた。


「それでは情報交換だ。俺とスティーブ、そしてカティは宿に泊って眠った所まで覚えている。そして、目覚めたらここにいた。ジョン、君は?」


「宿に不審な人物……いや、隠すのはやめよう。化け物がいると通報があってね。誘拐事件に関係があるのでは……と思い、張っていたんだ。そしたら、誰からに殴られてここにいた。と言う訳さ」


「なるほど……」


「化け物……恐らくは私ですね。あぁ、いえ。別の世界の住人ですから、そう思われても仕方ないと思ってるので大丈夫ですよ」


「………そこについては脱出後にしよう。それで脱出方法についてだが」


「すみませんが……ここに手掛かりがある可能性が高い以上、私は残ります」


ジョンは手を挙げ、申し訳なさそうな顔と声で告げる。

彼の仕事の事を考えれば当然の申し出である。


「あー……私も残りたい。その……スティーブも気になるけど……元々誘拐事件を調べてたから。最悪、スティーブの方はもみ消されちゃうからね」


そう言いつつ、カティはウィリアムの方を見る。

彼女は元軍の人間がスティーブと行動を共にしている。

それは、国が既に動いていると言う事。

もしも秘密裏に動いていてその邪魔をしたら……と、考えたら誘拐事件の調査をしたいのも納得である。


「私はどちらでも構わない。そもそも、脱出自体はいつでも出来るからね」


「ならば俺だけか……ジョン。手伝いはいるか?」


「出来れば」


「なら、決まりだな。誘拐事件について教えてくれ」


ウィリアムの決定に全員が頷く。

そして、ジョンが誘拐事件について話していく。


ノルシーの街。

長閑でどこにでもある港町の1つだった。

しかしここ最近、謎の失踪事件が多発している。

男性女性、老人大人子供、全て問わず、1人、また1人と消えていった。


当然、警察は動く。

何度も調査し、漸く掴んだ手掛かりが争った跡の発見。

つまりは、被害者は自発的に消えたのではなく、誰かに無理矢理連れ去られたと言う事。


そこからは早かった。

地元警察だけでは対応が出来ない。

本部や近場の警察署に応援要請を出し、今集まろうとしている。


そしてジョンは、予め潜入し、情報の裏取りが役目だった。

その裏取り中にブロック人間……スティーブの存在を知り、調査をしようとした結果が今に繋がる。


「なるほど……実質手掛かりは無しか。カティの方は?」


「残念だけど何も無いわ。被害者同士の接点もバラバラ。無差別としか言えない」


「では、手掛かりはこの屋敷だけと言う事だね?探索か……森の洋館を思い出すな」


「こう言った場所の探索経験があるのか?」


「もちろん。私の居た世界では無数の敵……ゾンビやスケルトン、スパイダーにエンダーマン、色々と居る。そして、稀にだが謎の建築物が建っていたりする。その1つが森の洋館だ。そこには大量の敵が居てね……中々に強かったよ」


「そうか……ならば、武器が必要だな。2人はあるか?」


ウィリアムの問いにジョンとカティの2人は首を横に振る。

さり気無くスティーブに目配せをし、渡す様に伝える。


「なら……M1911が2丁ある。これを使うと良い。弾は……2人で60発だ」


「ありがとう。私は射撃がそこまで得意じゃないから……そうね、2回分の14発を貰うわ」


「分かりました。残りは私が管理しましょう」


それぞれに武器を渡す。

古い銃であるとはいえ、最も有名な銃と言っても過言ではない武器だ。

撃つことに慣れていなくても、使い方くらいは知っている。


「それでは探索だが……4人全員で動けば安全かもしれない。しかし、我々が武装して探索しているのがばれると危険かもしれない。故に、多少危険だが2人2班での行動を提案する」


「私は構いませんよ。元々戦い慣れていますし、いつでも脱出する術は持ち合わせていますからね」


「足手纏いは私だけかしら?守られる側の私は特に意見は無いわ」


「……急ぐべきと言う考えに賛同します。私とカティさん、スティーブさんとウィリアムさんでどうでしょう?」


ジョンの提案。

それぞれの組み合わせを考えるが、特に異存はなかった。


「問題無い。カティとスティーブをくっつけると取材ばかりで探索しなさそうだからな」


「あら……否定出来ないのが辛いわね」


「探索範囲だが……ジョン、君達は2階を探索してくれ。あれだけ大きな音をたてたのに君たち以外の反応が無かった事を考えれば人はいないはずだ」


「確かに。カティを守りながらと考えればそれが安全ですね」


「スティーブもそれでいいか?」


「構わないよ」


「それでは、最大1時間の探索とする。何かあったら大声で呼べ。すぐに行く」


そして、謎の屋敷の探索が始まった。






~~~~~~~~~~おまけ~~~~~~~~~~


カ「探索技能ある人いる?」


ウ「戦闘特化です」


ス「そもそも技能がオリジナル」


GM「やばくない?ジョン過労死だよ?」


ス「いざとなったらマイクラ式探索するから大丈夫」


カ「マイクラ式?」


ス「建物解体」


カ・ウ「wwwwwwwwwww」


GM「絶対に許さないからな!」


ス「何しても良いって言ったじゃん!言ったじゃん!」


GM「うるせぇ!限度を考えろ!」







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