決着！紅虎戦！
グリーンと紅虎の決着や如何に！？
紅虎は、右の拳を放った。体はボロボロだが踏み込みも十分、全体重を乗せて完璧な……
そう思った瞬間、全身の血液が固形化して止まってしまったような感覚に陥る。これは……！？
――活動限界！？こんな時に！？
動きが途端に鈍くなる。腕が、足が、思ったように動かせない！
――うぅぅうぅごけぇぇぇぇ！！
己の意地だけで拳を突き動かす！そして拳の軌道は光月を捉える。
後はこのまま動くに任せれば、光月に当たる。最後の瞬間まで力を入れられず不満足な拳だが、お互いの状態を考えれば十分な威力だ。
……あぁ、光月。お前ももう、限界だったか。膝から崩れ落ちて。もう動けまい。その頭に俺の拳を叩き込み、終わりにしよう。
最高に楽しい戦いだった。しかしそれも、この一撃で終わりだ。さらば、光月。
グリーンは、紅虎の動きに呼応して身構えた。が、膝に力が入らずガクンと体勢を大きく崩す。
……ここまでか……
悔しいが、限界だ。もう余力なんて無い。これから来る紅虎の一撃で、私はやられてしまうだろう。
だが、あれだけ傷ついた紅虎を、残った皆が倒す事は容易い。後は皆が引き継いでくれる。だから何の問題も……何の問題も……
「う」
そんな訳……
「うぉぉぉぉぉぉああぁぁ！！！」
そんな訳あるかぁ！！私は、生きるんだ！！
立ち上がれ！踏ん張れ！この最後の技に、己の全てを賭けろ！！
途端、グン、と膝に力が戻る。これならば、いける！
倒れかけていた上半身を持ち上げる！その勢いを借りて、両手を交差させたまま頭上まで持ち上げ、紅虎の放つ拳を搗ち上げる！
必殺の拳を逸らされた！紅虎の両の目が見開かれる！
グリーンはそのまま一歩、前に進む。目指すは紅虎の脇腹。頭上の両手を振り下ろし、掌打を叩き込む！
ドン！！
これで……何とか、なりましたね……
紅虎はこの一撃をもろに食らい、くの字に折れて吹き飛んでいった。
グリーンはその場で立ちつくした。項垂れ、もう立っているしか出来ない。
しかし勝敗は明確。グリーンの勝利であった。
