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環境戦隊ガドガイアー  作者: 黒井羊太
第一話「登場!地球の環境は俺たちが守る!」
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エピローグ

ボムマウスを撃退し、仙台の街に平和を取り戻した五人。

「諸君、ご苦労だった。諸君等の働きのおかげで連続ゴミ収集車爆破事件は無事解決、正常に回収を再開したそうだ」

 長官が、五人の方を振り向きながら話す。声には出さないが、その表情はどこか明るい。

「初陣にしては良くやった方だろう。私が駆け出しの頃も、丁度こんな風だったよ」

「長官も、ですか?」

 意外な感じがして、轟火が言葉を発する。

「あぁ。意外か?」

「え、いや、その……」

 何と返事をしたらいい物か、悩んで言葉を出せないままで居ると、長官はフッと少し笑いながら、「誰だって駆け出しの頃はそういうものさ」と言ってくれた。

「……奴らはカリメア、そう名乗ったんだな?」

 急に真剣な顔をして、言葉を発する長官。思わず全身に力が入ってしまう。

「はい。人類を混乱に陥れ、地球に平和をもたらすのが目的だと言っていました」

 光月が答える。長官は、しばらく悩んだ素振りを見せたが、

「目的は今ひとつ分かりかねるが、今後もこのような事件が起こる事だけは間違いなさそうだな。……世界の平和は依然、諸君等の双肩に掛かっている。ゆめゆめ、忘れんようにな」

「「はい!!」」

「では、解散!」



 部屋を出て、みんなが廊下を歩いていく。轟火は、光月を後ろから呼び止める。

「先生」

「はい?」

「俺たち、本当に仙台の町を救ったんですよね……!!」

 興奮で、轟火の手は震えていた。リーダーとして、また、一隊員として、やはり緊張していたのだろう。今になってようやく、町を救ったのだという自覚と喜びがやってきたという具合か。

 光月は、それを瞬時にくみ取り、ニコリと笑って言った。

「そうですよ。そしてこれからも襲い来る脅威から守るんです。……頑張っていきましょう!」

「はい!!」

 少年のような瞳で、大きな声で返事をする。光月は満足げに頷いて、二人で廊下を歩いていく。






 例の、薄暗い部屋。大きなレリーフと、それに跪いている男が一人。

「敗れた、だと?」

 レリーフからの声は、明らかに不愉快な声だ。男は、許されるならば土下座だってしたい気分だ。

「も、申し訳ありません……予想外の障害が出現致しまして……」

「言い訳などいらん!!」

「ひっ!」

 身をすくめる男。怯えきっている。それほどまでに畏怖の念を抱いているのだろう……

「……もうよい。下がれ……」

「は、ははっ!」

 慌てて下がっていく男。

 男が立ち去って、レリーフの声は、小さく溜息を吐いた。

「予想外? 予定の範疇さ……」



「まずい……まずいな……」

 男は廊下を歩きながら、ブツブツ呟いている。どうやったら今回のミスを挽回できるか。それだけで頭がいっぱいになっていた。

「次の怪人……まだ調整が……しかし……」

 ザッ!

 と、物陰から人影が現れた!

「何やつ!! ……お、お前なのか!?」

 その人物は、その男を驚かすには十分意外な人物だった。

「は、はい……ボムマウスでございます……」

 余りに無惨な姿。全身はずたずた、両腕はもげ、血塗れで、辛うじて立っている、といった風貌だった。

「あの謎の連中に、や、敗れてしまいました……申し訳、ありません……」

 途切れ途切れに話す。男は、この組織の為にこんな姿になっても尚、忠誠心を誓うこのボムマウスに、心底惚れ込んだ。

「いや、よく戻ってきてくれた! お前の体、我等がカリメアの技術で復活させてやろう!」

「よ、よろしいのですか……?敗れた私に……?」

 驚いたのはボムマウスだ。再起不能寸前の自分に手間を掛けて復活させてくれる、それが果たして組織の為になるのか、分からなかったからだ。

「ああ、お前を以前とは比べものにならんくらいに強化してやる!」

 ボムマウスは、半分聞こえていなかった。もう一度戦える。組織の為に。そのあまりにも大きな喜びが彼の心に去来していたからだ。



 こうして、新たな時代は動き出した。

不穏な動きが……?

平和への道のりは、まだまだ長い。


第一話 「登場! 地球の環境は俺たちが守る!」完

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