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環境戦隊ガドガイアー  作者: 黒井羊太
第一話「登場!地球の環境は俺たちが守る!」
3/33

犯人を追いつめろ!

第二の爆破事件を防ぐことが出来なかった轟火。彼はそのことを悔やみ続けていた。

 ミーティングルームに神妙な面持ちでメンバー5人が集まっている。

 うつむいて黙っていた轟火が口を開いた。

「クソッ!! すまないみう、お前の言った通りだった! 俺がもっと真剣に聞いて動いていれば今回の事件は防げたのに……!」

「いいよいいよ、そんなに謝らないで。それに動いてたとしても防げたとは限らないし」

「そうです。それに起きてしまった事は仕方が無いです。そう気に病む事はありません」

とみうと光月が慰める。

 そこへ隼人が冷たく言う。

「そんな肩を落としている暇があるんだったら次を防ぐ手を考えろ!」

 冷たい言葉だが、そこには隼人らしい気遣いが見え隠れしている。しかし残念ながら今の轟火にそれに気づくだけの余裕は無かった。

「ソレニシテモ、何カニ気付イテイタノカ、ミウ?」

 気まずい空気を換えるために、マキシムが聞いた。


 メンバーが注目する中、みうは昨日轟火に説明した事を皆に説明した。


 ポンと手を叩き光月先生が言った。

「なるほど、そこは気付きませんでした。でもそれなら簡単です。次は……」

「仙台駅だな。」

 光月が答えを言う前に隼人が言った。

「さて、次の場所はわかりましたが、どうしますか? 轟火君」

 落ち込んだ轟火を見かねて光月が指示を仰ぐ。

 轟火はすくっと立ち上がり、パシッ!と頬を叩いて気合を入れ直した。その轟火の態度に、皆は微笑を以って指示を待った。

 そして轟火が叫ぶ!

「よし、仙台駅周辺のゴミ収集場を確認し、それぞれ持ち場を決めて張り込みだ!!」

『おうっ!!』


 翌日、五人はばらばらに仙台駅周辺に待機していた。

「いいかみんな、怪しい奴がいたら独りで戦うな! 必ず連絡を取り合え!」

『了解!』

 通信機越しに威勢の良い返事を聞き、頷く轟火。

「さぁ来い、爆弾魔……」


 そして、ごみ収集開始の時刻となる……!


 見つけたのは、轟火だった!

「なんだ……あいつ、何か怪しい」

 黒ずくめの男が一人、何やらごみ収集所辺りできょろきょろしている。この暖かい日には不自然なほど厚着をした男だ。

 そして誰もいないことを確認すると腹の辺りをごそごそ探り、取り出した黒い塊をポンと捨てていった!怪しすぎる!

「みんな! 来てくれ! 怪しい奴を発見した!」

 通信機に向かって叫びながら、男に向かって走り出す!

「おい!お前っ!」

 轟火が大声で呼びかけると、男は一瞬驚いて身じろぎをした後、走って逃げ出した!

「待てぇぇ!!」

 轟火もスピードを上げる!やがて距離は縮まり、捕まえることに成功した!

「ゼェ……ゼェ……お、おい、何をしていた……?」

「い、いや、私は何も……」

 露骨に顔を背けてどもりながら弁解をする男。どう見ても怪しすぎる。

「おい、ちょっと顔を見せてくれないか?」

「……」

 黒ずくめの男は何やら躊躇っている…そうこうしている内に、仲間達が集まってきた。

「どうした!? いたのか?!」

「あぁ……こいつ、何やら怪しいものをゴミ捨て場に捨てていた。しかも顔を見せないんだ……」

「……くっ!」

 話をしている内に男がバッと地面に伏せる!

『!?』

 全員が驚いた瞬間!

 どぉぉぉん!!

 後ろから凄まじい閃光と爆音、そして爆風が!!

「うわぁーー!!」

「きゃぁぁーー!!」

 悲鳴を上げながら吹き飛ばされる五人!

 黒ずくめの男は爆発が収まってから、笑いながら立ち上がる!

「は~っはっは! バレてしまってはしょうがない! 私こそ悪の組織、カリメアの尖兵!! ボムマウス様だ!」

 バリバリッと顔の皮を脱ぎ捨てると下には真の姿が!

 正体はネズミの顔!頭の上には爆弾型のオブジェが取り付けられ、腰回りにも巨大な爆弾が着いており、そこから足が生えている格好になっている。まさにボムマウス!!

「くぅ……みんな、大丈夫か……?」

「えぇ、何とか……」

「大丈夫だ……」

 う~う~とサイレンが鳴り響く。もうもうと煙が上がる。聞きたくなんてない、パニックの音だ。

「貴様……何者……」

「私か、だから私は悪の組織、カリメアの尖兵!ボムマウス様だ!」

 両手を広げてポーズを決めながら、改めて名乗るボムマウス。

「カリメア……?それは一体……?」

 いち早く立ち上がった光月が、初めて耳にした言葉の意味を尋ねる。

「フフフ……良くぞ聞いてくれた。我等はこの人類を混乱に陥れ、そして地球に平和をもたらす者だ!」

 得意満面に答えるボムマウス。

「? 人類に混乱をもたらし地球に平和を……どういうことだ?!」

 隼人が叫ぶ。

 それを見てボムマウスが小さく鼻で笑う。

「ふん、貴様等にはこの崇高な目的、分かるまい……」

 轟火がまだクラクラする頭を抱えつつも、起き上がりながら指差し、叫ぶ!

「分かるものか!! ボムマウス! 貴様の目的は何だ!」

 それに応えるボムマウス!

「知れた事! ゴミ収集車を全て破壊し、仙台市民のゴミを回収不可能にする、そうすることにより不衛生な環境を作り出し病気を蔓延させ、弱っているところを一網打尽にする!! 名付けて!『GarbageScatter作戦』だ!!」

「なんだって! し、しかし、じゃぁ何故地下鉄を狙った!?」

 動揺しながらも何とか轟火が言葉を発する。その言葉に、満足げに笑ってボムマウスが言う。

「フッフッフ……なに、物はついでというものだ。街をゴミだらけにしながら交通網を破壊する事で、恐怖と不便さを味あわせるためだぁ!!」

 今明かされる本当の狙い!その凄まじい悪意に、わなわなと打ち震える五人!

「とんでも無い作戦だ! おのれ、卑劣な!!」

「フハハハハ! 何とでも言え!」

 満足げに笑うボムマウス。

 と、ここでみうが口を開く。

「前回の犯行時刻、走ったタイムとぴったり重なるけど、アンタ一人の仕業ね!」

 みうの質問にピタリ、と動きを止めるボムマウス。

「ほう……なかなか頭の切れるやつだな……確かに、私一人でやったのだ。そしてこの近辺に身を隠し、次の機会を狙っていたのだ!」

 ボムマウスに誉められたからか、はたまた自分の勘が当たったからか、みうは嬉しそうな顔をしている。

「人々を混乱に貶める悪い奴! 許せん!」

 ビシッと指差しながら叫ぶ轟火!他の四人も身構える!

「許せんだと……? ふん! たかが人間、五人集まった所で何が出来るというのだ! いけぃ! 戦闘員共!」

「ウィ~!!」

 立ち直ったボムマウスの合図とともに、何処からともなく現れる甲高い声の戦闘員たち!その戦闘員たちの出で立ち、青い頭に黄色の角、全身は赤と白のストライプ!まさに異様!

 しかしそんな事に物怖じするわけにはいかない!

「行くぞみんな!!」

『おう!!』

ガドガイアー、初の戦闘へ!

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