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1-1謎の屋敷

【謎の屋敷】



ノルシーの街からそこそこ離れた所に無人の孤島が存在する。

どれくらいかと言えば、頑張ればノルシーの街の灯台が見えるほどだ。

それでも、普通の人間が泳いで渡るには遠い。


その孤島には屋敷が存在する。

放置されてからそれなりの月日が経ち、所々朽ちている。

しかし、何故か手入れはされている。

今でも誰かが住んでいるかのように……。






「うっ……ここは………」


孤島にある屋敷でウィリアムは目を覚ました。

窓から見える景色は昨日泊った宿とは別であり、すぐさま異常に気付く。


「はっ!?ここはだれ?わたしはどこ?」


一瞬、ウィリアムは取り乱した。

しかし、持ち前の精神力ですぐさま冷静さを取り戻すことに成功した。


「ふぅ……取り乱してしまった。まずは、状況確認だ」


周りを見渡すが、昨日泊った宿とは別の部屋であることしか分からない。

特に、気にするような物は存在しなかった。


「いや……待て、俺の荷物はどこだ?武器は?」


改めて荷物を探すが、どこにもなかった。

自分の身体も確認するが、隠し持っていたナイフすら無くなっている。

持っている物と言えるのは、身につけている服くらいである。


「くそっ……ブロック人間に気を取られたか!」


怒りに任せ壁を殴る。

ウィリアムの拳を受けた壁は古かったのか穴が開き、隣の部屋が見える。

そこにはベッドに眠るブロック人間がいた。


「…れは…った………んだ…………物……な…か。……国…あ…なの……………してい……か。ダ…………メダメだ。あ……のと……た…我……は……。ど……れば…い…うす……いい……」


ブロック人間を見たウィリアムは狂気に呑まれた。

聞き取れないほどの速さでぶつぶつと意味不明な言葉を呟き始めた。

その姿はとても不気味であり、見る者に恐怖を与えるほどだった。


「なぜ……?私は昨日宿泊施設で眠っていたでしょうか?」


ウィリアムが出す物音に気付き、スティーブは目を覚ました。

すくっ、そんな擬音が付くほど一瞬でベッドの横で立ち上がり、周囲を見回している。


「ひっ……」


「ああ?あなたは確かに同じ宿に泊まりました」


当然、壁の穴にスティーブは気付く。

同じように、壁の向こうに居るウィリアムにも気付く。


ウィリアムは突然立ち上がり、こちらを見ているブロック人間に恐怖し、動けない。

何か話しかけられているが、ウィリアムの頭の中はどうやって逃げるかだけだ。


「うーん…それを試してみましょう」


スティーブは何やら小さく呟くと、ピンク色の液体が入った小瓶を投げた。

ウィリアムはその事に気付いたが、恐怖に縛られた頭では避けることが出来ず、まともに当たってしまう。


「っ!?……………?」


「どうやら、私は精神的な被害を回復することができるようです」


「なっ、何をした!?」


「私は回復効果のあるポーションを投げた」


「………ポーションだと?そのような物はこの世界には存在しない!!」


「もちろん。ご覧のとおり、私はこの世界で人間ではありません」


「…………何者だ」


「私は敵ではない。私はある世界で『五月雨王国の王国』の王であるスティーブです。私はこの世界で貿易を模索してきた」


「………それを証明する方法は?」


「不在。それはこの外観と前の部分の部分についてですか?」


ウィリアムは悩む。

今回の仕事であるブロック人間、スティーブとの交渉。

今はそれが可能である状況だ。

しかし、誘拐と思われる現状と謎の技術に警戒心を解く事は出来ない。

それでも、ウィリアムは元軍人。

祖国の為に覚悟を決めた。


「すまない。見知らぬ場所で目覚めた故警戒していた。俺はウィリアムだ、よろしく頼む」


「問題ない。誰かが奇妙な場所に慣れていないか注意してください。私も反対の立場を取る」


「感謝する」


そう言い、彼らは固い握手をする。

ウィリアムの警戒は完全には解けていない。

その事にスティーブは気付いているが、仕方ない事だと考え、気にしてはいない。


「まずは情報交換……の前に、そのしゃべり方が少し気になるのだが」


「うーん?言語設定が間違っていますか?しばらく待ってください」


「あ、あぁ……」


見えない何かを操作するかのように何も無い空間を見ているスティーブ。

その動きをじっと観察するが、ウィリアムには何も分からなかった。


「これでどうだろうか?」


「問題無い。助かる」


「言葉は大切だ、気にするな。それで、情報交換だったな」


「ああ。どこまで覚えている?」


「宿屋で食事、その後部屋で眠った」


「こちらも同じだ………盛られたか。薬に対する抵抗は?」


「無い。正確に言えば一瞬で治せる環境故、必要無い生活だった」


「なるほど……羨ましい限りだ」


「私もこの世界の……科学と言ったか。それに興味がある。こちらの世界にも同じようなのは存在するが……私しか扱えない。それでは発展しない。だからこの世界に来た」


「なるほど……よき隣人になれそうだ」


「ああ」


どんな理由かは分からないがスティーブが求めている物が分かった。

そして、祖国はそれを提供することが出来る。

最低限の仕事はこれで可能だとウィリアムは安堵する。

残る問題は無事に報告することだけになる。


「では、脱出の協力を求めたい。その後、俺の祖国に歓迎しよう」


「ほう?そこで交易は可能なのか?」


「もちろんだ」


「ノルシーの街はとても小さかった」


「ふっ。田舎町と比べられても困る」


「それは僥倖。では、最優先で脱出をしよう」


とても嬉しそうな声でスティーブはピッケルを取りだす。

どこにもピッケルを持っていなかったのに、一瞬で手に持ったことにウィリアムは驚いたが、何とか堪えることが出来た。


「あぁ、こちらの世界にはインベントリが無いんだったか?」


「インベントリ……?あぁ……無い。羨ましいよ」


「これは私個人の能力でね……教える事は出来ないがたくさん物が入る袋や箱なんかは渡そう」


「助かる」


「危険は無いが一応少し離れていてくれ」


「分かった」


ウィリアムは忠告に従い、壁から離れる。

スティーブはそれを確認し、壁に向かってピッケルを振るう。

黒い棒状の物と赤い鉱石の様な何かで作られたピッケルが壁に2度3度当たると、壁はブロック状になり、小さくその場に転がった。


「!?」


「これで通れる。扉があるが、選択肢は多い方がいいからね」


この現象を見たウィリアムはかなり驚いたが、先程までの事で多少は慣れたのか、耐えることに成功する。

と、同時にスティーブの言葉で扉が普通にあることを思い出した。


「………どうやらまだ冷静になれていなかったようだ」


「私は王だからな、こういったことには慣れている」


「それは……羨ましくないな」


「あまり良くない事だからね。さて、どちらの扉から出る?」


高さ2m、横幅1mの穴が2人の部屋を繋ぐ。

どちらから出ても問題無いかもしれない。

しかし、スティーブの見た目を考えれば彼の居る部屋の扉には何か仕掛けられているかもしれない。

そう考えたウィリアムは提案する。


「スティーブ。申し訳ないが君の見た目は怪しい。もしも仕掛けるなら得体のしれない君の部屋だ」


「当然だろう」


「ここは俺がいる部屋の扉から出よう」


「問題無い」


ウィリアムはスティーブに背を向け、扉に向かう。

そして、扉に手を掛けようとした瞬間。


「ああ、待ちたまえ」


「どうした?」


「武器を渡そう」


「持っているのか?あ、いや……インベントリだったな」


「その通り。今すぐ出せるのは……SAAかUZIだな。他のは……やや時間が掛かるな」


「どちらも古いな……」


「そうなのか?こちらの世界ではよく使われているぞ?」


「約50年前の武器だ。ああ、武器だったな。俺は格闘戦もやる。SAAの方を貰っても良いか?」


「構わない。弾は……約100発だ」


「多いな……持ちきれない。30発だけ預かる」


「了解だ」


謎の光を放つSAAをウィリアムは受け取り、装備する。

少し不審に思うが、異なる世界でまったく同じ金属が手に入るとは思えなかった為、ウィリアムはスルーした。


「では行くぞ……3、2、1、GO!」


ウィリアムは勢いよく扉に体当たりし、廊下の右側に向かって銃を構える。

すぐさまUZIを構えたスティーブが左側を向き、安全を確保する。


「とりあえずは……待て、物音がした」


「………下だね。行くかい?」


「敵の可能性が高い。戦闘経験は?」


「愚問だね。私は建国王だよ?」


「ふっ……そうか。頼もしいよ」


銃を構えたまま最大限の警戒をし、2人は下に続く階段を探すのだった。






~~~~~~~~~~おまけ~~~~~~~~~~


GM「泳いで渡るには遠い」


ス「なら飛びます」


ウ「水泳99だけど足りない?」


カ「水泳99で体力も最大だけど足りない?」


GM「普通の人間が泳いで渡るには遠い」


ス・カ・ウ「wwwwwwwwwwwwwwwww」






GM「目が覚めたら知らない部屋に居ました」


ス「これSANチェックじゃない?」


ウ「え?」


GM「じゃあ、しましょう。0/1で」


ウ「マジか……セーフ」


ウ「はっ!?ここはだれ?わたしはどこ?」


全「wwwwwwwwwwww」






ウ「壁殴ります」


GM「はい」


ス「ウィリアムのキャラシ見たけど壁壊れるよね?」


ウ「え?あー……ダイスロール!ダメボを合わせて8!」


ス「マーシャルあるじゃん」


ウ「忘れてたw」


ウ「2d3+1d6!…………12w」


ス・カ「wwwwwwwww」


GM「壁の耐久決めてねぇよ………」


ス「44口径マグナムが2d6+2で最大14だろ?確実に壊れるだろw」


GM「………壁が壊れました。隣の部屋にはスティーブが寝てます」


ウ「スティーブに気付きます」


ス「ブロック人間見たのでSANチェックです」


ウ「え?」


GM「確かに。じゃあ、SANチェックです。0/1d6で」


ウ「マジか……あ。…………5減ります」


カ「発狂早いw」


ス「仲間見て発狂w」


GM「ダイス振ってw」


ウ「クソが……」


ウ「…れは…った………んだ…………物……な…か。……国…あ…なの……………してい……か。ダ…………メダメだ。あ……のと……た…我……は……。ど……れば…い…うす……いい……」


全「wwwwww」







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