激突!ボムマウス!
さぁ、ついにボムマウスと激突だ!
まずレッドがボムマウスに殴りかかる!
「うおぉぉぉぉぉ!!」
バシィィッッ!!
しかしそれをあっさりと受け止めるボムマウス!
「弱いな、この程度か……ふん!」
動けないレッドを蹴り飛ばす!吹っ飛ぶレッド!
その脇をすり抜け、次はブルーとグリーンが襲いかかる!
「二人同時ならかわせまい!!」
「あまい!」
ボムマウスは焦ることなく、腹部にある爆弾の中に手を入れる。そして出した時、手には爆弾が!!
『!!?』
「我が爆弾の威力、その身で知れ!!」
ぽ~~んと二人の間に投げつけてくる!
「いけない! 離れて!!」
グリーンが叫ぶが間に合わない!!
と、二人の間に、一陣の黒い風が!ブラックだ!彼は走りながら叫ぶ!
「マグマパワーチャージ!! アブソリュート・プロテクション!!」
クリスタルが輝き、光が彼の体を覆う!そして彼はその光が覆いきる前に、爆弾を抱え込む!!
どかぁぁぁぁぁぁん!!!
凄まじい爆音。もうもうとあがる煙。その爆心地にはブラックがいたはずだ……
「くくく……馬鹿な奴め、私の爆弾を抱え込むなど……粉々になってしまったか?」
ボムマウスの笑い声が響く。
煙が徐々に消え、辺りの様子が次第に分かってくると、ボムマウスの表情が固まった。
「な!?」
驚くのも無理はない。そこには無事な姿でブラックが立っていたからだ。爆発に巻き込まれる前のブラックと異なり、全身が黒い鎧で覆われているようだった。
「これが俺の能力……何者も傷つけられない最強の鎧……」
「くっ! 小癪な!」
思わぬ事態に動揺するボムマウス!
「隙あり!」
すかさず上からオレンジが、ボムマウスの後頭部めがけてニードロップ!
ガツッ!
「グワァ!」
直撃!後頭部を押さえながらもんどり打って倒れるボムマウス!
「さぁ! 覚悟しろ、ボムマウス!」
五人で囲む!
明らかに形勢逆転されたボムマウス、しかし不敵に笑う。
「フフフ……ハーッハッハッハ!!!」
「何がおかしい!?」
口を開いたのはブルーだ。その言葉にカッと目を見開き、見下すような目で叫ぶ!
「何が!? この状況がさ!! 覚悟!? 追いつめたつもりか!! 違うね! 追いつめられたのはお前等の方だ!!」
「!?」
あまりに自信に満ちあふれたボムマウスの態度に、一同身構える。が、何をしてくる訳でもない。
「お、おい?」
レッドが近づいた瞬間、ボムマウスは遙か上空へ跳んだ!!
そしてボムマウスがいた場所には……今までのものとは比べ物にならない程の巨大な爆弾!!
「なっ!?」
ほぼ同時に、全員が驚く!それを見て、上空からボムマウスが笑う!
「ハーッハッハッハ!! 間抜け共め! 一網打尽で爆死するがいい!!」
爆弾は今にも爆発しそうだ!さっきのようにブラックが受け止められるサイズではないし、そんな余裕もない!
「みんな!」
レッドの声に、みんなが頷く。
そして、全員でタイミングを計ったように一斉に、爆弾を上に蹴飛ばす!!
五人に蹴り上げられた爆弾は、当然上空へ向かって飛んでいった。
「なっ!?」
ボムマウスは我が目を疑った。先ほど置いてきたはずの爆弾が目の前に!そしてそれは爆発寸前だ!回避しなくては!
「くぅっ!?」
ボムマウスが空間を歪ませ、逃げようとする!が、一瞬間に合わない!
ドゥゥゥン!!!
大爆発!!衝撃波!!
パラパラと爆弾の破片が落ちてくる。
五人はボムマウスの姿を探し、身構えたまま周囲を警戒している。が、ボムマウスの姿はどこにもなかった。
あちこちに惨劇の後は残っている。が、それらはやがて癒える時がくるだろう。今、大事なのは、この町を狙っていた強大な悪意を退治した事だ。
これで平和が戻った……のか?