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環境戦隊ガドガイアー  作者: 黒井羊太
第二話「爆破5秒前!轟火、怒りの鉄拳!」
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奴の謎を暴け!

みうの言葉が気になってしょうがないオペ子。一人、悩み続ける。

「これも違う……これでも違う……う~ん……」

 幾つ目かの仮説を破棄して、くしゃくしゃっと髪を掻き、オペ子はお茶を飲む。

「わっかんないわぁ……どうしたものかな……」

 オペレーティングルームでブツブツ呟きながら一人画面に向かい四苦八苦している。そしてお気に入りの紅茶の香りで苛々を抑えながら今回の犯行を紐解く仮説を考えている。

 というのも、みうの言葉が未だに引っかかっているからだ。

「素直な演算じゃきっと出ない。それは分かってるのよ。みうの言ってたものに見えないピースを一つ埋めれば、答えが見えてくる筈なのよ……ソレは何なの……」

 眼鏡を外し、眉間の辺りを揉む。少し根を詰めすぎたようだ。肩も凝っている。

「少し、頑張り過ぎじゃないかね?」

 後ろから声に気付き慌てて立ち上がり、そちらに敬礼をする。当然、眼鏡は瞬時に装着している。

「ちょ、長官!お疲れ様です!」

「うむ」

 小さく頷く長官。「まぁ、座って座って」との言葉に従い、また席に着くオペ子。

「随分苦しんでいるようだね」

 長官からの労いの言葉だ。柔らかく、居心地が良くなる声にオペ子の張りつめていた心は少し緩む。だが、

「いえ、これも街を、そして世界を救う為です。私は彼らのようには戦えません。だから私は私なりにここでこうやって戦ってるんです」

凛とした声で返す。いつも通りのオペ子だ。長官は、この意識の高さを高く評価している。

「そうか、素晴らしい答えだな。だがあまり根を詰めすぎるのも体に良くないぞ。君に倒れてられてしまっては私も、そして皆も困る。ほどほどにな。……そうだ、脳の栄養というのは、ブドウ糖だけらしいな。知人から送られてきた珍しいブドウがあるんだが、息抜きに一緒にどうかね?」

「はい、是非!」

 心底嬉しそうな顔で、オペ子はさっきまで紅茶を飲んでいたカップを置き、長官と一緒に長官室へ移動した。

贈り物のブドウを食べながら和やかに談笑する二人。

 ふと、ピュッと飛び出たブドウの汁が入れなおした紅茶に入り波紋が出来る。

「……あっ!?」

「ん?」

 何かに気付いた様子で長官を連れオペレーティングルームに戻り、カチャカチャカチャッ!とコンソールのボタンを叩き出す!

「……出た!!」

「こ、これは!?」

反撃の嚆矢となるか……!?

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